長時間歩いても疲れない スニーカーみたいな革靴はある?
一日中外回りで歩き続けたり、長距離通勤で歩く時間が多いビジネスパーソンにとって、靴は最大の武器であり生命線でもあります。よって、靴選びは重大な問題のひとつ。どんな靴を履くかで、その日の疲労度が変わってきます。
スーツスタイルに合う。革製でもスニーカーのように走り回れるほど軽量で、長時間歩いても疲れない。ほどよく足にフィットして、歩行時の足運びをサポートしてくれるーー。そんな靴が理想です。
そこで今回は、歩きやすくて疲れにくい快適なメンズのビジネスシューズを探して、テストを行うことにしました。
疲れにくい靴を選ぶときの3つのポイントは?
今回のテストにあたり、これまで数多くの靴を検証してきた服飾のプロ・飯野高広氏にご協力いただきました。まずは、長時間履いても疲れにくい靴を選ぶ、3つのポイントを聞きました。
ポイント1:かかとのホールドが
効いているかどうか
まず1つめのポイントは、かかとのホールドがしっかり効いているかどうか。このホールド感が薄いと歩行中にズレを感じてしまいます。フィッティングの際はかかとがずれないかどうかをチェックしましょう。
ポイント2:甲から足指の付け根までが
バランスよく締め付けられているか
「歩行時に靴の中で足が動いたり、暴れたりすることで起こる『違和感』が、足の疲労の大きな原因となります」と飯野氏。足の甲から指の付け根あたりを押してみて、ごくわずかに張りを感じるくらいの感覚がベストなフィッティングとのこと。実際に触って確認しましょう。
ポイント3:足の状態に合わせて
微調整ができるか
足はその日その時のコンディションによって形が微妙に変わるので、履くたびに靴紐を締め直して、微調整をすることが望ましいといわれます。よって、靴紐で微調整できるかどうかも大切なポイントになります。
疲れにくい靴の選び方がわかったところで、いよいよテストを行います。
ビジネスシューズの比較検証方法は?
プロのご協力のもと、1万5000円程度で買える代表的なメーカーの売れ筋5足(ブラック)を比較します。
テストしたのは、次の2項目です。
テスト1:フィット感
隙間なく足にフィットするか
かかとに指が入ってしまうのはまだ靴が大きいサイン。隙間なく足にフィットするものが理想です。それぞれしっかりと靴紐を締めて、触ってチェックしました。
テスト2:中敷きの形状
足のアーチを支えられるか
中敷きは足のアーチを支えられるかどうかをかチェック。立体形状で足裏の形に沿ったものが好ましく、土踏まずのサポートがあれば、よりフィット感が増して歩きやすくなります。
以上の2項目をしっかりとチェックし、5足の中から「疲れにくい靴」を見つけ出したいと思います。
さて、最も優秀だったのはどの靴だったのでしょうか? 評価の高かったものから順にランキングでご紹介します。
ビジネスシューズのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、ビジネスシューズのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | おすすめポイント | |||||||||
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ロックポートドレスポーツ2 ライト プレーントゥ
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500gという圧倒的な軽さ/軽く柔らかいアウトソールも申し分なし/柔らかな牛革を使用したアッパーソールの絶妙なフィット感 |
500g |
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アシックス商事テクシーリュクス
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コスパのいい一足/フィット感は◯ |
635g |
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世界長ユニオン株式会社ドクターアッシー
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つくりも丁寧で値段を感じさせない/ふんわりとした履き心地 |
501g |
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ザ・スーツカンパニー衝撃吸収ソール ストレートチップシューズ
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796g |
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AOKILES MUES 外羽根式 ストレートチップシューズ
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564g |
ロックポート「ドレスポーツ2 ライト プレーントゥ」
- 重さ
- フィット感
- 中敷き
- アウトソール
- つくり
- 使用感
1位は老舗の革靴メーカー「ロックポート」のベストセラーモデル、ロックポート「ドレスポーツ2 ライト プレーントゥ」。500gという圧倒的な軽さに加えて、フィット感、中敷き、つくり、使用感も満点。軽く柔らかいアウトソールも申し分なく、足の疲れの原因となる違和感を感じません。
- おすすめポイント
-
- 500gという圧倒的な軽さ
- 軽く柔らかいアウトソールも申し分なし
- 柔らかな牛革を使用したアッパーソールの絶妙なフィット感
- 重量
- 500g
重さ
両足合わせて約500gと、一般的な革靴の約半分の軽さです。
フィット感
柔らかな牛革を使用したアッパーソールは絶妙なフィット感。足全体を適度にホールドします。屈曲性も高く、動きに合わせてよく曲がります。靴底の溝も歩行時の足の曲がりに合わせて計算された緻密なつくりです。
中敷き
しっかりしたクッションで作られている中敷きは、足裏のアーチに沿った立体構造でフィット感◎。
独自の立体的な中敷きが、土踏まずなど足裏のアーチにしっかり密着。靴全体のフィット感を高めて疲労感を軽減してくれます。
アウトソール
足の裏全体に入った横向きのスリットが曲がりやすさに一役買っていて、動きへの追従性も高いです。滑り止め加工はありません。
つくり
負担がかかりやすい履き口部分のクッションが頑丈に縫製されており、足首をしっかりとホールドします。
使用感
足全体を適度に締め付けるので歩行時に靴の中で足がずれたり暴れたりしにくく、ハードな動きにもしなやかについてきます。いい意味で革靴感がなく、スニーカのように走り回れます。
軽量でフィット感抜群のロックポート「ドレスポーツ2 ライト プレーントゥ」。今回比較した5足のなかではやや高価ですが、ビジネスマンの強い味方となるに違いありません。
アシックス商事「テクシーリュクス TU-7009」
- アシックス商事テクシーリュクス
- 実勢価格: ¥6,400〜
4月19日(金) 9:00 ~ 4月22日(月) 23:59
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- 重さ
- フィット感
- 中敷き
- アウトソール
- つくり
- 使用感
2位は、アシックス商事「テクシーリュクス TU-7009」。値段を感じさせないさまざまな工夫やディティールが光るコスパのいい一足。踏み込むと押し返されるような反発感が好みならおすすめです。
フィット感は◯。かかとのホールド感はいいのですが、靴が全体的に長いためか、甲からつま先がやや余ってしまいます。
- おすすめポイント
-
- コスパのいい一足
- フィット感は◯
- がっかりポイント
-
- 甲からつま先がやや余る
- 重量
- 635g
- 型番
- TU-7009
中敷き
土踏まずの部分に素材違いのアーチを設けています。一部メッシュになっており通気性も確保できます。
アウトソール
大きな横向きのスリットで曲げやすさをサポート。一番体重のかかる部分に滑り止めのゴムがあり、機能性も備えるしっかりした靴底です。
つくり
履き口の一部に伸縮性のあるゴムを採用。足入れしやすいサイドゴア式のタイプで、フィット感を損なわず足入れのしやすさを実現しています。
また、使用感もよく、かかとのクッションはポンポンと弾むような弾力感があり、次の一歩を自然と踏み出せます。
世界長ユニオン株式会社「ドクターアッシー DR-6046」
- 世界長ユニオン株式会社ドクターアッシー
- 実勢価格: ¥9,680〜
4月19日(金) 9:00 ~ 4月22日(月) 23:59
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- 重さ
- フィット感
- 中敷き
- アウトソール
- つくり
- 使用感
同じく2位は世界長ユニオン株式会社「ドクターアッシー DR-6046」。軽さと素材感もあいまって、全体的に柔らかくふんわりとした印象。つくりも丁寧で値段を感じさせません。ソフトな着地感が好みなら、こちらをどうぞ。
全体的に余裕のあるつくりですが、フィット感は○。レザーの質が柔らかくふんわりとした履き心地です。
- おすすめポイント
-
- つくりも丁寧で値段を感じさせない
- ふんわりとした履き心地
- 重量
- 501g
- 型番
- DR-6046
中敷き
立体構造は控えめなつくり。かかとの中心部分にクッションが入っていて衝撃を吸収します。
アウトソール
足裏全体に形の違うモールドが施されていますが、滑り止めはかかと部分のみ。素材の柔軟性は◎です。
つくり
柔らかい牛革と軽く柔軟性のあるアウトソールの素材で、5足の中では一番よく曲がります。
使用感もよく、同じく2位の「テクシーリュクス」と対称的にじんわりと沈み込むような柔らかさで歩行時の衝撃を和らげます。
4位: THE SUIT COMPANY「衝撃吸収ソール ストレートチップ シューズ」
- 重さ
- フィット感
- 中敷き
- アウトソール
- つくり
- 使用感
4位はTHE SUIT COMPANY「衝撃吸収ソール ストレートチップ シューズ」。素材や縫製は相応ですが、随所に耐久性を高める工夫があり、がっしりとした骨太なつくり。特徴的なクッション性が気に入れば選択肢に入るでしょう。
フィット感は△。全体的に足をホールドしてくれているものの、中敷きのかかと部分が盛り上がっており違和感があります。
- 重量
- 796g
- 型番
- CBSM04-BL
中敷き
かかと部分が盛り上がり、クッションになっているのが特徴的。高さがありすぎて慣れるまで時間がかかります。
アウトソール
足裏全体が重厚なゴムで覆われているので安定感があり、滑りにくさはNo.1。しかし、素材のせいか5足の中で一番重いです。
つくり
本格的な革靴の製法を採用し、靴底とアウトソールを縫い付けて固定しています。一般的な接着のみの製法よりも頑丈なつくりとなっています。
フィット感はまずまずですが、良くも悪くもかかとの分厚いクッションが特徴的なので、好みが分かれそうな一足です。
5位: AOKI「LES MUES 外羽根式 ストレート チップシューズ」
- 重さ
- フィット感
- 中敷き
- アウトソール
- つくり
- 使用感
5位はAOKI「LES MUES 外羽根式 ストレート チップシューズ」。足裏の大きな通気口のおかげで、ムレはかなり軽減されている印象ですが、全体的なフィット感とバランスの悪さが目立ちました。
また、適正サイズにもかかわらず全体の作りが大きいので、見切りで購入すると足に合わない可能性もあります。
- 重量
- 564g
中敷き
カップ状に湾曲し足を支えるつくりですが、足裏のサポートはなし。クッションも控えめで、中敷きの機能は最低限です。
アウトソール
軽いですが全体的に素材が硬く、曲がりやすさはイマイチ。かかとと爪先部分に滑り止めがあります。
つくり
軽さはあるものの全体的に素材が硬く、曲がりにくいです。履きこなれるまで時間がかかることがネックになりそう。中敷きのクッション感もほとんど感じられず、使用感の評価も△となってしまいました。
以上、長時間歩いても疲れにくいビジネスシューズを探した比較検証でした。
1位は軽量でフィット感抜群のロックポート「ドレスポーツ2ライト プレーントゥ」。惜しくもベストは逃しましたが、アシックス商事「テクシーリュクス TU-7009」、世界長ユニオン株式会社「ドクターアッシー DR-6046」も快適性と1万円以下で買えるコスパのよさが光りました。
ぜひ試し履きをして、あなたの足にフィットする一足を見つけてくださいね。
足形にフィットする靴ほど歩きやすく軽く感じられます。