最強の一台はどれ? 最新4Kテレビ全20台を徹底検証

テレビの検証シーン1

2021年も各メーカーの最新モデルが続々と登場している「4Kテレビ」

テレビ放送を観ない人が増えている昨今、トレンドはサブスクとゲーミングに移行中。YouTubeやアマゾンプライムを存分に楽しみたい人や、ゲームモニターにするのが目的という人にもおすすめなんです。

そんなトレンドの変化に合わせて、『家電批評』2021年9月号ではこれまでの採点基準をバージョンアップ! 時代に最適化した採点方法で最新4Kテレビ全20台を検証しました。

なお、検証にはAVライターの折原一也さんにご協力いただきました。

採点基準はどうバージョンアップした?

テレビの検証シーン2

各メーカーの製品性能は年々上がっていて、ほとんどの製品が高評価を連発するように。点数に差がつきにくく、ぱっと見た印象でそれぞれの特徴や違いがわかりにくくなってきていました。

そこで、総合点105点満点は変えずに、トレンドに合わせて採点基準を見直すことに。特に機能性・操作性は、さらにチェック項目を細分化して、より厳しく採点することで、差をわかりやすくしました。

折原一也 氏
オーディオ&ビジュアルライター
折原一也 氏 のコメント

旧機種も2021年基準で再度採点します!

検証項目1:画質(配点35点)

テレビの検証1

地デジ放送、4K映像に加えて、YouTubeも視聴。映像モードは“自動”や“スタンダード”に固定。視野角も評価対象です。

検証項目2:音質(配点20点)

テレビの検証2

地デジ放送とYouTubeのネット動画、音楽MVが主な評価ソース。音場補正などの機能もチェック。モード切り替え等は採点対象外としました。

検証項目3:機能性(配点30点)

テレビの検証3

録画性能、対応サブスク、ゲームモード対応の3要素をトータルで採点。ゲームモードは入力遅延の性能も測定して加味しています。

検証項目4:操作性(配点20点)

テレビの検証4

リモコン、UIデザイン、音声操作、TVやアプリの起動速度が主な評価対象。特にネット動画関連の採点比重を上げました。

今回は、「有機EL部門」でベストバイとなった2製品を紹介します。

最高画質と全録を唯一両立! 東芝「REGZA X9400S シリーズ」

東芝「REGZA X9400S シリーズ」

東芝
REGZA
X9400S シリーズ
(55X9400S)
実勢価格:31万4350円


サイズ・重量:W1234×D279×H738mm・32.5kg(スタンド含む)
チューナー:BS4K・CS4K×2、地上デジタル×9、BS・110度CSデジタル×3
インチラインナップ:48、55、65
OS:独自
動画配信サービス:YouTube、Netflix、U-NEXT、ABEMA、Amazon Prime Video、dTV、Hulu、DAZN

▼検証結果
画質  :35/35点
音質  :19/20点
機能性 :30/30点
操作性 :19/20点
総合得点:103/105点
総合評価:S


2021年の薄型テレビのランキング1位は、総合点103点で東芝の有機ELテレビ「X9400S」とソニーの有機ELテレビ「A90J」が同率トップで並ぶ結果となりました。

画質、機能性はともに最高得点の評価を叩き出しましたが、画質・機能とも評価されたポイントは異なります。

東芝「REGZA X9400S」の評価点は“とにかく地デジがスゴい”の一言。

東芝「REGZA X9400S シリーズ」2

タイムシフトマシンの全録でテレビ録画機能では絶対的優位に立っていて、画質も地デジのノイズの少なさと、高精細さで最高評価となりました。

折原一也 氏
オーディオ&ビジュアルライター
折原一也 氏 のコメント

放送視聴がメインならレグザ一択です!

ポイント1:輝度と鮮明さがうまく融合!

東芝「REGZA X9400S シリーズ」3

一番の画質評価ポイントは地デジに最適な鮮明さ。65型で検証しましたが、大画面でも立体的でノイズ感もほぼナシの最強画質でした。自慢の立体感とノイズ処理は全機種最強という結果に。4Kでは輝度も十分で解像度志向と優秀です。

ポイント2:「おすすめ番組」追加で全録がより使いやすく!

東芝「REGZA X9400S シリーズ」4

外付けHDD接続で地デジ6chをすべて録画してくれる「全録」はもちろん健在。

東芝「REGZA X9400S シリーズ」5

ソフトウェアの更新で「おすすめ番組」の画面が追加され、録画番組の見つけやすさも向上しました。

ポイント3:ハンズフリーでなんでも操作!

東芝「REGZA X9400S シリーズ」6

“オッケーレグザ”で呼び出せる音声操作。音声操作はYouTubeなどネット動画特化の他社に対して、番組表や録画番組の検索も対応と、テレビ放送と録画機能との融合も作り込んでいます。テレビ放送派のことを考えるとベスト評価です。

爆速レスポンスでネットも快適! ソニー「BRAVIA A90J シリーズ」

ソニー「BRAVIA A90J シリーズ」

ソニー
BRAVIA
A90J シリーズ
(XRJ-55A90J)
実勢価格:31万5479円


サイズ・重量:W1282×D317×H709mm・20.3kg(スタンド含む)
チューナー:BS4K・CS4K×3、 地上デジタル×3、BS・110度CSデジタル×3
インチラインナップ:55、65、83
OS:Google TV
動画配信サービス:YouTube、Netflix、U-NEXT、ABEMA、Amazon Prime Video、dTV、Hulu、DAZN

▼検証結果
画質  :35/35点
音質  :18/20点
機能性 :30/30点
操作性 :20/20点
総合得点:103/105点
総合評価:S


同じくベストバイとなったソニー「BRAVIA A90J」はGoogle TV対応で、YouTube検索や動画配信対応で“ネット動画対応がスゴい”。

ソニー「BRAVIA A90J シリーズ」2

GoogleアシスタントがOSと一体化されているので、すべての連携がスムーズです。新UIの作品検索の扱いやすさは、操作性の評価20点という最高評価にも反映されています。

折原一也 氏
オーディオ&ビジュアルライター
折原一也 氏 のコメント

GoogleTVはネット動画と相性抜群です。

ポイント1:新AI搭載でより自然な表現に!

ソニー「BRAVIA A90J シリーズ」3

認知プロセッサーXRの高画質処理が2021年モデルのウリ。地デジ、YouTubeとも映像の遠近感があり立体的。4Kも鮮明でキレイでした。

ポイント2:ソフトウェア更新で機能性アップ!

ソニー「BRAVIA A90J シリーズ」4

ブラビアは2021年から内蔵ソフトを「Google TV」に一新。Googleアシスタントで音声検索→作品から動画配信を選ぶ流れが超便利です。

ポイント3:リモコンで地デジもネットも快適操作!

ソニー「BRAVIA A90J シリーズ」5

A90Jはネット動画アプリのボタン8個で呼び出しやすく、起動も1秒以下を連発。地デジまわりのレスポンスもサクサクです。

【まとめ】東芝とソニーはどっちを選ぶべき?

では、どちらを選べばいいのでしょうか。考え方としては地デジ録画を重視したいなら東芝「X9400S」を選ぶべきでしょう。タイムシフトマシンによる全録は他社には類似する機能もないので、オンリーワンで絶対的有利です。

一方、テレビといっても地デジ放送はさほど観ない、むしろYouTubeや動画配信を快適に視聴したい人は、ソニー「A90J」の満足度が高くなるはず。

なお、ソニー「A90J」は音に若干違和感があるとして、19年モデルと比べて1ポイント、評価を落としてしまいました。

東芝「X9400S」は音質評価でソニー「A90J」を上回り、さらに外部スピーカーを直結できる機能も。総合得点は同率1位ですが、東芝「X9400S」のほうが、マニアックでユニークな性能となっています。

以上、有機ELテレビのおすすめ2選、東芝「X9400S」とソニー「A90J」の紹介でした。次回は、サブスクメインで視聴するならおすすめのテレビを紹介します!

有機ELテレビの売れ筋ランキングもチェック!

有機ELテレビのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。

『家電批評』2021年9月号

『家電批評』2021年9月号

晋遊舎
『家電批評』
2021年9月号
実勢価格:700円

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