ライフジャケットの選び方とおすすめ7選 | 水害から身を守る防災グッズを徹底比較
2019年01月31日(木)
360.life編集部
360.life編集部/Test by MONOQLO編集部
ライフジャケットの選び方とおすすめ7選 | 水害から身を守る防災グッズを徹底比較
大型台風やゲリラ豪雨など異常気象の影響で、水害のリスクが高まっています。2018年の西日本豪雨のような雨量であれば、都市部であっても水没や浸水の恐れがあり、決して他人事ではありません。そんな状況下で命を守ってくれるのが「ライフジャケット(救命胴衣)」。今回は防災グッズとしての目線から、Amazonなどで購入できる7製品を徹底検証しました。いざという時に慌てない、安心感のある一着をご紹介します。

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MONOQLO テストするモノ批評誌
MONOQLO
創刊10周年を迎えた辛口レビュー雑誌。生活用品や家具、ガジェットに加え、保険やクレジットカードなどのサービスも比較検証する。
松下和矢 LAB.360(ラボドットサンロクマル)室長
松下和矢
晋遊舎の専門テスト機関「LAB.360」の室長。消費者の視点で数多くの商品テストに従事。日用雑貨や家電製品が専門。
  • 水害から身を守るために
    常備したいライフジャケット
高層マンションでも周りが水没すると孤立の恐れがあります。
2018年6月28日から7月8にかけて、西日本を中心に広い範囲で記録された「西日本豪雨」。台風7号と梅雨前線の影響による集中豪雨で、死者数が200人を超え甚大な被害をもたらしました。

実は「河川や海が近くにない」という地域でも、油断は禁物。西日本豪雨のような雨量であれば、近くの河川が氾濫したりや水位が想像よりも上昇する恐れがあります。

一見安全そうな高層マンションも、水害は他人事ではありません。浸水の可能性は低くても、周りが水没すると孤立してしまい、水道が止まってトイレもままならないなどの恐れもあります。
そこで数ある水害対策用品の中でも、外せない重要なグッズの1つが「ライフジャケット」です。

ライフジャケットというと、釣りや川遊び、ボートといったアウトドアやレジャーのイメージが強いかもしれませんが、東日本大震災の津波の教訓として防災グッズとして注目されています。

とくに近くに水害の影響を受けやすい地域の場合、これがあるとないとでは大違いで、生死を分けることにもなりかねません。

そんなライフジャケットですが、各社からさまざまなタイプのものが売られています。ここでは、防災グッズとして使えるライフジャケットについて、選び方のほか、7製品を実際に着用して評価しました。
  • ライフジャケット選びの基本とは?
    まずは3つのポイントを確認!
ライフジャケットを選ぶ際に重要なポイントは、「素材」「形状」「サイズ」の3つです。
[ポイント1:素材]
素材自体が浮かぶ、ウレタン製を選ぶことが重要です。空気を入れて浮力を得るタイプは、破れてしまう危険があります。定期的なメンテも必要になるので、できるだけ避けておくといいでしょう。

[ポイント2:形状]
身体をしっかり支えてくれる、ジャケットタイプがベスト。ウエストベルト型や首かけ型もありますが、長時間救助を待つことが考慮されていません。

[ポイント3:サイズ]
ライフジャケットは、身体にピッタリとフィットさせることが重要です。とくに子供用には、スルリと抜けてしまわない適切なサイズで、股ストッパーがあるものを選ぶといいでしょう。

この3つが、ライフジャケットを選ぶ上で重要なポイントになります。
  • 各社のライフジャケットをガチ検証
    水害を想定した検証方法はこれ!
「ライフジャケット」で重視するべきポイントが分かったところで、Amazon、楽天、防災グッズの通販サイトの人気商品から、ウレタン内蔵タイプをチョイス。実際に装着し、プールを使ってその機能性を検証しました。

採点項目は「飛び込み」「水面からの高さ」「這い上がり」の3つです。

[チェック1:飛び込み]
「飛び込み」は、高さ40cmからプールにダイブして、高さが安定するまでの秒数を計測しました。

[チェック2:水面からの高さ]
「水面からの高さ」は、被験者の口から水面までの高さを計測。浮力の目安としました。

[チェック3:這い上がり]
「這い上がり」は、ライフジャケットを装着したまま岸へ上がる動作の秒数を計測。動きやすさの目安としました。
上記のテストを防災のプロと被験者の意見を取り入れながら、「機能性」「動きやすさ」「構造」の各項目で検証。総合評価を出しました。

なお、今回ご紹介するライフジャケットは防災グッズとしての性能を比較したもので、小型船舶等で着用するためのものではありません。

小型船舶等で使用する場合は、国が安全性を確認した証である「桜マーク」があるライフジャケットを着用してください。詳しくは、国土交通省のライフジャケットの安全基準と技術基準をご覧ください。

それでは、防災用ライフジャケットの評価をご紹介します。
  • すべての評価項目で満点を獲得!
    動きやすさ抜群で頼もしい
YUNTIAN OUTDOORS
大人用 ライフジャケット ホイッスル付き
フロントサイズ調整 フローティングベスト
実勢価格:1779円~2209円
ベストバイに選ばれたのは、フロントサイズが調整できるYUNTIAN OUTDOORSのフローティングベストでした。

洋服を着ている被験者の足まで浮かせる浮力は、フィットしたフロントベルトと股ストッパーおかげです。
飛び込み…4秒 水面高さ…15cm 這い上がり…5秒
胴からしっかり浮くので安心感があり、動きやすさも問題ありません。反射板もあり、夜間でも目立ちます。
▼テスト結果はこちら
機能性:◎
動きやすさ:◎
構造:◎

「機能性」「動きやすさ」「構造」の全項目が、文句なしの◎。総合評価は「S」を獲得しました!
この股ストッパーのおかげでベストが離れず、水中でも動きやすくなっています。難点はちょっと痛いところ…。
付属のホイッスルを取り出すときも、身体にフィットしたベストは動きを妨げません。サッと取り出せます。
ベルトを締めれば身体にフィット。
肩からウェストまでピッタリフィットなのがよくわかります。

被験者からは、「他の製品と比べて浮いている時の安心感があります」という声も出ました。
  • これもサイズ調整ができてA評価
    水中でも楽に動けます
Vkaiy
救命胴衣 呼び子付け
フローティングベスト
実勢価格:2299円
サイズ調整が楽で、とても着やすい設計の製品です。
飛び込み…5秒 水面高さ…15cm 這い上がり…5秒
ただ、水中では動きやすいのですが、浮力がかなり強いです。上手くバランスを取らないと、身体が回転してうつ伏せになってしまうこともありました。
▼テスト結果はこちら
機能性:○
動きやすさ:○
構造:○

「機能性」「動きやすさ」「構造」ともに〇。満点ではありませんが、まんべんなく高評価で、総合評価はAでした。
背中の力を抜くと、くるんと裏返しに。身体を縦にするのもコツがいります。
サイズ調整すれば、身体にとてもフィットします。
S評価の製品同様、肩からウエストまでピッタリフィットしています。
  • 股への食い込みが気になる…
    動きやすいけど長時間は厳しい
キャプテンスタッグ
シーサイド フローティングベスト2
実勢価格:2096円
股ストッパーとフロントのジッパーで、身体にフィットさせるフローティングベストです。
飛び込み…4秒 水面高さ…9cm 這い上がり…4秒
着やすくて浮力も十分。水中での移動も楽にできますが、股への食い込みが痛いです。
▼テスト結果はこちら
機能性:○
動きやすさ:◎
構造:△

「動きやすさ」は高評価ですが、股に食い込む点で「構造」評価がイマイチの結果となりました。総合評価はAですが、体型によってサイズが難しい場合があります。
ストッパーがかなり食い込みます。とくに、仰向けがきついという声が上がりました。
特徴は、丈の短さと股ストッパーです。
ウレタンはコンパクトですが、浮力は十分あります。

動きやすさは評価されましたが、構造に懸念点があるのでご注意ください。
  • 前後のウレタンボードが特徴的
    しっかりと顔を水上に出してくれる
60kgHUSE
リリーフライフジャケット Sサイズ
実勢価格 1万1400円
ウレタンボードが特徴的な、60kgHUSE製のライフジャケットです。
飛び込み…4秒 水面高さ…9cm 這い上がり…5秒
前後のウレタンボードが浮いて、顔と身体を支えてくれます。浮力はOKですが、ウエアの伸びがないのでちょっとキツいです。
▼テスト結果はこちら
機能性:○
動きやすさ:○
構造:○

全項目で高評価を得て、総合評価はAでした!
腕を上に上げても、沈み込みはそれほどではありません。でも、ボードに首とあごが当たって、少し痛さを感じました。
ウェアにボードがついている、少し変わった形状。
コンパクトですが、ウレタンボードは厚みがあります。
松下和矢
LAB.360(ラボドットサンロクマル)室長

松下和矢のコメント
肩がずれるジャケットは△です。
  • サイドのひもは1人では難しい
    着用には2人必要です
ノーブランド:ライフジャケット フローティングベスト/救命胴衣/ライフベスト  フリーサイズ(大人用・子供用):ライフジャケット
ノーブランド
ライフジャケット フローティングベスト/救命胴衣/ライフベスト 
フリーサイズ(大人用・子供用)
実勢価格:1404円

ほかの製品よりもリーズナブルな、ノーブランドの救命胴衣です。
飛び込み…4秒 水面高さ…4cm 這い上がり…4秒
フィット感はありませんが、首への負担も少なく上半身はちゃんと浮きます。ただしジャケットのサイドにあるひもは、1人では締められません。着用時は、2人一組であることが求められます。
▼テスト結果はこちら
機能性:○
動きやすさ:△
構造:△

「機能性」は認められましたが、「動きやすさ」と「構造」の評価はイマイチ。総合評価はBでした。
助けを呼ぼうとして手を上げると…残念ながら沈みます。これはちょっと困るかも。
フロントジッパーと同色のひもが、上下にあります。
問題はサイドのひも。調節はかなり難しい?
松下和矢
LAB.360(ラボドットサンロクマル)室長

松下和矢のコメント
一刻を争うときに、ひとりで着られないのが気になります。
  • フィット感が薄く
    小柄な体型だと抜けそう
高階救命器具
小型船舶用救命胴衣 TK-30RS
実勢価格:3100円
軽くて着心地の良い救命胴衣ですが、フィット感が感じられませんでした。
飛び込み…5秒 水面高さ…5cm 這い上がり…7秒
水中では、ライフジャケットだけが浮いてしまう感じがします。小柄な人なら、抜け落ちてしまうかもしれません。
▼テスト結果はこちら
機能性:△
動きやすさ:△
構造:△

評価項目のすべてが、イマイチという結果に。総合評価はBでした。
フィットしないので肩の部分だけ浮いてきて、のどを圧迫します。呼吸がしにくく、苦しくなります。
フロントジッパーと、上下2カ所のひもで着用します。
ジャケットが固めに作ってあるので、肩が浮いてしまいます。
  • 素早い装着はうれしいけど
    水中での動きにくさが懸念点
オーシャンライフ
小型船舶用救命胴衣
オーシャンC-2型 オレンジ
実勢価格:2980円
小型船舶用の救命胴衣で、フロントジッパーを閉めれば着用可能な手軽さがうれしい製品です。
飛び込み…6秒 水面高さ…8cm 這い上がり…5秒
ただし、サイズの調整ができないので肩がずれてしまい、水に入ると重くなってしまいます。
▼テスト結果はこちら
機能性:△
動きやすさ:×
構造:△

「機能性」と「構造」はまあまあでしたが、「動きやすさ」が×と低評価でした。総合評価はBです。
浮力はあるのですが、とにかく動きにくく、泳いだり潜ったりは不向きです。
固定はフロントジッパーとひもだけ。調整はできません。
ウレタンはちゃんと入っていますが、フィット感がありません。
  • ほかにもこんなジャケットが!
    津波対策用や教訓を活かしたモデル
HAMAURE
フローティングプロテクター 津波対策用 救命胴衣
実勢価格:3万1000円
津波対策用の、特殊なライフジャケットです。見た目ほど重くなく、頑丈に作られています。浮力もしっかりあって、上半身は水上に出るほどです。

首回りのプロテクターで顔が沈む心配もありません。泳ぎにくいのが難点ですが、2人がつかまっても沈まず、抜群の安定感があります。
モンベル
浮くっしょん(男女兼用)
実勢価格:5142円
モンベルが、東日本大震災を教訓として開発したジャケットです。普段はクッションとして使い、被災時にはライフジャケットに変身します。小学校などの公共施設にも導入されています。
以上、ライフジャケットの7製品比較+アイデアジャケット2製品の紹介でした。今回のテスト結果では、必ずしも価格と性能が比例せず、ベストバイは2000円代の製品でした。評価の分かれ目となったのは、サイズ調整と股ストッパーによるフィット感の有無のようです。

身体にピッタリとフィットしなければ、肝心なときに動きにくかったり、最悪の場合には脱げてしまう危険もあります。購入前、あるいは購入した直後に、一度は試着しておくことをおすすめします。

360.life(サンロクマルドットライフ)は、テストするモノ誌『MONOQLO』、『LDK』、『家電批評』から誕生したテストする買い物ガイドです。広告ではない、ガチでテストした情報を毎日お届けしています。

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