スマートフォン ASUSの「ZenFone AR」は世界初のAR&VR対応スマホ

ZenFone AR最大のウリは、世界のスマホではじめて、Googleの提供するAR技術「Tango」とVR技術「Daydream」に両対応する点です。加えて8GBメモリ(下位モデルは6GB)搭載をはじめとし、現状のスマホ最高スペックを誇ります。

ASUS:VR:AR:SIM:ZenFone AR:スマホ

ASUS
ZenFone AR
実勢価格:10万6706円
サイズ・質量/約H158.98×W77.7×D4.6~8.95mm・約170g
画面/5.7型ワイド・2560×1440
ROM・RAM/8GB(128GBモデル)、6GB(64GBモデル)

スマートフォン 家具の切り出しや縮尺の確認に便利模様替えがさらに楽しくなります

家具の切り出しや縮尺の確認に便利模様替えがさらに楽しくなります イメージ

このZenFone ARでできることで、一番「使える」と感じた使い道が模様替えです。事前に撮影した部屋のデータを編集して特定の家具やモノをトリミングし切り出すことができます。椅子や棚など切り出したインテリアごとに保存しておくことも可能です。

家具の切り出しや縮尺の確認に便利模様替えがさらに楽しくなります イメージ2

ZenFone ARのさらにスゴイところは、取り込んだデータから縮尺も割り出せることです。例えば家具売り場で欲しいインテリアがあった時に、部屋に収まりそうかどうかわからない…というときには、ZenFone ARで作成したデータから縮尺を確認してイメージを膨らませることだって可能にします。

スマートフォン 部屋をぐるりと撮影すると3Dデータにすることができます

それでは実際にAR機能を試してみたいと思います。検証に使ったのは「Matterport Scenes」というアプリ。部屋全体をスキャンすることで、3Dとして保存ができるというものです。実際に3D化したのがコチラのお部屋。

部屋をぐるりと撮影すると3Dデータにすることができます イメージ

アプリを立ち上げた状態で、この部屋の中をZenFone ARを持って動き回ると…

After:取り込み後

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こんな感じに取り込まれました。これ、一見するとただの粗い写真なんですが、実は3Dスキャンしたものなんです。画像を左右にグリグリ動かすと…

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こんな風にテレビを見ている向きにしたり

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リビングを見渡す感じにしたり、視点を自由に変えられちゃうんです。これをさらに引きで見てみます。

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なんと部屋の間取りごとスキャンがされていました! 家具の位置関係はもちろん、部屋の形も忠実に再現されています。これを可能にした秘密は、ZenFone ARのカメラにありました。

3つのカメラがARのポイント

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※写真はASUS HPより

ZenFone ARには2300万画素の高解像度メインカメラだけでなく、モーショントラッキングカメラ、深度カメラの3つのカメラが搭載されています。この3つのカメラで構成されるトライカムシステムにより、人間の目のように周囲の環境を認識。3Dスキャンを可能にしています。

スマートフォン 使い方はかんたんカメラを持って撮影するだけ

使い方はかんたんカメラを持って撮影するだけ イメージ

3Dスキャンというとなんだか難しそうですが、使い方が簡単なのもZenFone ARの魅力です。アプリを起動すると動画のような撮影画面に切り替わるので、あとは部屋の中を歩き回って部屋を撮影していくだけ。

使い方はかんたんカメラを持って撮影するだけ イメージ2

カメラをかざした箇所がどんどん画像化されていきます。画像の隅のマスクがかかっている箇所はまだ取り込まれていないので、そちらもカメラを向けて画像化していきます。

使い方はかんたんカメラを持って撮影するだけ イメージ3

ひと通り室内を撮り終えたら3Dモデルの作成へ。時間がかかるかと思いきや、ZenFone ARの端末スペックの高さもあり、概ね1分程度で作成できます。この手軽さ、未来感がたまりません!

ただし、暗い場所や黒いものは苦手です

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3Dカメラで撮影する際、明るい室内であれば問題なく行えましたが、黒い部分や暗がりでの撮影はマスキングされたままデータ化が難しいケースがありました。

スマートフォン そもそも【AR】って何?【VR】と何が違うの?

【VR】は仮想現実(Virtual Reality)、【AR】は拡張現実(Augmented Reality)というのが、ググると出て来る説明です。これだけではイマイチよくわからないと思いますので、実例を出しつつ、もう少し解説してみます。

例えば【VR】はゲームの世界に自分が入り込んでしまう感覚が特徴。ゲームというのはあくまで例ですが「対象とするものがすべて仮想世界」になります。一番有名なのがプレステVRです。

そもそも【AR】って何?【VR】と何が違うの? イメージ

外から見ればモロ現実ですが、本人が体感しているものはすべて仮想現実の世界です。

それに対して【AR】の一番わかりやすい例がドラゴンボールのスカウター。

そもそも【AR】って何?【VR】と何が違うの? イメージ2

スカウター【AR】は「あくまで現実世界を対象」としています。「マンガの時点で非現実じゃねーか」というツッコミは一旦置いといてください。

スカウターが対象とする相手はあくまで実在の人物。その姿形の情報を取り込むことで、戦闘力という情報を視覚で教えてくれる。現実世界の情報をさらに拡げてくれる(拡張)のがARです。

実在の製品として一番有名なのは、何年か前に話題になったGoogle Glassでしょうか。

そもそも【AR】って何?【VR】と何が違うの? イメージ3

※画像は公式YouTubeより

Google Glassは2015年に一般向けの販売を中止してしまいましたが、同様の製品も数多く出ています。

スマートフォン AR専用アプリはまだ少ないので今後に期待したい

AR専用アプリはまだ少ないので今後に期待したい イメージ

今回3Dスキャンに使用した「Matterport Scenes」アプリは、Google Playからダウンロードできます。ただしアプリを使用するにはGoogleのAR技術「Tango」に対応している必要があります。現状日本では、ZenFone ARのほかにはLenovoの「Phab 2 Pro」が対応しています。

AR専用アプリはまだ少ないので今後に期待したい イメージ2

例えばこちらは、部屋の中に仮想で家具を配置できる「Lowe’s Vision」アプリ。ZenFone ARのカメラを通して部屋にどのようなインテリアがマッチするかを確認することなどができます。「Tango」アプリは、まだ日本対応していないものも多いですが、ARの可能性まだまだ広がりそうな予感です。


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