大鍋を出すほどでもない… そんなとき便利な「ミルクパン」

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少量のソースやスープを作りたいとき、いちいち大きな鍋を取り出すのはひと苦労ですよね。洗いものの手間も増してしまいます。そんなときに使うと便利なのが、小鍋サイズのミルクパンです。

1人用にはもちろん、家族1食分だけスープを作りたいときにもちょうどよい大きさ。小さいのでサッと洗いやすく、女性でも片手で持てる重さなので1つあると重宝できます。

熱伝導がよいものが多いので 少量の調理に最適

熱伝導がよいものが多いので少量の調理に最適 イメージ

ミルクパンはその名の通り、牛乳をあたためるために作られた調理器具ですが、それ以外にもお湯を沸かしたり、用途は様々です。少量しか作らない離乳食にもジャストサイズですし、スープの場合でも、小さいながら深さがあるので家族全員分を作れることも。

また、ミルクパンは熱伝導がよいものが多いので、火にかけるとあっという間に温まるのも魅力の一つ。火を止めてもしばらく中身が温かいままキープされ、料理のしやすさもバッチリです。

ミルクパンの素材は ざっくり4種類あります

利便性の高いミルクパンですが、その素材はざっくり分けて3つでできています。まずは、その素材の違いを詳しく見ていきましょう。

【その①:アルミ】

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軽くて扱いやすいアルミ。強度は劣るものの不便さは少なく、熱伝導が速いのでお湯を早く沸かせます。

【その②:ホーロー】

ミルクパンの素材はざっくり4種類あります イメージ2

強度が高く、熱伝導もよいのがホーロー。金属の周りをガラス質の釉薬で焼き付けているため光沢があり、見た目の美しさも魅力の一つ。

【その③:ステンレス】

ミルクパンの素材はざっくり4種類あります イメージ3

ステンレスは熱伝導が悪く時短効果はないのですが、保温性や保冷性に優れています。軽くて錆びにくいのも特徴です。

【その④:テフロン】
テフロン加工のものだと汚れや傷がつきにくいので、使いやすさが魅力です。錆びにくい点もよいのですが、他に比べると耐久性はやや劣ります。

よいミルクパンを 選ぶポイントとは?

ミルクパンの素材の特徴を知ったうえで、次はどう選んでいけばよいのでしょうか?サッと使えて便利な調理器具なので、選ぶポイントは大きく3つに分けました。

[選び方①:熱伝導のよさ]

よいミルクパンを選ぶポイントとは? イメージ

写真/PIXTA

まずは最も大事な熱伝導です。小型の片手鍋はパッと使いたいときが多いため、早く熱が伝わりやすい方がベスト。お湯が沸くまでに時間がかかってしまってはストレスになってしまいます。また、保温性が高いと時間が経っても料理が冷めにくいのでよいですね。

[選び方②:注ぎやすさ]

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ミルクパンには基本的に注ぎ口がついています。おたまを使わずに片手でそのまま注げるのはよいのですが、気になるのは液だれ。液だれしにくいものなら、余計な掃除の手間も省けるので使いやすいです。

これら2つの選び方以外にも、IHコンロを利用している方は必ずIH対応かどうか確認してくださいね。

判断しんくいミルクパンの良し悪し ガチで検証した結果は!?

選び方はわかったけれど、実際に熱伝導がよいかどうかは見ただけじゃわからないですよね。そこで、実際に使えるミルクパンはどれなのか人気商品をテストすることにしました。

検証方法は選び方のポイントを元に、「使いやすさ、注ぎやすさ」それぞれの項目をプロの料理研究家の方に実際に手に触れてもらい評価してもらいました。また、熱伝導に関しては独自の検証機関で下記の実験を行っています。

【検証方法:熱伝導】

判断しんくいミルクパンの良し悪しガチで検証した結果は!? イメージ

各鍋に500mlの水を入れて中火にかけ、温度計で水温を計測。水温が90℃になるまでの時間と、火を止めてから50℃に下がるまでの時間を計測しました。

では、これらの結果はどうだったのでしょうか? ランキング形式で発表します! なお、注ぎやすさ、使いやすさは5段階で評価しており、数字が大きいほうが評価が高い、ということになります。

野田琺瑯は4分であっという間に煮立って温度もキープ!

野田琺瑯は4分であっという間に煮立って温度もキープ! イメージ

野田琺瑯
ポーチカ
ミルクパン 12cm
実勢価格:2295円

重さもサイズもちょうどいい「野田琺瑯」のホーロー製がベストに選ばれました。ソースやスープが作れる大きさ、深さですが、出し入れもラクラク! 液だれするストレスもなく、トップクラスの熱伝導のよさであっという間に料理が仕上がります。

〈評価・テスト結果〉
注ぎやすさ:4
使いやすさ:4
90℃になるまで:4分17秒
50℃に下がるまで:13分49秒
総合評価:A


【熱伝導】

野田琺瑯は4分であっという間に煮立って温度もキープ! イメージ2

今回検証した中では、最も早くお湯が沸きました。冷めるまでの時間も十分あるので申し分ない結果に!

【注ぎやすさ】

野田琺瑯は4分であっという間に煮立って温度もキープ! イメージ3

ゆるやかなカーブの注ぎ口で一見液だれしそうですが、切れがよくまったくこぼれません。これなら鍋もキッチンまわりも汚れない!


【使いやすさ】

野田琺瑯は4分であっという間に煮立って温度もキープ! イメージ4

長すぎず短すぎないサイズで、やや細めの持ち手が女性の手にフィットして持ちやすいです。程よい重さで安定感もあります。

保温力はベスト!kaicoはやや重いが熱伝導よし

保温力はベスト!kaicoはやや重いが熱伝導よし イメージ

kaico
ミルクパン S
実勢価格:4810円

〈評価・テスト結果〉
注ぎやすさ:4
使いやすさ:2
90℃になるまで:4分48秒
50℃に下がるまで:15分58秒
総合評価:B

保温力はベスト!kaicoはやや重いが熱伝導よし イメージ2

第2位はホーローの「kaico」。第1位以外のミルクパンはどれも一長一短でしたが、これは持ち手が太く少し握りにくいものの、液だれしません。ふっとう時間も5分以内と熱伝導も大変よい結果となりました。

軽くて持ちやすいが熱効率がやや劣る

軽くて持ちやすいが熱効率がやや劣る イメージ

パール金属
ミルクパン 14cm
実勢価格:1501円

〈評価・テスト結果〉
注ぎやすさ:4
使いやすさ:3
90℃になるまで:6分20秒
50℃に下がるまで:15分1秒
総合評価:B

軽くて持ちやすいが熱効率がやや劣る イメージ2

第3位はステンレス製の「パール金属」です。目盛りがついているので、鍋で軽量してそのまま料理できるところは使いやすく便利。

注ぐ時のストレスはなく、ふっとうまで少し時間がかかってしまいましたが、保温力は及第点でした。

4位: ミルクパンにしては大きめIH対応のエバークック

4位: ミルクパンにしては大きめIH対応のエバークック イメージ

エバークック
ミルクパン 16cm
実勢価格:3218円

〈評価・テスト結果〉
注ぎやすさ:4
使いやすさ:2
90℃になるまで:4分53秒
50℃に下がるまで:12分22秒
総合評価:B

4位: ミルクパンにしては大きめIH対応のエバークック イメージ2

第4位は大きめサイズの「エバークック」。IHに対応しフッ素加工のコーイティングがしてあります。

液だれせず注ぎやすさは問題ないのですが、もう少し小さいほうが気軽に使えそうです。ふっとうまでの時間は優秀でしたが、保温力に関しては最も悪い数字となってしまいました。

4位: 熱伝導はよいものの浅すぎてスープには若干不向き

4位: 熱伝導はよいものの浅すぎてスープには若干不向き イメージ

和平フレイズ
ジャストパン
IH対応二層鋼
ミニミルクパン 14cm
実勢価格:1281円

〈評価・テスト結果〉
注ぎやすさ:3
使いやすさ:2
90℃になるまで:5分41秒
50℃に下がるまで:15分2秒
総合評価:B

4位: 熱伝導はよいものの浅すぎてスープには若干不向き イメージ2

同率4位は「和平フレイズ」でした。IH対応でアルミとステンレスの2層構造になっています。

熱伝導は文句なしの合格点。注ぎ口がなく液だれ自体はしないのですが、傾けすぎるとドバッと出てくるので注意が必要です。他に比べて底が浅いので、スープを作るには少し容量が足りないかもしれません。

6位: 液だれが激しいうえ、持ち手が熱く使いにくい

6位: 液だれが激しいうえ、持ち手が熱く使いにくい イメージ

ニトリ
ホーロー
ミルクパン 15cm
実勢価格:999円

※リンク先のカラーはホワイトです。

〈評価・テスト結果〉
注ぎやすさ:2
使いやすさ:2
90℃になるまで:5分43秒
50℃に下がるまで:13分03秒
総合評価:C

6位: 液だれが激しいうえ、持ち手が熱く使いにくい イメージ2

惜しくも最下位となってしまったのは「ニトリ」でした。一体型のホーローのため、鍋と一緒に熱くなってしまいます。ふきんで巻かないと持てないので使いづらいのが難点に。

また、注ぎ口があるのに液だれしまくりで、手間が増えてストレスも多くなってしまったことが残念でした。

ほどよいサイズの野田琺瑯があれば汁物料理が超ラクになります

ほどよいサイズの野田琺瑯があれば汁物料理が超ラクになります イメージ

以上、ミルクパンのおすすめランキングでした。

コンパクトで出し入れしやすい野田琺瑯のミルクパンなら、お湯がすぐ沸くのでサッと使えて便利! 持ち手が細身で女性にも持ちやすく、中身を注ぐときも液だれしないので、こぼれたものをいちいち拭くストレスがありません。

今回、合格ラインに届かなかったのは、液だれが激しく持ち手まで熱くなるニトリだけでした。用途や好みに合わせて選んでみてくださいね!