空気清浄機を今買うべき理由とは?
日本気象協会が運営する「tenki.jp」によると、2023年のスギ花粉は飛び始めが2月上旬〜3月初旬、ピークは2月下旬〜3月下旬との予測です。また、花粉の飛散量は昨年よりも多い見込みです。
そんな花粉の撃退におすすめなのが、空気清浄機です。
空気清浄機をこれから買おうと思っている、もしくは買い替えを検討している人もいるのではないでしょうか。
花粉は早めの対策を!
▼2023年シーズンの花粉飛散傾向
気象情報サイト「tenki.jp」の花粉飛散予測によると、2023年の花粉シーズンは、2月上旬ごろに九州・四国・中国・関東の一部から始まるとの予想で、特に太平洋側の広い地域で「非常に多い」と見込まれています。
該当地域に住む花粉症の人は、昨年より万全な準備・対策をしたほうがよさそうです。
そこで雑誌『家電批評』では、編集部独自の〝全力テスト〟を行い、おすすめの空気清浄機を選びました。
【コスパ最強】一番安い狙い目は?
【コスパ1位】シャープ「KC-N50」
シャープ
加湿空気清浄機
KC-N50
実勢価格:¥20,667
サイズ:W39.9×H61.3×D23cm
重量:約7.5㎏
適用畳数:~23畳(空気清浄)、~13畳(プラズマクラスター7000)、
その他の機能:加湿機能付、PM2.5対応
いきなりですが、今回の検証では比較的価格帯の高い空気清浄機を比較しています。とはいえ、予算に限りがあるという方も多いのではないでしょうか?
そんな人におすすめなのが、過去のテストでかなり優秀だった製品の後継機で、価格も2万円以下とお手頃なシャープ「加湿空気清浄機 KC-N50」。ランキングの1位と同じシャープ製です。今回の検証結果の紹介の前に、少しだけその性能をお伝えします。
型落ち品ですが吸引する力も強く、ニオイにもしっかり反応するセンサーが優秀です。脱臭力も高く、タバコのニオイを想定した臭気を完璧に撃退するなど実力は十分。加湿もできてこの価格はおすすめです!
ニオイをすぐに感知。さらに3m先のニオイにも反応しました。
ちなみにこちらの製品には、カラーがブラックのモデルも存在します。インテリアに合わせたいといった場合は、こちらもチェックしてください。
【コスパ2位】シャープ「KC-J50-H」
シャープ
加湿空気清浄機
KC-J50-H
実勢価格:¥18,675
【選び方】センサー感度など全方位10項目をチェック
空気清浄機は、室内の空気を吸い込んでフィルターで汚れを取り、排出するというシンプルな仕組み。それゆえにテスト方法は従来から大きく変えられません。
そこで今回は、基本性能はしっかり押さえつつも、使い勝手の評価を細分化。とりわけ空気清浄機の「空気中の汚れを取る&常時運転」という特性を重視し、10項目でテストを行いました。
センサー感度、脱臭力、消費電力、静音性のハードウェア面はLAB.360室長の松下が、操作性や機能性、メンテナンスなどの使いやすさは担当編集の下田が実際に触って評価しました。
テスト1:吸引力(配点10点)
吸引口を複数持つ製品が不利にならないよう「適用畳数」の広さで評価。参考として最大風量運転時の擬似花粉の吸引状況も確認しました。
テスト2:脱臭力(配点10点)
1㎥の空間内にタバコの煙を充満させ、発生した「アンモニア」「アセトアルデヒド」「酢酸」の除去率で評価しました。日本電機工業会の基準を参考にしています。
テスト3:センサー感度(配点15点)
各製品を自動モードで運転し、一定の距離から赤土・芳香スプレー・擬似花粉を噴霧。センサーが反応して運転モードが切り替わる距離と時間を調べました。赤土をはじめとする各粒子を、より遠くから短時間で反応した製品ほど高評価にしました。
テスト4:消費電力(配点5点)
自動モードで1日(24時間)に使用される運転時間を仮定し、年間の消費電力量を算出。電気使用量(=電気代)が少ない製品ほど高評価としました。
テスト5:機能性(配点10点)
花粉、PM2.5、ホコリといった運転モードの種類数で評価。オフタイマー、チャイルドロックなどの付加機能がある製品は加点しています。
テスト6:付加価値(配点5点)
加湿やイオン発生、除菌機能など、空気清浄以外の機能の搭載数で評価しています。
テスト7:静音性(配点10点)
静音性は夜間の運転では大事な要素です。日本電機工業会の性能測定基準「JEM 1467」を参考に、本体正面・上・左右1mにおける騒音値を測定。最大&最小風量時の値を平均し、運転時の騒音が小さい製品ほど高評価にしています。
テスト8:操作性(配点10点)
実際に操作し、操作パネルのボタンの押しやすさ、反応、印字がわかりやすいかを評価。スマホ対応製品はアプリの使い勝手も考慮しました。
テスト9:メンテナンス(配点15点)
取扱説明書に記載のお手入れ手順から作業の難易度を設定。これをもとに1カ月の清掃の手間が少ない製品ほど高評価としています。交換パーツのランニングコストも評価に加算しました。
テスト10:設置(配点10点)
部屋をどれだけ占有するかも重要なポイントです。設置時における製品の占有体積を算出し、値が小さい製品ほど高評価にしました。また、配置場所の自由度が上がるとして外観のデザイン性も考慮しています。
高機能な空気清浄機おすすめランキング7選
それではさっそく、空気清浄機のおすすめランキング7選の発表です!
プロと一緒に実際に使ってみた、空気清浄機のおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | おすすめポイント | |||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シャープKI-RX100
|
|
浮遊物に対するセンサー性能が優秀/多様な状況に対応できる豊富な運転モード/クラウド連携で外出先からの操作も可能 |
427mm |
345mm |
700mm |
16kg |
46畳(加湿:37畳) |
10年 |
加湿・ イオン放出 |
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ダイニチCL-HB922
|
|
センサー感度の調整が可能/操作がシンプルで明快/強運転でも電力消費量が少ない |
310mm |
310mm |
540mm |
8.4kg |
38畳 |
2年(プレフィルターのみ4カ月) |
ウイルス活動抑制 |
|||||||||||
ブルーエアProtect 7540i
|
|
強運転でも騒音が小さい/吸引力と脱臭力は文句なし/占有体積が小さく設置の自由度は高め |
315mm |
315mm |
780mm |
14.6kg |
55畳 |
6カ月~1年 |
除菌 |
|||||||||||
エレクトロラックスUltimateHome 700
|
|
付加機能は豊富/外観デザインがおしゃれ |
410mm |
310mm |
646mm |
12.1kg |
27畳(加湿:13畳) |
2年 |
加湿・送風ファン・イオン発生 |
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コーウェイAIRMEGA 250
|
|
吸引力と脱臭力は格付け上位機と同等/本体が低く薄いので設置の自由度が高い |
470mm |
204mm |
501mm |
9.5kg |
35畳 |
1年 |
||||||||||||
アイリスオーヤマCHA-A55-C
|
|
乾燥機代わりになる送風ファン/センサーの感度が優秀 |
271mm |
282mm |
880mm |
12.2kg |
25畳(加湿:14畳) |
2年 |
加湿・送風ファン |
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カドーLEAF 250
|
|
本体がバラバラになりすみずみまで掃除できる/小型軽量なので設置自由度は高い |
240mm |
240mm |
490mm |
4.6kg |
21畳 |
6カ月~1年 |
【高機能1位】シャープ「KI-RX100」
- シャープKI-RX100
- 実勢価格: ¥70,689〜検証時価格: ¥90,784〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー
- 消費電力
- 機能性
- 付加価値
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置
A評価でおすすめベストバイに選ばれたのは、プラズマクラスターNEXT搭載モデルのSHARP「KI-RX100」です。
適用畳数46畳が示す高い吸引力、3種類のガス成分を97%も取り除く脱臭力、3mの位置でも検知する高性能センサーに他製品の2倍におよぶ豊富な運転モードと、非常に高いパフォーマンスを見せたおすすめの一台です。
その高性能さをいかんなく発揮し、雑誌『家電批評』の空気清浄機テストではシャープ製品が3年連続の総合1位を獲得しました。
- おすすめポイント
-
- 浮遊物に対するセンサー性能が優秀
- 多様な状況に対応できる豊富な運転モード
- クラウド連携で外出先からの操作も可能
- がっかりポイント
-
- 強運転時は本体が震えるほど動作音が大きい
- 他製品と比べると年間の電気代が高い
- 加湿機能付きでお手入れが少し面倒
- 幅
- 427mm
- 奥行
- 345mm
- 高さ
- 700mm
- 重量
- 16kg
- 適用畳数
- 46畳(加湿:37畳)
- フィルター交換目安
- 10年
- 付加機能
- 加湿・ イオン放出
- 型番
- KI-RX100
基本性能が高機能で優秀!機能も豊富でスキなし
この結果を決定付けたのは、優秀なセンサー性能。シャープ「KI-RX100」なら自動モード運転でも外部からの花粉やほこりを素早く感知し、室内空気の汚れを高速でキレイにしてくれるのが魅力です。
一方で弱点といえるのが、年間電気代が約4500円の試算となった消費電力量と静音性です。この2点と10万円超の価格に納得できるのなら、本製品は間違いなくおすすめの一台と言えます。
【吸引力:優秀】本体背面にある大きめ吸気口でホコリや花粉をしっかりキャッチ!
適用畳数46畳の大型機だけあり、吸引口は縦45.7×横21.5cm(実測値)と本体背面の3/4を占める大きさ。背面は壁際3cmまで寄せられます。
▼運転前
▼運転後
擬似花粉を使った参考テストでは運転後の花粉除去率が99.4%で、高い吸引性能を持っていることがわかります。
【センサー:優秀】頭ひとつ抜けた感度でホコリからニオイまで素早く検知!
赤土・擬似花粉・香料スプレーを使ったセンサー感度のテストでは、3種類すべてを本体から3mの位置で検知して満点を獲得。2022年のベストバイ製品と同様、搭載センサーの感度の高さは抜群です。
換気で入り込んだホコリ、衣服に付着して持ち込まれた花粉も素早く検知してくれるので、安心して空気清浄を任せられます。
【機能性:優秀】全9種類の運転モードで状況に合わせた空気清浄ができる
運転モードは、手動で風量を選ぶ「静音」「中」「強」「自動」「花粉」「おやすみ」に加え、強モードで10分間運転する「飛沫粒子モード」、センサー自動運転の「おまかせ」「効果実感モード」の全9種類。
部屋の状況に合わせて、細かい使い分けが可能です。おまかせ運転は湿度も調整してくれます。
【操作:優秀】クラウド+アプリ連携で外出先からの操作も可能!
シャープ独自のクラウドサービス「COCORO AIR」に対応。シャープ「KI-RX100」をWi-Fi接続しておくと、クラウド上のAIが運転モードを自動切り替えしてくれたり、外出先から部屋の状況を確認して運転を開始したりできます。
また、エアコンがシャープ製(要対応製品)の場合、エアコンと空気清浄機が互いに連携して室内の空気環境を自動で快適にしてくれます。
アプリでは交換パーツの消耗具合も確認できます。
【メンテナンス:合格】加湿機能を使わない時期はお手入れが格段にラク!
空気の汚れのなかでも大きいホコリは最も外側に配置されているプレフィルターで回収されますが、本製品はこのプレフィルターの自動掃除機能を搭載。加湿が不要な梅雨〜夏場はお手入れが格段にラクになります。
ただ、加湿と空気清浄を併用する期間は、水タンクや給水トレーの清掃が発生するため面倒です。
【静音性:微妙】弱運転は静かなものの強運転時はかなりの音が出る!
本体の左右・上・前面の運転音を測定したテストでは、強運転時の騒音値が各所平均で65.3 dBAと今回の検証機のなかではワースト。静音運転では静かなものの、若干の動作音を感じたため静音性評価は低めです。
性能は1位だけどここが惜しい
今回は性能と本体価格のバランスを考慮した「家電批評おすすめ」の1台を選出しましたが、総合1位=編集部おすすめとはしていません。編集部的おすすめは総合2位のダイニチ「CL-HB922」。これは「基本性能が互角なら安価なほうを」というシンプルな考えからです。
とはいえ、シャープ「KI-RX100」の性能は折り紙つき。予算内なら購入しても損はありません。
惜しいポイント1:加湿機能の部分のメンテナンスが面倒
加湿機能使用時の清掃対象パーツは全10個(最小製品は5個)と多く、定期的なお手入れ作業はひと手間がかかります。毎日、全パーツを清掃するわけではありませんが、空気清浄機能単体の製品と比べると、やはりメンテナンスは面倒に感じます。
惜しいポイント2:性能面はほぼ互角なのに約3万円も高い!
2位のダイニチ「CL-HB922」と性能面はほぼ互角ですが、価格はシャープ「KI-RX100」が約3万円高いです。
ダイニチ「CL-HB922」に加湿機能はありませんが、今回は空気清浄機の格付けなので加湿などの付加機能は重視していません。また、加湿器は別で用意したいという人もいるはず。これを考慮すると、3万円の価格差は大きいと言えます。
こちらもおすすめ!型落ちのシャープ「KI-PX100」
空気清浄機は季節家電に分類されますが、新製品の発売時期はメーカーによって異なり、値下がり時期もまちまち。ただ家電だけに、在庫処分が迫る型落ち製品は確実に価格が下がります。
過去に『家電批評』でおすすめベストバイだったシャープ「KI-PX100」は、発売当初(2022年1月)の13万1180円から約6万円も値下がりしているんです。
基本機能の面で成熟している空気清浄機は、たった1年では性能に大きな変化はありません。つまり、今回1位の「KI-RX100」が気になった方には、型落ち機もおすすめなんです!
※出典:価格.com「KI-PX100の価格推移グラフ」より
▼シャープ「KI-PX100」
シャープ
KI-PX100
実勢価格:67,800円
【高機能2位】ダイニチ「CL-HB922」
- ダイニチCL-HB922
- 実勢価格: ¥48,499〜検証時価格: ¥70,480〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー
- 消費電力
- 機能性
- 付加価値
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置
第2位は、A評価のダイニチ「CL-HB922」。性能と本体価格のバランスを考慮した編集部おすすめのベストバイ製品です。
空気清浄機能のみの製品ですが、テスト結果は1位のシャープ「KI-RX100」と2点しか差がなく、吸引力・脱臭力・センサー感度の基本性能は1位と遜色がありませんでした。
- おすすめポイント
-
- センサー感度の調整が可能
- 操作がシンプルで明快
- 強運転でも電力消費量が少ない
- がっかりポイント
-
- 運転モードが少なめ
- 占有体積が大きく設置が不自由
- 本体外側の掃除がややしにくい
- 幅
- 310mm
- 奥行
- 310mm
- 高さ
- 540mm
- 重量
- 8.4kg
- 適用畳数
- 38畳
- フィルター交換目安
- 2年(プレフィルターのみ4カ月)
- 付加機能
- ウイルス活動抑制
- 型番
- CL-HB922
1台を長く使いたい人に最適!性能もランニングコストも◎
基本性能は総合1位と遜色がないことに加え、加湿機能を持たないので日々の清掃箇所が少なく、メンテナンスしやすい点も魅力。
さらに運転時の消費電力が全般的に低く、年間の電気代は消費電力最小のカドーと同じく1000円台と、財布に優しいのも長所です。シンプルで落ち着いた外観なのでリビングに合いやすいです。
適用畳数が広い割に消費電力が少ないのが◎。常時運転もしやすい!
【吸引力:優秀】床面に近い4方向から汚れた空気を吸い込む!
吸気口は底面にあり、4カ所のスリットから吸い込む仕組みです。ほこりや花粉は約15分で床に落ちるといわれるため、この配置は合理的。
スリットは床から前後が2.5cm、左右が3.5cmの高さにあり、本体周辺を歩いたときに舞い上がったほこりをすかさず吸い取れます。
▼運転前
▼運転後
擬似花粉落下のテストでは1辺で約80%を除去したので、4方向から吸い込むことを考えると吸引力は高いです。また、4辺にあるので本体を部屋の中央に置いても吸引します。
【センサー:優秀】ホコリとニオイのセンサーは感度の調整が可能!
センサー感度は、ホコリを想定した赤土への反応において1位のシャープ「KI-RX100」に劣ったものの、3種類すべてに反応して2位の成績でした。
センサー感度を別々に弱・中・強と手動設定できるため、PM2.5や乾燥してホコリが多い時期はホコリセンサーを、「食事やペットのニオイを気にするシーン」のときはニオイセンサーの感度を上げておくといった柔軟な使用も可能です。
【脱臭力:優秀】15分後の値はすべてゼロ!3種類のガス成分を取り除いた
▼運転前の濃度(ppm)
- アンモニア:35
- アセトアルデヒド:8
- 酢酸:6
▼運転15分後の濃度(ppm)
- アンモニア:0
- アセトアルデヒド:0
- 酢酸:0
タバコの燃焼で発生するニオイのガス成分「アンモニア」「アセトアルデヒド」「酢酸」の濃度で判定する脱臭力のテストでは、15分の運転で各種数値がゼロというパーフェクトな除去率でした。
家族が集まるリビングはさまざまなニオイが漂うものですが、本製品を置いておけば素早く除去してくれます。
【メンテナンス:優秀】背面から引き出すだけなのでフィルターの掃除はカンタン
空気清浄のみの製品なので主に掃除するのはフィルターと本体、センサーの3カ所。汚れを捕集するフィルターは3枚あり、このうち「活性炭脱臭」「静電NEOH」のフィルターは背面パネルを外して引き出すだけと掃除が簡単。
また、最もほこりが付くプレフィルターですが、汚れたら付け替えるだけの交換式で手間が少ないです。
2枚のフィルターを順番に外します
各フィルターには“タブ”がついていて、これを引っ張るだけで取り出せます。交換式のプレフィルターは本体前面から引き出します。
【機能性:合格】運転モードは必要最低限!操作は簡単も機能面は物足りず
運転モードは「自動」「弱」「中」「強」「ターボ」の5種類。他社製品に見られる花粉などに特化した運転モードはないので物足りなさはありますが、逆にシンプルなので操作で迷うことは少ないです。
【設置:微妙】前後左右の設置マージンが広く置き場所の制約が強い
空気清浄機は吸気と排気を妨げないように、前後左右・上方のスペースを確保して設置する旨の注意書きが取扱説明書に記載されています。
ダイニチ「CL-HB922」は吸気口用のスリットが4方向にあることが影響しているのか、このマージンがやや広め。左右と後ろは30cm以上、上方向は1m以上のスペースを確保する必要があります。
今回検証した他製品よりも設置場所の制限が厳しくなっており、リビングのレイアウトや家具の配置状況によっては置き場所の確保に悩む場面もありそうです。
【高機能3位】ブルーエア「Protect 7540i」
- ブルーエアProtect 7540i
- 実勢価格: ¥94,440〜検証時価格: ¥137,500〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー
- 消費電力
- 機能性
- 付加価値
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置
静音性の評価でエレクトロラックス「UltimateHome700 EP72-46DGA」と同率1位を獲得したのが、ブルーエア「Protect 7540i」です。A評価を獲得し、総合ではおすすめ3位にランクインしました。
- おすすめポイント
-
- 強運転でも騒音が小さい
- 吸引力と脱臭力は文句なし
- 占有体積が小さく設置の自由度は高め
- がっかりポイント
-
- 花粉に対する反応がイマイチ
- 運転モードが4つと少なめ
- 交換パーツのランニングコストが高い
- 幅
- 315mm
- 奥行
- 315mm
- 高さ
- 780mm
- 重量
- 14.6kg
- 適用畳数
- 55畳
- フィルター交換目安
- 6カ月~1年
- 付加機能
- 除菌
- 型番
- 106876
吸引力や脱臭力は申し分なし!運転時の音も静か
最大風量の運転でも静かで、最小風量だと騒音レベルは環境音に溶け込むほど。静音性を気にする方にはおすすめの一台になります。運転音の小ささのヒミツは、本体両サイドにネックレスのような形で設置されている排気口(写真の黒い部分)にあります。
主な騒音のもとである排気が上下・前後で立体的に排出されているため、音が分散して風量が強くても騒音を感じません。
また、適用畳数55畳という強い吸引力を持ち、20畳強のリビングでも快適に使えます。本体はスリムで設置性も良好ですが、弱点は本体&ランニングコストが高いこと。
特に後者は年間2万円もの出費で、コスト面で折り合いがつくかが購入の分かれ目になりそうです。
【静音性:優秀】最大風量モードの比較ではシャープより10dBも音が小さい!
ブルーエア「Protect 7540i」は静音性おすすめNo.1だけあって、強運転でも騒音値は55.1dBと、音は聞こえるけれどうるさいと感じるほどではないレベルの数値です。
静音性ワーストのシャープ「KI-RX100」は65.3dBと、比べると実に10dBの差がありました。本製品はシャープ「KI-RX100」でいうと中運転くらいの騒音値。
本体から空気の排出音が普通に聞こえてきますが、音自体の厚みがあまりないため、多少の雑音に耐えられる人なら十分に寝られるレベルです。また、最も弱いモードでは4カ所平均で37.8dBと環境音に溶け込むレベルでした。
静音性No.1とはいえ、強運転はそれなりの音がします。寝られないほどではないですが、音に敏感な人は厳しいかも。
【脱臭力:優秀】タバコ5本が生むガス成分はパーフェクトに除去!
▼運転前の濃度(ppm)
- アンモニア:35
- アセトアルデヒド:8
- 酢酸:4
▼運転15分後の濃度(ppm)
- アンモニア:0
- アセトアルデヒド:0
- 酢酸:0
タバコ5本を使った脱臭力のテストでは、検証機7台中4台が100%除去のパーフェクトを達成しましたが、ブルーエア「Protect 7540i」はそのうちの1台です。センサー感度もそこそこの性能なので、ニオイがキツイ場所でも活躍できます。
【設置:優秀】外観はおしゃれで占有面積も小さい
78cmの高さで存在感ある本体。しかし、横幅は31.5cmと意外とコンパクトなうえ設置用のマージンは周囲10cmと狭いため、壁に近い位置にも設置できます。曲線を多用した外観もおしゃれで、広いリビングならインテリアとしても映えそうです。
【操作性:良好】専用アプリを使用すれば操作の幅が広がる!
専用アプリをスマホに導入して無線LAN経由で本体に接続すると、遠隔での操作ができるようになります。
スケジュール運転やチャイルドロックなどアプリ専用の操作があるほか、本体のセンサーを利用した空気状況のモニターデータ閲覧も可能です。スマホとセットで使用することで、より利便性が向上します。
【メンテナンス:微妙】ランニングコストが超割高!
ブルーエア「Protect 7540i」は空気清浄機能のみの製品なのでお手入れそのものは簡単。ところが、交換パーツである「スマートフィルター」は1枚1万9800円と他製品と比べて飛び抜けて高価。しかも交換目安が6カ月〜1年と短めなのが難点です。
フィルターの交換時期は使用環境も影響するため、一般的な自宅リビングなら1年ごとの交換と仮定できますが、それでも大きな出費となります。
【高機能4位】エレクトロラックス「UltimateHome700 EP72-46DGA」
- エレクトロラックスUltimateHome 700
- 実勢価格: ¥72,545〜検証時価格: ¥99,000〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー
- 消費電力
- 機能性
- 付加価値
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置
第4位はA評価のエレクトロラックス「UltimateHome700 EP72-46DGA」でした。脱臭力と静音性の高さが特徴で、豊富な付加機能がおすすめの一台です。
加湿空気清浄機なのでお手入れはやや面倒ですが、交換パーツのコストが抜群に低く高評価となりました。
- おすすめポイント
-
- 付加機能は豊富
- 外観デザインがおしゃれ
- がっかりポイント
-
- センサー性能が弱い
- 価格の割に適用畳数が小さめ
- 幅
- 410mm
- 奥行
- 310mm
- 高さ
- 646mm
- 重量
- 12.1kg
- 適用畳数
- 27畳(加湿:13畳)
- フィルター交換目安
- 2年
- 付加機能
- 加湿・送風ファン・イオン発生
- 型番
- EP72-46DGA
購入後の運用コストも実は良好!
センサー感度で大きく評価を下げましたが、静音性はNo.1のブルーエア「Protect 7540i」と同等なうえ、ランニングコストも良好(年間電気代は2000円未満、パーツの交換コストも1年で1000円未満)です。高価な本体がネックといえます。
外観は家具ともなじむ落ち着いた雰囲気の空気清浄機です。
【付加価値:優秀】加湿・送風・イオンと付加機能を豊富に搭載!
空気清浄機能に加え、加湿・送風・イオン発生と豊富な付加機能を搭載するのが特徴。複数の機能を一台にまとめて、コンパクトに運用したい人にはおすすめです。
背面の水タンクは取り外しが容易で給水しやすいのが特徴。
送風部はルーバーを左右に動かせます。
また、マイナスイオンの発生機能も魅力のひとつです。
【センサー:難あり】ニオイ・花粉に反応せずホコリも検知が遅かった
テストで検知できたのはほこり想定の赤土のみ。しかも、2mの距離で反応に50秒も要し、センサー感度はあまりよくありません。ニオイや花粉には無反応でした。
静音性で選ぶならエレクトロラックスもおすすめ!
強運転時の騒音値が60dBを超えなかったのは2製品あり、静音性No.1のブルーエア「Protect 7540i」と同等だったのが本製品です。
左右・前面・上部のどの位置も50dB台。ファンが向いていた前面はやや高めでした。ただ、数値上では差があるものの、ほぼ誤差のレベルです。静音性で選ぶならこちらもおすすめです。
【高機能5位】コーウェイ「AIRMEGA 250 AP-1720H」
- コーウェイAIRMEGA 250
- 実勢価格: ¥32,000〜検証時価格: ¥42,900〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー
- 消費電力
- 機能性
- 付加価値
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置
B評価で第5位となったコーウェイ「AIRMEGA 250 AP-1720H」は、本体価格の割に性能面が良好な一台。
吸引力や脱臭力は1位のシャープ「KI-RX100」と同等なのに、価格は約4万円というリーズナブルさが魅力です。
- おすすめポイント
-
- 吸引力と脱臭力は格付け上位機と同等
- 本体が低く薄いので設置の自由度が高い
- がっかりポイント
-
- センサーの感度が全体的にイマイチ
- 付加機能が皆無
- 幅
- 470mm
- 奥行
- 204mm
- 高さ
- 501mm
- 重量
- 9.5kg
- 適用畳数
- 35畳
- フィルター交換目安
- 1年
- 型番
- AP-1720H
シンプルな空気清浄機が欲しいならコレがおすすめ
総合5位だけに、吸引力と脱臭機能のほか空気清浄機能以外の機能がないという弱点もありますが、安価でシンプルな空気清浄機が欲しい人にはうってつけ。メンテナンスも簡単なうえ、本体も程よいサイズで、占有スペースが小さめなのも好印象です。
【吸引力:優秀】大型ファン搭載で小さくても吸引力は高い!
本体中央に位置する吸引ファンは直径30cmと大型。本体の半分以上の面積を占め、空気中に舞うホコリや花粉をパワフルに吸い込みます。
▼運転前
▼運転後
擬似花粉を使用した吸引力の参考テストでは運転後のシャーレに花粉がほとんど見当たりませんでした。本体はそれほど大きくないものの、強力な吸引力を誇ります。
【脱臭力:優秀】3種のガス成分を15分で完全に除去
タバコ5本を使用した脱臭力のテストでは、15分間の運転でアンモニア、アセトアルデヒド、酢酸の3種類のガス成分を完全に除去。除去率100%と、高い脱臭性能を示しました。
タバコや焼肉など強いニオイが出やすいときに強運転させておけば、室内の残臭を軽減できそうです。
【センサー:難あり】感知できたのはホコリだけ。ニオイや花粉は反応せず
弱点のひとつがセンサー感度。反応したのは赤土のみで、香料スプレーや擬似花粉の噴霧には反応せず。また、赤土も1mの至近距離でやっと感知したほどで、検知性能は低め。外部から侵入した浮遊物はあまり検知できません。
【メンテナンス:微妙】お手入れ自体は簡単も交換パーツが割高
空気清浄機能のみの製品でメンテナンス自体はラク。空気清浄の要「MAX2 Greenフィルター™️」も使用状況によって交換をお知らせする機能があり、便利です。
ただ、フィルター価格が約1万円と割高なのがネックといえます。交換頻度は常時運転で1年に1度が目安です。
【高機能6位】アイリスオーヤマ「CHA-A55-C」
- アイリスオーヤマCHA-A55-C
- 実勢価格: ¥20,095〜検証時価格: ¥36,192〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー
- 消費電力
- 機能性
- 付加価値
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置
6位はB評価のアイリスオーヤマ「CHA-A55-C」でした。空気清浄・加湿・サーキュレーターの3機能がまとまった空気清浄機。
用途の幅広さがおすすめポイントでセンサーも優秀でしたが基本性能が少し足りず、この順位となりました。消費電力も高いです。
- おすすめポイント
-
- 乾燥機代わりになる送風ファン
- センサーの感度が優秀
- がっかりポイント
-
- 消費電力が大きい
- 背が高く設置場所を選ぶ
- 幅
- 271mm
- 奥行
- 282mm
- 高さ
- 880mm
- 重量
- 12.2kg
- 適用畳数
- 25畳(加湿:14畳)
- フィルター交換目安
- 2年
- 付加機能
- 加湿・送風ファン
- 型番
- CHA-A55-C
便利機能を複数搭載も設置と電気代がネックに
1台3役が3万円台のアイリスオーヤマ「CHA-A55-C」。衣類乾燥機としても活用できます。
ただ、背の高さが88cm&広めの設置マージンで置き場所が制限される点、消費電力が高い点が影響し、総合順位は6位と今ひとつの結果に。空気清浄能力は劣らないので、多機能さを求める人なら選択肢に入ります。
【センサー:優秀】感度アップも可能!ホコリへの反応も◎
搭載する「ほこりセンサー」は手動による調整で感度アップが可能。実際の反応も優秀で、テストでは全体3位の好成績! 花粉・ホコリ・ニオイのすべてにきちんと反応していました。部屋に漂う浮遊物の存在を逃しません。
【消費電力:難あり】年6000円以上はちょっと厳しい
他製品は軒並み10W以下だった弱モード運転。ところが本製品は2倍以上の約20Wで、年間電気代は6711円という試算に。常時運転が基本の空気清浄機としては難ありと言わざるを得ません。
【高機能7位】カドー「LEAF 250 AP-B250-HT」
- カドーLEAF 250
- 実勢価格: ¥55,000〜検証時価格: ¥55,000〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー
- 消費電力
- 機能性
- 付加価値
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置
7位はB評価のカドー「LEAF 250 AP-B250-HT」。今回の検証機中で最もメンテナンスしやすかった空気清浄機です。
小型・軽量で設置の自由度は高いですが、その反面でリビングで使うには性能が低めです。
- おすすめポイント
-
- 本体がバラバラになりすみずみまで掃除できる
- 小型軽量なので設置自由度は高い
- がっかりポイント
-
- 基本性能が全体的に低い
- 操作ボタンが押しにくい
- 幅
- 240mm
- 奥行
- 240mm
- 高さ
- 490mm
- 重量
- 4.6kg
- 適用畳数
- 21畳
- フィルター交換目安
- 6カ月~1年
- 型番
- AP-B250-HT
本体を簡単に分解可能!お手入れのしやすさはピカイチ
外部パネルから内部の送風ファンまでバラバラに分解できるので、隅々までキレイにできます。ほかに小型・軽量、消費電力も低いといったおすすめポイントも。
一方で、吸引・脱臭・センサーの各基本性能は全体的に低く、大きなリビングで使うには力不足といえます。
【メンテナンス:優秀】
カドー「LEAF 250 AP-B250-HT」の最大の特徴がメンテナンスのしやすさ。本体外側の3枚のサイドパネルはいずれも磁石で固定されていて、着脱が容易。送風用のファンも取り外しが可能です。
本体内部にあるファンモーター周辺にも手が入る構造なので、あちこちに付着したホコリを隅々までキレイに掃除できます。
【設置:優秀】小型・軽量で移動もラク!置き場所にも苦労しない
直径24cm、高さ49cmとコンパクトな本体なので、設置場所の自由度は高めです。また、4.6kgと女性でも簡単に持ち上げられる重量なので、移動もラクラク。複数の部屋での運用も可能です。
シンプルな外観なので、家具の上など置き場所によっては部屋のインテリアとしても映えます
【消費電力:優秀】弱メインの運転なら1日3円!1年間でも約1000円の高燃費
弱運転20時間、中・強運転2時間ずつの毎日運用でも、電気代は1日3円、1年間でも約1000円と経済的。6カ月〜1年とフィルター交換の頻度が多めですが、それでもランニングコストは低めです。
空気清浄機の人気メーカーは?
ここでは、空気清浄機のおすすめ人気メーカーを紹介します。
シャープ
シャープは生活家電にとどまらず、ICT・ディスプレイデバイス・エレクトロニックデバイスなどさまざまな電気機器の製造・販売を行うメーカー。
なかでも空気清浄機は空気浄化・消臭効果のあるプラズマクラスターを放出するのが特徴です。
プラズマクラスターには浮遊カビ菌の除菌や浮遊ウイルスの作用抑制、タバコなどのニオイ分解・除去効果があります。
シャープの空気清浄機は空気の浄化だけでなく、さまざまな効果が期待できる点が魅力です。
パナソニック
生活家電だけでなく、美容家電や住宅設備など幅広く事業展開を行っているのがパナソニックの特徴。
そんなパナソニックの空気清浄機には、さまざまな有害物質を抑制するナノイーを放出する機能が搭載されています。また、ナノイーには肌や髪のうるおし、健やかな肌・髪へ導く効果も。
健康面だけでなく美容面もサポートしてくれるのが魅力です。
ダイキン
ダイキンは、「空調」「化学」「フィルタ」を柱に事業を展開するメーカー。特に空調事業では、住宅のみならず工場や病院、厨房といったさまざまな広さの空間でダイキン製の空調設備が使われています。
そんなダイキンの空気清浄機の特徴は、有害物質をキャッチして分解する点。これにより、浮遊しているウイルスや菌を抑制することができます。
また、プラズマイオンを放出することで空気中の有害物質を抑制するなど、ダブル方式で空気を浄化します。
ダイニチ
ダイニチは暖房機器や加湿器といった環境機器を主に製造・販売するメーカー。そんなダイニチが作った空気清浄機は、ダブルの集塵方式で小さな粒子もしっかりキャッチするのが魅力。
浮遊ウイルスや浮遊ダニアレル物質などの有害物質を抑制します。複数の方向から空気を吸引し、部屋のすみずみまでキレイな空気を届けます。
空気清浄機おすすめのまとめ
以上、空気清浄機のおすすめランキングでした。いかがでしたか?
今回テストした7台は空気清浄機能のみの製品から加湿機能付きの製品までさまざま。評価はメンテナンスのしやすさを重視したため、空気清浄以外の機能を搭載する製品は不利な状況といえます。
そんな不利をはねのけ総合1位になったのが、シャープ「KI-RX100」。シャープは2022年、2023年もベストバイに輝いているため3連覇達成です。
今回はさすがにメンテナンスで評価を下げましたが、吸引力・脱臭力・センサー感度の基本性能に加えて付加価値、操作性も優秀だったこともあり、総合力の高さで押し切った形です。
また、2位のダイニチ「CL-HB922」も基本性能は負けておらず、加湿機能が不要な人に適しています。
今回のランキングをぜひ参考にして、自分に合う最適の一台を見つけてくださいね。
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空気清浄性能が高く、センサーも優秀。自動モードにしておけば、常にキレイな空気環境にしてくれます。