スポットクーラーおすすめ6選|工事不要で冷える簡易クーラーを比較
テスト
高草真幸
高草真幸/Test by 家電批評編集部

スポットクーラーおすすめ6選|工事不要で冷える簡易クーラーを比較

猛暑日が続くと、心配になるのが“熱中症”。毎年多くの人が熱中症で救急搬送されているため、対策グッズも大量に販売されています。しかし、最近よく見かける“冷風扇”は正直あまり効果がりません。本当にオススメなのは、冷風扇とは冷却性能が大違いの“スポットクーラー(移動式エアコン)”です。

本音でテストする家電購入ガイド
家電批評
家電専門誌。スマホ、イヤホンなどのガジェットから、テレビや冷蔵庫などの大型家電まで、実際にテストしてレビューする本格テスト雑誌。
デジタル系編集者
功刀友如 氏
美大卒業後、ゲーム会社にてCGデザイナーを経て出版社に勤務。パソコン雑誌を中心にさまざまな分野の編集に携わる。現在はフリーランスとしてパソコンや家電雑誌などの編集を行う。もともと理系で凝り性なところがあり、エクセルの罫線が綺麗に整っていないと気持ちが悪い性質。検証記事も若干やり過ぎの傾向がある。でも趣味はオートバイとレザークラフトと割とアナログ


※情報は『家電批評』2020年9月号掲載時のものです。価格が変動している場合や在庫切れしている場合があります。

家電 そもそも熱中症ってどんなもの? なぜ起こるの?

通常では体温が上がると汗をかいたり、皮膚から熱を放出して体温の調節を行います。しかし、汗で体内の水分・塩分が失われ過ぎると、この調節機能がうまく働かなくなり、さまざまな症状が発生します。これが熱中症です。
注意したいのが、気温が低い日でも室温や湿度が高い場合は、やはり熱中症にかかる可能性があることです。ちなみに、熱中症には以下のような複数の症状があります。

熱疲労

大量に汗をかいて脱水状態に陥るとともに血液量が減少し、臓器機能が低下します。食欲不振吐き気疲労感などの症状が出ます。

熱失神

血管の拡張により血圧が低下し、脳に届く血液量が減ることで発生します。頻脈呼吸数の増加めまい立ちくらみ失神の原因となります。

熱けいれん

汗で水分と塩分が失われた際、水分だけを補給すると血液中の塩分濃度が低下します。これにより、筋肉痛手足がつりやすくなります。

熱射病

脱水状態が続くと体温が急激に上昇して、体温調節機能が失われます。これにより、意識を失うなどの意識障害全身けいれんが起こります。

家電 通販番組で見かける小型クーラー(冷風扇)は全然効きません!

熱中症対策としてまず思い浮かぶのが“クーラー”ですが、クーラーは高いし設置工事も必要で手軽とはいえません。家中のあちこちに設置、というのも現実的ではありません。そこで登場したのが、最近よく見かける“冷風扇(冷風機)”です。

通販番組でも「卓上冷風機」「卓上クーラー」「パーソナルクーラー」として紹介されているので、気になっていた人もいるでしょう。“水が蒸発する際に熱を奪う”という気化熱の特性を利用した製品で、本体に水や氷水を入れて使用します。部屋の空気が水を含んだフィルターを通過することで、少し熱が奪われた空気が出てくるという仕組みです。
しかし、この冷風扇、期待するほどの冷却効果はありません。兄弟誌「MONOQLO」でもテストしましたが、2年連続でガッカリ商品となってしまいました。
特に小型製品はとうてい猛暑に対抗できる代物ではなく、水が漏れるなどの欠点も目立ちます。水が切れたと思っても内部に残りやすいのか、動かすたびに水がポタポタと漏れることも……。
氷を入れる製品もありましたが、氷や冷却材を使用しても手間の割に涼しさはイマイチです。これで真夏の暑さに太刀打ちできるか、少々疑問が残ります。
大型製品もありますが、「MONOQLO」で大小6製品をテストした結果、大型製品でもやはり室温は下がらず……。冷房機能に関してはイマイチでした。
さらに、水を使う製品なので清潔さは保ちたいところですが、手入れも面倒です。大型製品でもタンクが取り外せない製品もあり、掃除がかなり面倒でした。
手軽に使えたり、電気代が安いというメリットはあるものの、熱中症対策としての効果は薄いでしょう。扇風機ほど手軽でもなく、エアコンほど涼しくもないという中途半端な結果でした。

家電 スポットクーラー(移動式エアコン)は冷却性能が大違い!

冷風扇ではなく、家電批評編集部が熱中症対策として注目したのが“移動式エアコン”。その名の通り、工事いらずで移動できるエアコンで、固定式エアコンと同様に冷媒も使用しています。

簡易エアコンではありますが、室外機の代わりに排気ダクトを使って暑い空気を室外に排出するので、冷却効果は冷風扇とは大違い。しっかりと部屋の中を冷やしてくれます。
ちなみに、「スポットクーラー」とも呼ばれますが、どちらかというとスポットクーラーは工事現場や屋外イベント時などに発電機と接続して使う業務用製品を指します。

移動用にキャスター付きで、冷風口にダクトが付いており、文字通り狙ったスポットをピンポイントで冷やしてくれます。
この製品が進化して家庭用となったのが今回紹介する「移動式エアコン(クーラー)」です。部屋全体を冷やすため冷風専用のダクトがなくなっていますが、業務用同様に、移動して利用できます。

家電 エアコンとの違いは?

スポットクーラーは「簡易エアコン」とも呼ばれており、エアコンとほとんど変わらないのではないかと思っている方も多くいると思います。

スポットクーラーのエアコンとの違いは冷やす範囲にあります。エアコンは温かい空気を家の外に出すので部屋全体を冷やすことができますが、スポットクーラーは冷たい空気と同時に温かい空気も部屋の中に排出されます。そのため部屋全体を冷やす場合よりも、一部に冷たい風を送るときに役立ちます。部屋全体を冷たくしたいという場合には向きませんが、排気を外に逃がすダクトやホースが付いているものを選べば、エアコンと同じように部屋に冷たい空気だけを残すことができます。また室外機も必要無いので工事不要で簡単に導入できます。

スポットクーラーのエアコンとの違いは、移動が可能で室内でも室外でも使える点にもあります。持ち運びが可能で場所を選ばないので野外のイベントなどでも活躍します。

家電 どうやって選ぶ?おすすめのスポットクーラーの選び方

それではどのようにスポットクーラーを選べばいいでしょうか。ここではスポットクーラーの具体的な選び方のポイントをご紹介します。これらのポイントを踏まえて選べば、しっかり活躍できるスポットクーラーが購入できますよ。

設置場所に合わせた本体サイズに

コンパクトでしかも部屋から部屋へ移動がかんたんなスポットクーラーですが、基本的に床において使うものなので、部屋を占有します。このため、狭い部屋やキッチンなどに置くときは設置するスペースの大きさを確認してから購入することが重要。

部屋の大きさに対して大きすぎるものを買うと、圧迫感が出てしまいます。小さくなると冷房性能も弱くなってしまいますが、まずは設置スペースから大きさの限界を確認して選ぶようにしましょう。

排気用ダクトがあると部屋全体を冷やせる

スポットクーラーは前面に冷たい風を出すのと同時に熱い空気を作り出すもの。この熱い空気を外に出す排気用ダクトがあると、冷たい風が当たるところだけでなく、普通のクーラーのように部屋全体を冷やすことができます。

排気用ダクトがないと熱い空気が部屋の中に排出され、逆に部屋全体としては温度が上がることに。普通のクーラー代わりにと思っている人は排気ダクトがあるものを選ぶようにしましょう。

冷房能力は家庭用が0.7~2.0kW、業務用は2.5kWを目安に

スポットクーラーの冷房能力はkW(キロワット)で表されます。家庭用なら0.7~2.0kW、業務用なら2.5kWといったところが選ぶ目安です。

ちなみに通常のエアコンであれば6畳で2.2kW、8畳で2.5kWといったところが目安。使用する部屋の広さや用途に合わせて適切な冷房能力のものを選びましょう。

レジャーで使うなら形も重視

レジャーで使う場合は、野外での移動や持ち運びを快適にしてくれる、取っ手が付いたものや丈夫なキャスターが付いたものを選ぶと良いでしょう。また大勢が集まるレジャーシーンでは、吹き出し口の数が多いと効率的に冷気を送ることができて便利です。電池で稼働し、電源やコンセントを必要としないものもあるので、場所を選ばずに使いたい場合はチェックしてみてください。

家電 こんなところもチェック!あると便利な機能

スポットクーラーを選ぶときにこだわりたい機能についても解説します。このような機能があるとより便利に使えるかもしれません。

冷暖房兼用モデルや除湿機能付きなら一年中使える

スポットクーラーの中には冷房機能以外の機能があるものが存在。たとえば暖房機能付きであれば冬にも使えますし、除湿機能付きならジメジメする梅雨の季節にも活躍します。

大きなスポットクーラーだとしまう場所を見つけるのも大変。一年中使えるものであれば、ずっと出しっぱなしにできるというメリットもありますね。

キャスター付きだと移動が楽

コンパクトとはいってもスポットクーラーはそれなりに重さがあるもの。キャスター付きなら部屋から部屋への移動や、掃除のときに動かすのが楽々です。移動させて使う可能性があるならキャスター付きのものを選ぶようにしましょう。

ドレン水が出ないノンドレンタイプが使いやすい

スポットクーラーは原理上、内部でドレン水と呼ばれる水が発生します。通常のスポットクーラーはこのドレン水をタンクに貯蔵するため、人間が定期的に捨てる必要があります。

ノンドレンタイプと呼ばれるスポットクーラーはドレン水を内部で蒸発させて放出するタイプのもの。ドレン水を捨てる手間が減るためより快適に使うことができます。

タイマーやオート運転機能

電源を切り忘れることが多い方は、タイマー機能が付いたものを選ぶと良いでしょう。電源をつけたり消したりする時間を設定することで消し忘れを防ぎ、無駄な電気代をかけずに済みます。特に寝る前にスポットクーラーを使うのであれば、あって損はない機能です。更にリモコンが付いていればなお便利です。

首振り機能

使うシーンによっては、首振り機能がついていたほうが便利なこともあります。例えば、レジャーや作業場など大勢の人が集まる場所です。より多くの人に効率よく涼しい風を送ることができます。

家電 室内5ヵ所に温度計を設置して冷却能力をテスト!

今回、その実力をテストするため、3台の移動式エアコンを用意しました。約28℃に温めた部屋に移動式エアコンを設置し、ダクトはドアの隙間から室外に出して固定
度計を部屋の中央①と壁の4隅②~⑤の計5ヵ所に設置し、25℃に設定した冷風モード(強)60分間の室温の変化を計測しました。
なお、テストに使用した製品は以下の通りです。

・トヨトミ「スポット冷暖エアコン TAD-22KW」
・ナヴィック/クレシード「楽座クーラー CLECOOLIII」
・コロナ「冷風・衣類乾燥除湿機(どこでもクーラー) CDM-1020」

それでは、各製品ごとにその実力を見てみましょう。

家電 トヨトミ「TAD-22KW」:移動式エアコンの中でも冷却性能が段違い!

今回テストした3製品の中では最も高価ですが、冷却性能も一番高かったのがトヨトミ「スポット冷暖エアコン TAD-22KW」でした。
トヨトミ
スポット冷暖エアコン TAD-22KW
実勢価格:5万980円
サイズ・重量:W440×H690×D320mm・約26kg
運転モード:オート・送風・冷風・温風・除湿
除湿量:1日:36/42L(50/60Hz)
使用温度範囲:冷:16~35℃・温:12~25℃
冷媒:R410a
稼動音:前方:47dB・後方:53dB
電源:AC100V(50/60Hz)
消費電力:冷:590/690W(50/60Hz)・温: 600/730W(50/60Hz)
同梱品:リモコン・給気ダクト・排気ダクト・窓パネル・排水ホース・活性炭フィルター
移動式とはいえ、思ったよりもサイズは大きめです。TAD-22KWは空気清浄機よりふた回りほど大きいサイズ感です。
電源ボタンは本体正面についており、液晶には運転モードや設定温度が表示されます。タイマー機能も搭載しています。
本体上部に温度調節等のボタンがあり、この部分にリモコンがスッポリ収納できます。
最大の特長は排気だけでなく、給気もダクトで室外から行うこと。このため、背面にはダクトを装着する口が2つ用意されています。

吸排気を行えるので、窓を開けた隙間に取り付ける「窓用エアコン(窓コン、ウインドウエアコン)」の、“床置きタイプ”と考えるとイメージしやすいでしょう。窓の幅が限られていて、窓用エアコンが設置できない環境にも役立ちます。
排気のみの製品は室内空気を給気して室外に排気するので、換気扇と同じ状態になってしまいます。その結果、窓の隙間などから外の熱い空気を取り込んでしまいますが、本製品ではそれがありません。これにより、室内の気圧を変えずに使えるので、より冷却効果が高まっています。

冷却性能は壁かけエアコンほどではないですが、構造的にはエアコンにかなり近い製品と言えます。そのため、暖房機能もあります。
テスト開始から60分後の室温変化は-4.8℃で、3台中最も部屋が冷えました。壁側の②と④の温度が低めです。なお、給気も室外から行っているためか、湿度には大きな変化がありませんでした。
TAD-22KWのテスト結果
なお、最大稼動音の実測値は47.3dBで、運転音3台中最も静かでした。

家電 ナヴィック「CLECOOLIII」:設定温度をムラなくキープ!

ナヴィック /クレシード「楽座クーラー CLECOOLIII」は小型で手軽に使え、しっかり部屋の冷却もできる移動式エアコンです。3製品中、場所による室温の差が最もなかったのがこの製品でした。
ナヴィック /クレシード
楽座クーラー CLECOOLIII
実勢価格:3万6880円
サイズ・重量:W375×H500×D285mm・13.2kg
運転モード:冷房・除湿・加湿・空気清浄・送風
除湿量:1日:19L
使用温度範囲:17~30℃
冷媒:R134a
電源:AC100V(50/60Hz)
消費電力:冷:350W
冷房能力:800W
同梱品:リモコン・排気ダクト・標準ダクトエンド・排水ホース・冷風口フィルター・温風口フィルター
ボタンや液晶は本体上部にまとまっており、わかりやすい配置です。
背面には大きな排気口がひとつあり、ここにダクトを装着して室外に排気します。
60分後の室温低下は-2.4℃ですが、部屋中の温度にほとんどムラがありません。平均温度はなんと、設定通りのジャスト25℃という驚きの結果でした。なお、部屋の湿度は時間経過とともに上がっていました
最大稼動音の実測値は56.9dBで、3台中では最も音が大きい結果でした。

家電 コロナ「CDM-1020」:ダクトをきちんと使えば実力を発揮!

コロナ「冷風・衣類乾燥除湿機(どこでもクーラー) CDM-1020」は石油ファンヒーターなどでお馴染みのコロナの製品で、ダクトをコンパクトにたたんで本体に収納できます。
コロナ
冷風・衣類乾燥除湿機(どこでもクーラー) CDM-1020
実勢価格:2万8480円
サイズ・重量:W250×H600×D386mm・約13kg
運転モード:冷風・除湿・衣類乾燥・送風
除湿量:1日:10L
使用温度範囲:5~35℃
冷媒:R134a
電源:AC100V(50/60Hz)
消費電力:除湿:200W
同梱品:排熱ダクト
なお、Amazon.co.jp限定で販売されている「CDM-10A2」も同等の性能です。
コロナ
冷風・衣類乾燥除湿機(どこでもクーラー) CDM-10A2
実勢価格:3万4800円
操作ボタンは本体上部にまとまっており、運転モードごとにボタンが用意されています。
背面には排気口がひとつ用意されており、その下にはダクト収納用のスペースがあります。
ダクトで排気を外に出しますが、ダクトは他の2製品と比べると柔らかい素材です。
Amazonなどではあまり冷えないという口コミもありますが、ダクトをしっかり設置して使えばそんなことはありません。ダクトが布のような素材でコンパクトになるため、その重要性を見過ごしているのかも知れません。

60分後の室温低下は-3.0℃で、きちんと部屋が冷えているのがわかります。なお、部屋の湿度はわずかに上がりました
ちなみに、最大稼動音の実測値は54.4dBでした。

家電 移動式エアコン全体が大人気で品薄製品も続出!

今回テストした3製品以外に、他メーカーからも移動式エアコンは発売されています。ただし、全体的に大人気ですでに品薄状態の製品も多数あります。
アイリスオーヤマ
ポータブルクーラー IPC-221N
実勢価格:4万3776円
ナカトミ
移動式エアコン MAC-20
実勢価格: 4万9800円
ダイキン
ポータブルエアコン Carrime PCA10XS-W
実勢価格:6万6000円
特にダイキンの「Carrime」は400台のみの限定販売とはいえ、予約開始の4日後、発売日の翌日にはもう完売という人気ぶりです。
冷風扇と違って、熱中症対策として十分な効果が期待できるスポットクーラー(移動式エアコン)の実力チェック、いかがでしたでしょうか? 工事不要でさまざまな部屋で使える移動式エアコン。暑い日を乗り切るためにも、ぜひ検討してみてください。

the360.life(サンロクマル)は、テストするモノ誌『MONOQLO』、『LDK』、『家電批評』から誕生したテストする買い物ガイドです。やらせなし、ガチでテストしたおすすめ情報を毎日お届けしています。
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