成分で見分ける良質なシャンプー 入っていると【良い頭皮ケア成分】はこの4つ

低価格と高価格のシャンプーを比較した際、その違いとして挙げられるのが配合されている成分の数です。高価格の商品にはさまざまな成分が配合されていますが、特に天然由来の植物や海草のエキス、オイルなどが多く含まれています。

しかし、これらのエキスやオイルがたくさん配合されているからといっても、必ずしもすべてが効果的というわけではありません。なぜなら、シャンプーは洗い流すことが大前提で、水溶性の成分は効果が出る前に流されてしまうため、「天然由来」という言葉だけを頼りにするのは得策ではありません。

今回は、国際毛髪皮膚科学研究所の所長である井上哲夫先生に協力いただき、入っていると良い成分と、入っていると要注意な成分を調査しました。価格に見合った良質な成分を含むシャンプーもある一方で、スカルプという名を冠しながら、頭皮に優しくない成分が多すぎるシャンプーもありました。

シャンプーの高価格化が進む昨今、ホントに良質なシャンプーかどうか、パッケージで見極められるようにしておきましょう。

それでは、まずは入っていると良い頭皮ケア成分からご紹介。ここでは、肌に低刺激で安全性の高い成分や、ヘアケア効果が期待できる成分を中心にピックアップ。洗浄剤2点、育毛成分1点、防腐剤1点の計4成分を紹介します。

【洗浄剤】コカミドプロピルベタイン 安心して使用できる洗浄剤の代名詞

コカミドプロピルベタインは、天然成分由来の界面活性剤で頭皮への刺激も弱く、安心して使用できる洗浄剤の代名詞といえる成分です。髪に対しても柔軟効果が期待できます。ランキングで見事第1位となったゼロプラス「ウーマシャンプー プレミアム」をはじめ、頭皮ダメージへ配慮した製品に多く配合されています。

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【洗浄剤】ココイル○○○、ココアンホ○○○ 頭皮への刺激が非常に弱くて優良な洗浄剤

ヤシ油抽出の脂肪酸である「ココイル~」や「ココアンホ~」と付く成分は、アミノ酸系の洗浄剤で頭皮への刺激が非常に弱く、優良な洗浄剤のひとつです。「グリシン」や「グルタミン」などの成分もこの仲間です。第3位のアンドジーノ「プレミアムブラックシャンプー」などに配合されています。

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【育毛成分】パンテノール、D-パントテニルアルコール 皮膚細胞の新陳代謝を活発に

パンテノール、D-パントテニルアルコールは、皮膚細胞の新陳代謝を活発にする働きがあるといわれている成分で、育毛促進効果が期待されています。もちろん安全性も高く、毛髪のダメージケアにも有効な成分です。第14位のラボーテ・ジャポン「Rigaos 薬用スカルプケアシャンプー for DRY SKIN」などに配合されています。

【育毛成分】パンテノール、D-パントテニルアルコール皮膚細胞の新陳代謝を活発に イメージ

【防腐剤】パラベン、フェノキシエタノール 安全性の高い防腐剤の一種です

浴室などの細菌が繁殖しやすい環境では、防腐剤は入っていたほうが保存には適しています。しかし、強すぎる防腐剤だと肌への影響が心配です。その点、パラベン、フェノキシエタノールは安全性の高い防腐剤の一種で安心です。第5位のアルファウェイ「モンゴ流シャンプーEX」などに配合されています。もちろん、第1位のゼロプラス「ウーマシャンプー プレミアム」もこの防腐剤を使用しています。

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成分で見分ける良質なシャンプー 入っていると【要注意な成分】はこの4つ

続いて、入っていると注意が必要な4成分を紹介します。

ここでは肌への刺激が強く、過剰に頭皮に刺激を与えてしまう可能性のある成分をピックアップしています。しかし、これらの成分が入っているから絶対にダメというわけではありません。

薬用系シャンプーなどは総じて強力な殺菌剤や洗浄剤を配合していることが多く、とくに皮脂の汚れに強いのが大きな特徴です。しかし、その一方で、頭皮への負担も大きくなるので注意が必要です。そういう意味では、毎日ではなく、とくに汗をかいて汚れたとき限定で使うのであれば、薬用シャンプーは非常に効果が高いといえます。

強い刺激の成分はできるだけ控えた方が無難ですが、各成分の特徴をしっかり把握して、適材適所で使うことが大事です。

【洗浄剤】ラウレル硫酸ナトリウム 安価なシャンプーによく使われる刺激の強い洗剤

ラウレル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムは、石油合成系洗剤の代表格でアミノ酸系の洗浄剤よりも原価が安い上に、洗浄力が強いのが特徴です。このため、安価なシャンプーによく配合されています。刺激が強いので注意したい成分です。ランキングで第25位だったP&G「h&s for men 薬用ボリュームアップシャンプー」などをはじめ、複数のシャンプーに配合されています。

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【防腐剤】サリチル酸、ピロクトンオラミン 強い殺菌や防腐作用がありますが毎日使用するには心配

サリチル酸、ピロクトンオラミンは、強い殺菌や防腐作用がある成分なので、運動をしたり、汗を多くかいた日などには最適です。しかし、刺激が強いので、毎日使用するには心配な成分といえます。第22位のジャパンゲートウェイ「スリーボム 薬用ストロングウォッシュシャンプー」や、アンファー「スカルプD 薬用スカルプシャンプー」などに配合されています。

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【防腐剤】ベンジルアルコール、イソプロパノール 肌への刺激がやや強いので気をつけたい成分です

ベンジルアルコール、イソプロパノールは、アルコール性の防腐剤の一種で、シャンプーのさまざまな成分を安定させる役割があります。ランキングの下位の製品で目立つ成分ですが、肌への刺激がやや強いので、気をつけたい成分のひとつです。ベンジルアルコールは第23位の花王「サクセス シャンプー ボリュームアップタイプ」などに配合されています。

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【着色料】青1、黄色4などのタール系色素 ヘアケア効果などはなく、不要な成分です

青1、黄色4などの着色料は、合成着色料としてシャンプーに含まれていることがあります。青色など爽やかな印象を喚起させますが、ヘアケア効果などはまるでなく、不要な成分といえます。青1は第18位の花王「サクセス 薬用シャンプー」などに配合されています。

【着色料】青1、黄色4などのタール系色素ヘアケア効果などはなく、不要な成分です イメージ

以上、プロが教える良質なシャンプーの見分け方でした。普段、成分なんて見ないで購入しているという方も、これからはここでピックアップしている成分だけでも確認してから購入しましょう。