「最安」でいくら儲かる? 現役ショップ店長に聞いた価格コムの裏側
2018年01月19日(金)
360.life編集部
360.life編集部/Test by 家電批評編集部
「最安」でいくら儲かる? 現役ショップ店長に聞いた価格コムの裏側
ネットにアクセスすれば、ボタン1つで買い物できる便利な時代になりました。ネットショップも山のようにありますが、実際儲かっているのでしょうか? 今回は価格コムの最安店舗にも登場するネットショップの現役店長A氏に話を聞くことに成功。ネットショップで成功するための掟を赤裸々に語っていただきました。
  • 【掟①】確実に集客できて
    信頼できるサイトに情報を掲載する
「そもそも価格コムの最安価格候補になるお店って大丈夫なんですか?」

様々なネットショップの価格を比較して、常に最安価格を示してくれる「価格・com(価格コム)」。家電を購入する時、ほとんどの人がチェックするといってもいいサイトです。でも、「なんか怪しくない?」と思ってしまうのがユーザーの本音。
過去には有名なショップが倒産するといった事件もありました。

「大丈夫です。価格コムの審査は厳しく、サイトも信頼できますので問題ありません」

A氏いわく、「現在の価格コムの審査はかなり厳しく、法人の場合は登記簿謄本、印鑑証明と会社概要がわかる書類を、個人の場合は住民票や納税・所得証明書、店舗や事務所の写真を提出しなければならない」とのこと。「昔に比べて審査が格段に厳しくなったため、審査をクリアしたショップが倒産するようなことは今はまず起こらない」といいます。

たしかに、実店舗を持たないネットショップという形態では信頼されにくいのが現実ですが、価格コムなど多くのユーザーが集まるサイトに情報を掲載できれば、信頼性が高まるのも事実。現に、価格コムの最安価格を実際の家電量販店で見せて値切りの交渉材料にすることも昔より増えていて、今までよりも影響力は高いものとなっています。

しかし、厳しい審査を通過して、晴れて価格コムに情報が掲載され、多くのユーザーの目に情報が留まるようになった一方で、毎月仲介料を支払わなければいけないという手厳しい規約も。価格コム経由でショップリンクをクリックしてネットショップを訪れ、実際に購入に至る確率は「約4%(A氏)」というデータでいくと、1日100人がサイトを訪問したら、製品が購入されてもされなくても、一律4000円を支払わなければならない計算になります。

「昔はもっと安かったけど、こればっかりは仕方ない」と、嘆くA氏。ですが、閲覧ユーザーが多い価格コムで製品を売ることができ、ユーザーの信頼も得られれば、今後の展望も明るいはず。であれば、厳しい審査を受けることも、毎月仲介料を支払うことも、やむを得ないことかもしれません。
  • 【掟②】価格コムの最安価格は
    利益が出る範囲で設定する
「ところで、価格コムの最安価格で製品を売って儲かるんですか?」 

何気なく価格コムを使っていてふと思うのが、なぜ最安価格はこんなに安いのか。ヨドバシドットコムやアマゾンを標準的な価格とした時に「なんでここまで安くできるの?」と、疑問に感じます。

「はい。利益が出る範囲で価格を設定しているので、最安価格でも儲けは出ます」

と、A氏。単刀直入に質問してみると、その答えは「YES」。つまり、最安価格でも儲けを出すため、利益を考えて価格設定しているということのようです。もちろん、ショップによって利益はまちまちでしょうが、A氏のショップでは「テレビ1台売って利益が約30円のこともある」といいます。
同じ製品なのに、なんであんなに値段が違うのか? と不思議でした。

「えっ、たった30円の利益で儲かるんですか?」

一瞬耳を疑いました。しかも、たったの30円ですよ!? と、言いますと……?

最安価格の製品だけを売ってお金を稼ぐのではなく、それをきっかけとして自分のネットショップを知ってもらい、今後もさまざまな買い物で利用してもらうことで総合的に利益を生み出しているとのこと。なるほど、薄利多売でもコツコツと積み重ねて次の購入につなげ、全体として利益を得る仕組みになっていることがよくわかりました。

A氏のショップでは「テレビ1台で約30円の利益」になることもあるとのことでしたが、もちろんこれは製品によっても前後するそうで、最安価格でもまとめ買いで売れると利益があがるといいます。近頃では設置工事を行わないリフォーム業者などがエアコンなどの大型家電をまとめ買いすることも多く、こういった場合は予想よりも儲けが出るそうです。

ちなみに、「価格コムで値段を調べた人が最安価格1位のショップで買い物をする確率は9.5割」とA氏。となると、どれだけ安く価格を設定するかが最大のカギとなり、最安価格1位になることが儲けを左右するともいえます。しかし、1位をめざすショップはA氏のところだけではないため、各社が最安価格をめぐってしのぎを削ることになります。では、どうすれば1位になれるのでしょうか? さらにA氏に聞きました。
  • 【掟③】価格クローリングロボットで
    熾烈な価格競争に勝つ
「どうやったら最安価格1位になれるんですか?」

価格コムで最安価格1位になるには、それぞれのショップがそれぞれのショップの価格を監視し、他よりも低い値段設定を行わなければなりません。完全なるいたちごっこですが、いったいどう対処しているのでしょうか

「熾烈な価格競争に勝つ手段の一つとして、たとえばうちではプログラムロボットを導入しています」

昔は規模が大きい会社がアルバイトなどを雇って人力で監視を行っていたようですが、A氏のショップでは、早いうちから価格クローリング用のプログラムロボットを導入して効率を上げたとのこと。だとすると、確かにこのロボットの存在が最安価格1位になるための手段の一つといえそうです。

ここで少し、価格クローリングロボットについてご説明。
①ロボットが数十分おきに価格コムを巡回
数十分おきにロボットに価格コムを巡回させて、自社の製品の価格が最安値をキープできているかどうかを確認します。

②自社より安い価格を見つけると、さらに安く自動設定する
ロボットが自社よりも安いショップを見つけた場合、それよりも低い価格に自動設定します。人気のジャンルや製品の場合は、何店舗も競合して価格がどんどん下がることもあるとか。

③利益が出る最下限まで①②を繰り返す
最下限といっても、0円になるまで下がり続けるわけではありません。各社が利益を見込めるラインまで自動的に値段を下げ、1位になるまで①②をエンドレスに繰り返す、いわゆるチキンレース状態です。

しかも、ロボットは上記の作業を何万という製品で行ってくれます。ちなみに、A氏のショップでは約200万点ほどある製品のうち、約2万5000点が価格コムの最安価格で売られているそうです。「この価格クローリングロボットを導入できていなかったら人件費もかさみ、価格競争にもついていけず潰れていただろう」と、A氏は感慨深く話してくれました。
  • 【掟④】どんな小さなことでも
    コストダウンできるよう努力する 
「この先も価格競争に勝ち続けるには、何が必要だと思いますか?」

ネットショップの運営に携わっていると、競合他社との価格競争は避けることができません。今やパソコンだけでなく、スマホでも簡単にモノが買えることから、市場規模は年々伸長しています。

「そうですね。どんな小さなことでもコストダウンできる所は見逃さず、努力することでしょうか」

A氏は、先ほどの価格クローリングロボットの導入は「効率アップだけではなく、人件費を抑えられたことも大きかった」といいます。また、その他にも独自の卸ルートで製品を安く仕入れたり、大量に仕入れて大きな倉庫に保管しておくことで原価を抑えたりと、多方面においてコストを下げる努力をしてきたそうです。

価格コムで最安価格1位になることだけに没頭せず、コストダウンできることは最大限に努力する。ネットショップで成功し続けるためには、見えない努力が欠かせないということをA氏は教えてくれました。

ネットショップで成功するための4つの掟について、手の内を明かしてくれたA氏。目下の悩みは配送料で、特に今年は値上げ幅が大きく頭を抱えているとのこと。「まだまだ努力は続きます」と苦笑いでした。

360.life(サンロクマルドットライフ)は、テストするモノ誌『MONOQLO』、『LDK』、『家電批評』から誕生したテストする買い物ガイドです。広告ではない、ガチでテストした情報を毎日お届けしています。

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