カメラ 高画質の代名詞的存在「フルサイズ」14機種をテスト

カメラの画質を決定づけるのがイメージセンサーと呼ばれるパーツです。イメージセンサーは大きければ大きいほど画質が良くなります。「フルサイズ」とはセンサーサイズの規格で、その面積はスマホの約25倍もあるのでとにかく高画質なんです。

風景をリアルに再現する繊細な描写、人物を印象的に見せる美しく大きなボケ、暗い場所でもノイズの少ない写真に仕上がる高感度性能など、フルサイズ一眼カメラなら写真がビックリするほど綺麗に写ります。今回、型落ちモデルから最新機種まで14機種の画質や性能を比較しました。

検証を担当したのは「絶景 山岳写真入門」などの著書もあるプロカメラマンの園部大輔氏です。

記事1位BEST コンパクトでコスパも抜群上位機種より気軽に撮れます

キヤノン:EOS:6D:Mark II:カメラ:一眼レフ:デジカメ

キヤノン
EOS 6D Mark II
購入価格:19万8439円
サイズ・質量:W144×H110.5×D74.8mm・約685g(本体)
イメージセンサー:2620万画素 フルサイズ
ファインダー倍率:約0.71倍

本製品はフルサイズとしては破格の20万円切り。それでも安くはない金額ですが、価格コムのカメラジャンルでは売れ筋2位という人気製品です。その理由は使いやすさにあります。

今まで、フルサイズ一眼レフはとにかく重くてデカいというのが定説でした。そのため、いざ買っても持ち出すのを躊躇することも少なくありません。ですが、この「EOS 6D MarkⅡ」は違います。フルサイズ一眼レフとしては最も軽い685gで薄さもトップクラス。ライバルのニコンD750より65g、上位機種のEOS 5D MarkⅣより115gも軽量です。

EOS 6D MarkⅡはフルサイズ一眼レフではエントリー(入門)クラスの機種ですが、30万、40万円台の高級機種を差し置いて、テスト結果で1位を獲得。2017年発売の最新機種の中では唯一20万円を切る実売価格でコスパも抜群です。

コンパクトでコスパも抜群上位機種より気軽に撮れます イメージ

コンパクトだから気軽に持ち出せてその分、シャッターチャンスも増える。EOS 6D MarkⅡの小型軽量さには上位機種にはない大きな価値があります。

コンパクトでコスパも抜群上位機種より気軽に撮れます イメージ2

左からD750、EOS 6D Mark Ⅱ、α7 RⅡ。むろん、ミラーレスカメラのソニーα7シリーズよりは分厚いですが、適度な厚みがある分だけ持ちやすさはEOS 6D MarkⅡが上です。

カメラ ベストな理由①:タッチ操作が快適ミラーレス並の簡単さです

ベストな理由①:タッチ操作が快適ミラーレス並の簡単さです イメージ

液晶モニターは自撮りできる可動式タイプでタッチ操作に対応。イメージセンサーの改良で液晶を見ながらの撮影(ライブビュー)でも最新ミラーレス機並の高速オートフォーカスを実現しています。さらに、動画撮影時のオートフォーカスも滑らかです。

ベストな理由①:タッチ操作が快適ミラーレス並の簡単さです イメージ2
ベストな理由①:タッチ操作が快適ミラーレス並の簡単さです イメージ3
ベストな理由①:タッチ操作が快適ミラーレス並の簡単さです イメージ4

ボタンやダイヤル類はフルサイズ一眼レフなので大きめ。設定変更を確実かつ素早くできます。大事な場面でボタンを押し間違えてイライラ……というトラブルを起こしにくいのは一眼レフのメリットと言えます。

ベストな理由①:タッチ操作が快適ミラーレス並の簡単さです イメージ5

パーツの隙間を埋めるシールドが厳重になり、防塵防滴性能がアップ。よりタフになりました。一眼カメラでは珍しいGPS付きなのでスマホ同様に撮影場所の位置情報を写真に埋め込めます。もちろん、イマドキのカメラらしくWi-FiやBluetooth、NFCにも対応。スマホとの親和性もバッチリです。
※画像はオフィシャルより

カメラ ベストな理由②:ライバル機より優秀なオートフォーカス

ベストな理由②:ライバル機より優秀なオートフォーカス イメージ

EOS 6D Mark Ⅱはオートフォーカスも連写も一眼レフとして十分なパフォーマンスを備えています。撮り比べたところライバル機のニコン D750と比べて動く被写体の追尾性能も優秀でした。

ベストな理由②:ライバル機より優秀なオートフォーカス イメージ2

画素数は2600万。この画素数はフルサイズ一眼ではスタンダードです。
※画像はオフィシャルより

このようにEOS 6D Mark Ⅱはすべての性能がバランスよく仕上がっており、スポーツ、夜景、ポートレートなどあらゆる撮影シーンでフルサイズカメラであることを実感できます。実際に各項目をテストし、採点しましたのでまずご覧ください。

カメラ ベストな理由③:スキなしの画質とパフォーマンス

ランキングでは動く被写体へのオートフォーカス性能や夜景と人物写真の画質などを比較しました。

[オートフォーカス精度] POINT9/10

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多くの被写体に対して有効に食らいついていきます。ただし、ワンランク上のEOS 5D Mark Ⅳと比べた場合は連写速度や連続撮影できる枚数に差があります。

[夜景(暗所)] POINT8.5/10

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フルサイズ一眼らしく写真の暗めの部分もノイズは少なめ。夜景撮影を快適に行うことができます

[人物(肌の色)] POINT8.5/10

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キヤノンらしい美しさに加え、優秀なオートフォーカスにより完璧に近い人物撮影性能です。

カメラ フルサイズならではの高画質を気軽に楽しめるカメラでした

フルサイズカメラの中でも「エントリー」モデルであるEOS 6D Mark Ⅱは、ミラーレスカメラ全盛の中、落ち着いてしまった一眼レフ市場においてとっつきやすく作られたフルサイズカメラです。そういう意味では、尖った性能や爆発力のある仕上がりを求める人には向かないかもしれませんが、フルサイズカメラを選ぶうえで弱点やクセが少なく小型軽量という大きな価値をもつ優等生モデルと言えます。

以上、EOS 6D Mark IIの紹介をしました。プロはもちろんカメラビギナーの迷ったときの一台として最適なモデルです。