HDDとSSDの違いってなに? 中身は全然違います!

HDDとSSDの違いってなに?中身は全然違います! イメージ

パソコンのデータを保存するための内蔵ストレージとして、これまで多かったHDD(ハードディスクドライブ)と最近主流になりつつあるのSSD(ソリッドステートドライブ)。その違いは記録方式にあります。

[HDD:大容量化しやすいが故障リスク高め]

HDDとSSDの違いってなに?中身は全然違います! イメージ2

HDDは「プラッター」と呼ばれる円盤状の記録媒体にデータを書き込みます。大容量化しやすい反面、回転を伴うため衝撃に弱く、故障リスクがやや高めなんです。

[SSD:読み書きが高速で静音性が高い]

HDDとSSDの違いってなに?中身は全然違います! イメージ3

一方、SSDはフラッシュメモリにデータを書き込む仕組みを持つため、動作音もなく静か。ただし、HDDと比べると価格面ではやや割高です。

HDDとSSD、ふたつの基本スペックを比較した表がこちらです。
【HDDとSSDのスペック比較】

HDDとSSDの違いってなに?中身は全然違います! イメージ4

サクッとまとめると、SSDは普段の作業を高速に行いたい人向け、HDDは大容量のデータを保存したい人向けといった具合です。

ちなみに、価格はHDDのほうが基本的に安いですが、SSDも低価格化が進行中。500GB程度の容量なら8000円程度、1TBでも1万5000円を割り込むなど、手に届きやすい存在になっているんです。

「PCが遅い…」と感じたら 買い換えよりSSD換装を検討

システムをいかに早く読み込めるか。それがパソコンの体感速度を大きく左右します。ひと昔前に主流だったHDD搭載のパソコンをいま使っている場合、非常に高速なSSDに換装することで、大きな速度アップが見込めます。通常の操作だけでなくゲームの起動などもサクサク高速になります。実際の交換手順はパソコンにもよりますが基本的に簡単。このページの最後で解説しています。

「PCが遅い…」と感じたら買い換えよりSSD換装を検討 イメージ

内蔵ドライブをSSDに換装すれば、Windowsの起動時間が劇的に速くなります。

「PCが遅い…」と感じたら買い換えよりSSD換装を検討 イメージ2

また、大容量ファイルの転送も約半分に。最新のパソコンに買い換えるよりも、お得に効果が体感できます。

「PCが遅い…」と感じたら買い換えよりSSD換装を検討 イメージ3
PS4もSSD交換で高速化できます。

パソコンだけでなく、PS4も初期状態のHDDからSSDに交換することで高速化できます。

SSDの選び方は?

SSDの選び方は? イメージ

初めてSSDを選ぶ場合、知らない言葉や難しい数字が多いうえに、わかりやすい基準がないため困ってしまいますよね。そんな初心者のために、ここではSSDの選び方をざっくり解説します。

外付けか内蔵かでタイプで選ぶ

まず確認しないといけないのがSSDの設置方法です。SSDは「外付けタイプ」「内蔵タイプ」の2種類に分けられます。外付けタイプでも内蔵タイプでも、機能としては大きく変わりません。

外付けタイプのSSDとは、名前のとおりUSBなどを利用してパソコンの外側にSSDを設置するもの。内蔵SSDは端末の内部に取付けるタイプの製品です。

一般的に内蔵SSDは、パソコン自体の高速化を図ることを目的に利用されることが多いです。そして外付けSSDは、普通のUSBメモリのように写真や動画の保存用として利用されています。

それぞれのメリットとしては、外付けタイプの場合、使いたい時にUSBを指すだけなので、取り付けや起動が簡単。内蔵タイプは衝撃による故障リスクが低いということでしょう。使う頻度が高くないという方は外付けタイプ、頻度が高い方は内蔵タイプが便利です。

「内蔵SSDの方が速い」「外付けSSDの方が容量が大きい」とは言えないので注意してください。

必要なデータ容量でSSDを選ぶ

SSDはデータ容量が大きいに越したことはありませんが、データ容量が大きい製品は高額になる傾向があります。どのような使用にどの程度のデータ容量が必要なのか、目安を知っておくことで、適切なデータ容量のSSDを選べるでしょう。

SSDのデータ容量は「~256G」「480~512G」「960G~」の3つに分けられます。それぞに想定される活用方法は以下のとおりです。

・~256G:パソコンの高速化だけを目的とした使用
・480~512G:ハイレゾの音源やゲームデータを保存する場合
・960G~:高画質な動画や画像の保存を目的に使用する場合


使用目的に合った容量の製品を選んでください。

書き込み速度でSSDを選ぶ

SSDを「書き込み速度」で選ぶ方法も有効です。もちろんデータ容量が大きくなればなるほど、書き込み速度は向上します。

普段仕事で使うパソコンなどは、動作が早ければ早いほど使い勝手も良いでしょう。必要最低限のデータ容量のSSDを購入した場合、それほど速い「書き込み速度」は期待できません。書き込み速度の速さを期待してSSDを購入するなら、ある程度容量に余裕をもたせた製品を選ぶと良いでしょう。

それでは次は、データ容量と書き込み速度について、詳しく解説していきます!

SSDの性能はスペックから 読み取れますが、過信は禁物です!

いざ、SSDを購入するにしても「基準はなんとなくわかったけど、どれを選んだらいいのか分からない……」なんてことありますよね? SSD選びで重視したいポイントは、「容量」「速度」「NAND」の3つ。

SSDの容量は、大容量化の一途を辿っていますが、それでもHDDと比べるとやや高め。概ね8000円前後で購入できる500GBあたりのモデルが容量と価格のバランスに優れているのが現状。予算に余裕があれば1TB以上のモデルを選びたいですね。

SSDの速度は、連続したデータの最大書き込み速度(MB/s)とランダムデータの読み書き回数(IOPS)で表されるのが一般的。パッケージだけを見えると、どの製品もほぼ横並びですが、実際にテストをしてみるとその差は歴然。この後紹介するテスト&レビュー内容を参考に“本当に速い”1台を選びたいですね。

SSDの性能はスペックから読み取れますが、過信は禁物です! イメージ
パッケージの情報ほどの速度はあまり出ません。

「NAND」については次で解説します。

SSDには種類があるが 今は「TLC」を選べば問題なし

SSDに搭載されるフラッシュメモリはNANDフラッシュメモリ(NANDチップとも)と呼ばれ、SSDが登場した当初は、1つの記憶領域(メモリセル)に1つのデータのみを書き込むSLCが主流でした。現在は技術の進歩で1つのセルに複数のデータを記録できるようになり(マルチレベルセル)、大容量化と低価格が進んでいます。

一般的に1つのセルに書き込めるデータ数が多いほど大容量化が容易で安価になる傾向ですが、制御が難しくなるといったデメリットもあります。いま買うなら、価格と性能のバランスに優れたTLCタイプ採用モデルを選ぶのが鉄板と言えるでしょう。

SSDには種類があるが今は「TLC」を選べば問題なし イメージ

●SLC
ひとつのセルに1データを保存する仕組みを持つのがSLC。データの読み書きが正確かつ書き換え回数も多い。大容量化が難しく非常に高価



●MLC
ひとつのセルに2つのデータを保存するのが MLC。SLCと比べると耐久性は劣るものの、コストと信頼性のバランスに優れている。

●TLC
ひとつのセルに3つのデータを保存。大容量化が比較的容易でコストパフォーマンスにも優れる。

●QLC
実用化から間もないQLCは、ひとつのセルに4つのデータが保存する仕組みをもったNAND。低コストで大容量化できる メリットの反面、書き換えられる回数が少ない弱点も。

なお、現在の主流は、1つのセルに3つのデータが書き込める「TLC」版。500GBクラスでも8000円前後で買えるものが多数販売されています。

SSDには明確な製品寿命があり! 迷ったら大容量モデルが正解

プラッターと呼ばれる円盤が回転し、データを記録するHDDと異なり、SSDはフラッシュメモリ上にデータを書き込んだり読み込んだりする仕組みを持っています。このデータを記録するフラッシュメモリは、データを書き込めば書き込むほど、データが破損しやすくなる領域が増える性質があるため、メーカーや製品ごとに“寿命”の目安となる“TBW(Tera Byte Written)”が表記されています。

例えば、150TBWという寿命を持った製品の場合、5年間の製品保証があれば…

150TBW ÷(365日×5年)≒ 82GB/1日

毎日、82GBのデータを書き込み続けても、5年間は使い続けられる。ということになります。現実的に使い切るのは難しいと思いますが、TBWの低い製品や製品保証の期間が短い製品には注意を払う必要があります。

この製品寿命は、同じモデルの場合、容量の大きなモデルほど長くなる傾向にあります。これは、大きな記憶領域を活かしてデータを効率的に分散させることでデータ破損のリスクを低減しているためです。そのため予算が許すなら大容量を選ぶのが正解です。

ゲームを超楽しみたい!ゲームをする人のSSD選びのポイント

ゲームを超楽しみたい!ゲームをする人のSSD選びのポイント イメージ

ゲームを最大限に楽しむために、SSDを必要としている人も多いはずです。そこで、ここではPCゲームやPS4をプレイするためのSSD選びのポイントを紹介します。

PCゲームは1TBが安心

近年PCゲームでは、グラフィックスの品質が向上しています。100Gを超えるゲームも増えているため、容量の小さいSSDを選んでしまうと1~2本のゲームしかインストールできません。

そこで1TBのSSDを用意しておくのがよいでしょう。価格は少し高くなってしまいますが、複数のゲームや大作ゲームにも対応できるので安心です。

なお、価格帯を考慮してSATA接続の製品を選ぶことがポイントとなります。SATA接続の特徴については後ほど「接続方法の違い」で解説します。

PS4向けSSDの選び方

PS4には内蔵されているHDDがありますが、SSDに換装することもできます。これにより、ゲームの起動やロード時間を大幅に短縮することができる上、PS4本体の起動時間も短くできるのがメリットです。

PS4やPS4 ProにSSDを利用するのであれば、対応する規格を選ばなくてはなりません。まず、厚さ9.5mm以下、容量160GB以上、サイズ2.5インチのものを選ぶようにしましょう。複数のゲームをインストールするなら、500GB以上のものを選ぶと便利です。ノートPC用のSSDであれば基本的にPS4やPS4 Proにも対応できます。

また、USB接続する外付けSSDを利用することも可能です。この場合、容量250GB以上・8TB以下のSSDを選びましょう。それ以外は接続しても認識されません。外付けタイプの特徴については後ほど詳しく紹介します。

人気SSD8製品が集結! データ転送速度を徹底検証

人気SSD8製品が集結!データ転送速度を徹底検証 イメージ

以上を踏まえて、今回の内蔵SSDのテストでは、いまAmazonや量販店で買える各SSDメーカーの人気8機種をピックアップ。容量は、たっぷり使えて価格もお手頃な500GBを選びました。

使用したベンチマークソフトは、連続したデータの書き込み(シーケンシャルライト)速度を測る「Crystal Disk Mark」とランダムデータの書き込み(ランダムライト)速度を測る「Iometer」の2つ。

具体的なテスト内容は以下の通りです。

[テスト1:ベンチマーク測定]
カタログ値(公称値)の読み書き速度を比較。

[テスト2:クリーン状態の速度]
SSDがもっともクリーンな状態といわれる新品での読み書き速度を測定。

[テスト3:ダーティー状態の速度]
SSDを使い込んだことを想定し、ランダムデータで容量を埋めた状態での読み書き速度を測定。

[テスト4:実使用時の速度]
写真(500枚(秒)/1000枚(秒))や動画データ(3GB(秒)/10GB(秒))の転送速度を測定。

クリーン状態と使い込んだダーティー状態の性能差が少ない製品ほど、いつまでも快適に使える製品と判断することができます。

[テスト環境]
OS:Windows 10 Pro 64bit
CPU:Intel Core i7 8700(Coffee Lake-S) 3.20GHz
メモリ:16GB PC4-19200 DDR4
※詳細な検証条件や採点基準は本記事の下記をご参照ください。

なお、USBでつなぐポータブルSSDのおすすめランキングもサンロクマルで公開中ですので、気になる方はぜひご覧になってください!

お待たせしました! それでは、いよいよ気になる検証結果をご覧ください。

最速&安定で堂々の1位 使い込んだ時の安定感は抜群

今回1位に輝いたのは、ソフトウェアを使った「ベンチマークテスト」と「実使用時を想定したテスト」の両方で圧倒的な強さを見せた「860 EVO」でした。

大容量でコスパに優れるTLC NAND搭載の500GBクラスとしてはトップとなるTBW 300TB(SSDの寿命を終えるまでに書き込み可能なデータ容量)を実現したほか、5年間の長期保証を設けていることからも、製品の安定性に対する自信が見て取れます。

サムスン(Samsung):860 EVO:SSD
王冠アイコン

サムスン(Samsung)
860 EVO
実勢価格:7050円

容量:500GB 
NAND:3D TLC
外形寸法:100×69.85×6.8mm
コントローラ:Samsung MJX Controller
キャッシュメモリ:512MB 
MTBF(平均故障間隔):150万時間 
TBW:300TB 
保証期間:5年間
※ひかりTVショッピングは後継モデルで1TBの販売ページです。

▼ランダムリード回数(IOPS)

  • クリーン状態: 97439
  • ダーティー状態: 97394

▼ランダムライト回数(IOPS)

  • クリーン状態: 86867
  • ダーティー状態: 86832

▼総合ポイント

  • 合計: 53pt

クリーン状態での速度はもちろん、全領域をランダムデータで埋め尽くしたダーティー状態でも高いパフォーマンスを維持した点には驚かされました。以下のテスト詳細をご覧ください。

[PCを使い込んでも速度が落ちない]
以下の2つのグラフの一番上のゲージを比較すると、クリーン状態(新品の状態)とダーティー状態(データで容量を埋めた状態)の書き込み回数にほとんど変化がないことが確認できます。

Iometer測定:クリーン状態

最速&安定で堂々の1位使い込んだ時の安定感は抜群 イメージ

Iometer測定:ダーティー状態

最速&安定で堂々の1位使い込んだ時の安定感は抜群 イメージ2

これは、実際にパソコンを使いこんでも、新品時の速度を維持できることを意味します。

また本製品は、可変SLCキャッシュを採用することで、大容量ファイル転送に強みを持っています。写真や動画の転送などといった実使用テストにおいても、すべての項目で好成績を残しました。

[手厚い保証]

最速&安定で堂々の1位使い込んだ時の安定感は抜群 イメージ3

さらに、860 EVOの特筆すべきは保証の手厚さ。データの書き込み回数に限りのあるSSDには、データの総書き込み数(TBW)による寿命があります。しかし、860 EVOのTBWは300TB。これは一般的な利用であれば、寿命まで使いこなすことはまず不可能といえる数値です。

その上、さらに5年の製品保証があるため、安心度の高い製品と言えます。性能と安心を兼ね備えるとは、もはや死角なしですね。

信頼度大のMLC NAND採用 やっぱり速くて安定感抜群

店頭に並ぶ多くのSSDがTLCという記録方式を採用していますが、本製品はより高速で信頼性の高いMLCという記録方式を採用しています。保証もTBWが600TBとTLC NAND採用モデルを大きく上回るため、SOHOや個人事業主など、業務で利用するユーザーにもオススメできます。

サムスン(Samsung):860 PRO:SSD

サムスン(Samsung)
860 PRO
実勢価格:1万8161円

容量:512GB 
NAND:3D MLC 
外形寸法:100×69.85×6.8mm 
コントローラ:Samsung MJX Controller 
キャッシュメモリ:512MB 
MTBF(平均故障間隔):150万時間 
TBW:600TB
保証期間:5年間

▼ランダムリード回数(IOPS)

  • クリーン状態: 95168
  • ダーティー状態: 94944

▼ランダムライト回数(IOPS)

  • クリーン状態: 82193
  • ダーティー状態: 83680

▼総合ポイント

  • 合計: 51pt

テスト全般でトップクラスのスコアをマーク。その実力は折り紙付きです。

[ダーティー状態でも速度を維持]
以下2つの一番上のゲージをご確認ください。

Iometer測定:クリーン状態

信頼度大のMLC NAND採用やっぱり速くて安定感抜群 イメージ

Iometer測定:ダーティー状態

信頼度大のMLC NAND採用やっぱり速くて安定感抜群 イメージ2

860 EVOと同様、クリーン状態からダーティー状態での速度低下がほとんど見られず、安定したデータの読み書き性能を見せました。

上位に引けを取らない ファイルの転送速度が優秀

ランダムリード・ライト性能テストで高い数値をマーク。さらにダーティー状態の速度低下が少なく安定した動作をみせたMicron製NAND搭載の「Crucial MX500」が3位に。

Crucial:MX500:SSD

Crucial
MX500
実勢価格:8419円

容量:500GB 
NAND:3D TLC 
外形寸法:高さ7mm 
コントローラ:SM2258 
キャッシュメモリ:非公開 
MTTF(平均故障時間):180万時間 
TBW:180TB 
保証期間:5年間

▼ランダムリード回数(IOPS)

  • クリーン状態: 91332
  • ダーティー状態: 83397

▼ランダムライト回数(IOPS)

  • クリーン状態: 78468
  • ダーティー状態: 75720

▼総合ポイント

  • 合計: 45pt

写真や動画転送の速度を測定した実使用テストでも上位にマークするなど、転送速度の速さもみせましたが、ダーティー状態のシーケンシャルライト性能でブレーキ。惜しくもこの順位に……。

[転送速度は本検証でもトップクラス]

上位に引けを取らないファイルの転送速度が優秀 イメージ

大容量ファイル転送などの実使用時を想定したテストでは、トップの860 EVOに肉薄する性能を見せました。

4位: ベンチマークでは高成績でも
ダーティー状態の書き込みに課題

SDカードなどでも有名なSandisk社製のこちらは、クリーン、ダーティー状態ともシーケンシャルライトテストでトップを記録するなど、高いポテンシャルを発揮。しかし、ダーティー状態でのランダムライトの書き込み回数が大きく落ち込むといった弱点もあって4位止まりに。ベンチマークが優秀だけに残念な結果となりました。

サンディスク(SanDisk):Ultra 3D SSD:SSD

サンディスク(SanDisk)
Ultra 3D SSD
実勢価格:7745円

容量:500GB 
NAND:3D TLC 
外形寸法:100.5×69.85×7.0×mm 
コントローラ:非公開 
キャッシュメモリ:非公開 
MTBF(平均故障間隔):非公開 
TBW:200TB 
保証期間:5年間

▼ランダムリード回数(IOPS)

  • クリーン状態: 80411
  • ダーティー状態: 94283

▼ランダムライト回数(IOPS)

  • クリーン状態: 84759
  • ダーティー状態: 28471

▼総合ポイント

  • 合計: 40pt

全体的に優秀なスコアを記録するも、ダーティー状態のランダムライトで大きく数値が落ちています。

5位: 全体的に速さが目立つものの
ダーティー状態で大ブレーキ

シーケンシャルリード・ライトのベンチマークで上位に食い込んだものの、ダーティー状態でのランダムライト性能テストの結果が振るわず。実使用テストの結果も全体的に高い水準にあっただけに惜しいところです。

ウエスタンデジタル(Western Digital):WD BLUE:SSD

ウエスタンデジタル(Western Digital)
WD BLUE
実勢価格:7625円

容量:500GB 
NAND:3D TLC 
外形寸法:100.2×69.85×7.0mm 
コントローラ:非公開 
キャッシュメモリ:非公開
MTBF(平均故障間隔):175万時間 
TBW:200TB 
保証期間:5年間

▼ランダムリード回数(IOPS)

  • クリーン状態: 84420
  • ダーティー状態: 94027

▼ランダムライト回数(IOPS)

  • クリーン状態: 84389
  • ダーティー状態: 28615

▼総合ポイント

  • 合計: 39pt

容量をフルに使うと書き込み性能に落ち込みが確認されました。他のテストでは高水準を保っていただけに残念。

6位: 可もなければ不可もなく
際立った特徴はありません

カタログ値の記載が控えめな分、テスト結果が公称値を超える結果となったIntelの「SSD545s」。全テストにおいてまずまずの結果を残しているものの、トップクラスの速さまでは記録されず、この位置になりました。

Intel:SSD545s:SSD

インテル(Intel)
SSD545s
実勢価格:1万298円

容量:512GB 
NAND:3D TLC 
外形寸法:100.0×69.85×7.0mm 
コントローラ:非公開 
キャッシュメモリ:非公開 
MTBF(平均故障間隔):160万時間 
TBW:288TB 
保証期間:5年間

▼ランダムリード回数(IOPS)

  • クリーン状態: 79677
  • ダーティー状態: 76035

▼ランダムライト回数(IOPS)

  • クリーン状態: 84881
  • ダーティー状態: 71210

▼総合ポイント

  • 合計: 37pt

ダーティー状態での速度低下が少ないため、安定性には優れています。CPUやマザーボードのチップセットなどのパーツを供給している同社のSSDだけに相性に不安はありません。

7位: カタログ値を超えるスコアも
全体的な速度は不安

読み込み、書き込みともにカタログ値を超えるスコアを記録していますが、全体的な速度はいまひとつ。とくにダーティー状態での失速は、今回テストした機種でワーストを記録する残念な結果に。

KingFast:F6 PRO:SSD

KingFast
F6 PRO
実勢価格:1万1858円

容量:480GB 
NAND:3D TLC 
外形寸法:100×69.5×7mm 
コントローラ:非公開 
キャッシュメモリ:非公開 
MTBF(平均故障間隔):200万時間 
TBW:非公開
保証期間:3年間

▼ランダムリード回数(IOPS)

  • クリーン状態: 55037
  • ダーティー状態: 42050

▼ランダムライト回数(IOPS)

  • クリーン状態: 85109
  • ダーティー状態: 4805

▼総合ポイント

  • 合計: 21pt

容量をフルに使用するとパフォーマンスに影響が出てしまうのは、大きなマイナスポイントです。

8位: ダーティー状態の性能に不安
選ぶべき理由は得になし…

ベンチマークや実使用テストの結果こそ及第点。しかし、ダーティー状態での書き込み性能に大きな不安があるため、空き容量に余裕を持たせながら使う必要があります。

Crucial:BX500 480GB:SSD

Crucial
BX500 480GB
実勢価格:6599円

容量:480GB 
NAND:3D NAND 
外形寸法:100×70×7mm 
コントローラ:非公開 
キャッシュメモリ:非公開 
MTBF(平均故障間隔):150万時間  
TBW:120TB 
保証期間:3年間

▼ランダムリード回数(IOPS)

  • クリーン状態: 88424
  • ダーティー状態: 52283

▼ランダムライト回数(IOPS)

  • クリーン状態: 83897
  • ダーティー状態: 5977

▼総合ポイント

  • 合計: 20pt

頻繁にデータを記録するといった使い方には不向き。あくまでも容量を補うといった使い方に割り切る必要があります。

実使用では随一の速さ 栄冠は「860 EVO」に

発売当時から比べると各メーカーとも飛躍的に性能が上がっており、読み込み性能については、横一線と近づきつつあります。そんな中で書き込み性能でも実力を発揮したのが、1位のサムスン860 EVO

クリーン状態ではそこそこの性能を見せるも、ダーティー状態でパフォーマンスを大きく落とす製品が見受けられる中、860 EVOはダーティー状態における書き込み性能も秀逸でした。

ランダム リード/ライト(3回測定した平均値を記載)

実使用では随一の速さ栄冠は「860 EVO」に イメージ

シーケンシャル リード/ライト(3回測定した平均値)

実使用では随一の速さ栄冠は「860 EVO」に イメージ2

写真と動画によるファイル転送速度(3回測定した平均値)

実使用では随一の速さ栄冠は「860 EVO」に イメージ3

また、いくらベンチマークスコアが優れていても実使用時における速度が遅いとイライラするばかり。ベンチマークはあくまで指標。本当に快適な製品は、体感できる部分で速い製品ということを意識したSSD選びを行ないましょう。

▼詳細な検証条件や採点基準はコチラ
今回テストした環境と採点基準は以下の通り。クリーン状態とダーティー状態の読み書きに加え、実使用テストをそれぞれ5点満点で採点しています。なお、クリーン状態とダーティー状態での性能差が大きな製品については減点を設けています。

実使用では随一の速さ栄冠は「860 EVO」に イメージ4

【検証条件】
OS:Windows 10 Pro 64bit
CPU:Intel Core i7 8700(Coffee Lake-S) 3.20GHz
メモリ:16GB PC4-19200 DDR4

以上、SSDランキングでした。1位・2位のワンツーフィニッシュを果たしたサムスン。ダーティー状態の読み書きの速さ、保証の厚さと、末永く使えるSSDを揃えています。とくに1位の860 EVOは1万円以下とコスパも最強。パソコンがなんだか遅いと感じている人にオススメです!

静電気にさえ注意すれば SSDへの換装は意外と簡単

SSD換装は難しいイメージが持たれがちですが、じつは意外と簡単。既存のHDDを取り外して、新たなSSDを挿すだけで作業は完了です。

だだ、精密機器であるHDDやSSDにとって静電気は故障の原因。作業を行う際は、ドアノブやサッシなどに触れて静電気を逃がすか、静電防止手袋を使うなどの対策を取りましょう。

静電気にさえ注意すればSSDへの換装は意外と簡単 イメージ

メーカー製パソコンは、デスクトップPCでもノートPCでも機種によってHDDの取り外し方が異なります。マニュアルなどを参考にして作業に臨みましょう。

SSDへの換装が完了したら、Windowsを再セットアップすれば利用可能になります。

例えばサムスンの「Data Migration」のように、元のHDD環境をそっくりそのままSSDへ引っ越し(クローン)できるソフトが付属している場合は、活用すると便利ですよ。

静電気にさえ注意すればSSDへの換装は意外と簡単 イメージ2

SSD換装後にパソコンを操作すると、驚くほどサクサク動くことが体感できるでしょう!

どうやって接続する?接続方法の違いをここで確認

どうやって接続する?接続方法の違いをここで確認 イメージ

ここまでは、「容量」「速度」「NAND」に注目してSSDを紹介してきました。しかし、SSDは接続方法によっても違いがあります。

こちらも選ぶ上で大切なポイントなので、SATA接続、USB接続、M.2接続がどのようなものなのか確認しておきましょう。

一般的なSATA接続

多くのPCやゲーム機で採用されており、接続方法として一般的なのがSATA接続です。SATA接続では、「SATA2」「SATA3」というようにバージョンでさらに分類でき、数字が大きければより転送速度が速いことを示しています。なお、現在はSATA3が主流です。

手軽な外付けタイプUSB接続

今回は内蔵SSDのランキングでしたが、気軽に使える外付けのる外付けのUSB接続もあります。こちらはPCの内部に装着する手間を省くことができて簡単な点や携帯しやすいという点がメリット。

高速転送を求めている方は、選ぶ際にUSB3.0以上対応のものを選ぶことがポイントです。また、MacBookのようにUSB Type-A端子のないPCを利用している方は、USB Type-Cケーブルが付属したものを選ぶようにしましょう。

上級編M.2接続

転送速度にこだわるのであれば、M.2接続という方法もあります。パソコンのマザーボードの拡張端子に接続する方式で、少し難易度が高いため初心者には不向きかもしれません。

SSDの売れ筋ランキングもチェック!

SSDのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。

【番外編】SSDがもっと早く快適に 使えるM.2規格が熱い!

ここまではSATAと呼ばれる接続方式規格の内蔵型SSDでしたが、近年はSATAよりもさらに高速な規格「NVMe」対応の“M.2”SSDが数を増やしつつあります。製品によっては、SATA接続のSSDよりも5~6倍の公称速度を持つものも存在しているほどです。

【番外編】SSDがもっと早く快適に使えるM.2規格が熱い! イメージ
SATAより速くて値段はほぼ同じM.2!

価格も落ち着き、SATA規格と大差ない水準まで達していますが、基本的にパソコンのマザーボードに直接取り付けるタイプとなっているため、換装にはややコツと経験が必要となります。また、使用しているパソコンがM.2規格に対応しているかの事前確認が必須という点にも注意が必要です。

正しくSSDを選んで、快適なパソコンを選びましょう!