


the360.life編集部/Test by 家電批評編集部
公開日: 2021年01月12日
【2021年】ゲーミングモニターおすすめ6選!雑誌『家電批評』が比較テスト
ゲーミングモニターは、本気でゲームを楽しむならゲーム機やパソコン、入力系の次に重要。ですが、種類が多すぎてどれを選べばいいのかわからないですよね? そこで、雑誌『家電批評』とプロが人気メーカーのゲーミングモニターをガチ比較。選び方とともに、おすすめ製品を紹介します。

家電専門誌。スマホ、イヤホンなどのガジェットから、テレビや冷蔵庫などの大型家電まで、実際にテストしてレビューする本格テスト雑誌。
家電専門誌。スマホ、イヤホンなどのガジェットから、テレビや冷蔵庫などの大型家電まで、実際にテストしてレビューする本格テスト雑誌。

パソコン、ゲームなどホビー関連の書籍・雑誌を中心に手がけるフリーの編集者。パソコン歴はPC-6001から始まり、ひと通りの国産機を所有した後にDOS/V(自作PC)に行き着く。仕事上、多方面の最新情報に精通しているが、あらゆる知識の土台は80年台カルチャーにある。
パソコン、ゲームなどホビー関連の書籍・雑誌を中心に手がけるフリーの編集者。パソコン歴はPC-6001から始まり、ひと通りの国産機を所有した後にDOS/V(自作PC)に行き着く。仕事上、多方面の最新情報に精通しているが、あらゆる知識の土台は80年台カルチャーにある。
※情報は『家電批評』2020年12月号掲載時のものです。価格が変動している場合や在庫切れしている場合があります。
プレイするゲームジャンルや接続する機器で選び方が変わります!
近年、e-Sportsが躍進したことでゲーミングデバイスが注目を集めています。e-Sportsは同じゲームで競い合うという点は公平ですが、器具スポーツと同じく、道具で相手と差がつくという側面もあります。それゆえに競技シーンを想定したゲーム用の製品が数多く作られています。 ゲーミングモニターもそんなゲーミングデバイスのひとつとなる液晶モニター(液晶ディスプレイ)です。プレイするハード(ゲーム機やパソコン)を除くと入力系の次に重要です。そして、ゲーミングモニターはゲームのジャンルやプレイするハードによって最適な製品が変わります。 そこで、ここでは本気でゲームに取り組みたいというガチ勢予備軍へ向けて、おすすめのゲーミングモニターを紹介します。
ゲーミングモニターはガチ勢のみ恩恵を受ける液晶モニターです
ゲーミングモニターはその名前から単に「ゲーム向きのモニター」と思っている人は多いでしょう。しかし、その実態は「競技性の高いゲームでガチで勝ちに行く人向け」のモニターです。e-Sportsプレイヤーや、それに準ずるガチ勢のみ恩恵を受けられます。 「一番の趣味はゲーム」「家庭用ゲーム機は全部持ってる」「人気・名作ゲームはもれなくプレイ」「仲間内ではゲームマニアで通っている」くらいのゲーマーなら、家庭用テレビで十分です。ブラビアのようにゲームモードを搭載しているテレビならいうことはありません。 ゲーミングモニターは、PCゲームを中心にプレイする人に向いています。
あなたのゲームライフにゲーミングモニターは必要?


【選び方】プレイ環境やゲームの種類で最適解は異なる
普通のモニターは色再現度が高く視野角の広いIPS液晶パネルがよく、次いでVA、TNと順位付けされることが多いです。 しかし、ゲーミングモニターは応答速度が速く高リフレッシュレートが出せるTNパネルの採用率が高く、次いでVA、IPSとなっています。 また、一般的にはモニターの解像度は高いほどいいとされますが、ゲームは解像度を上げるとGPUの負荷が上がり描写回数が下がります。そのため、現在は4KモニターではなくフルHDモニターが標準です。 このように、普通のモニターとゲーミングモニターでは、選択基準が大きく異なります。そこで、ここではゲーミングモニターで重視すべき4つの項目を解説します。
【選び方1. 応答速度】激しい動きでもクッキリ表示できるか
「応答速度」とは画面の色が変化するのに要する時間です。この数値が高い(遅い)モニターは、色の変化が遅いため、動きのある映像に残像が現れてしまいます。 逆に、応答速度の数値が低い(速い)モニターは、動きの激しいシーンでも残像がなくシャープな映像が表示できます。 なお、応答速度は下表のように測定方法によって基準が異なります。 応答速度(GtoG)が5ms以下ならゲーミングモニターとして合格で、1ms以下ならかなり優秀です。

応答速度の表示単位はmsで1msは1000分の1秒です。なお、同じ測定方法同士なら値の比較ができます。

上図は反応速度が速いモニターと遅いモニターの比較イメージです。応答速度が遅いモニターには残像が現れますが、反応速度が速いと残像は気になりません。
【選び方2. リフレッシュレート】一般的なモニターより動きがなめらかになる
「リフレッシュレート」は1秒間で何回画面を書き換えているかを表す数値です。 一般的なテレビは60Hz(1秒間に60回の書き換え)ですが、ゲーミングモニターは、75~240Hzと書き換え回数が多いです。ただし、ハードとゲームの両方が秒間60回以上の描写に対応していないと、高リフレッシュレートのモニターは宝の持ち腐れになります。 ちなみにPS4世代までのゲーム機の秒間描写回数は60回です。

リフレッシュレートが高いと1秒間での描写コマ数が多くなり、キャラや背景の動きがなめらかになります。

PS4世代までのゲーム機や、パソコンでも格闘ゲームや2Dゲームなど内部処理が60fpsで行われているゲームならリフレッシュレートは75Hzで十分です。
リフレッシュレートのこぼれ話:オーバースペックだと遅延が発生する?
パソコンの場合、リフレッシュレート240Hzのモニターを接続すると自動で240Hzに設定されます。この状態で秒間60回書き換えのゲームをプレイすると、モニター側の書き換えのほうが高速なため表示を待つ=表示遅延が発生します(この場合3/240秒の遅延になります)。 これを避けるにはWindows10の場合、「ディスプレイの設定」から「ディスプレイの詳細設定」 →「ディスプレイ 1 のアダプターのプロパティを表示します」と選択して「モニター」タブ内の「画面のリフレッシュレート」で「60ヘルツ」に設定してゲームと書き換え回数を合わせましょう(GPUの設定ソフトでも可能です)。 また、昨今のトレンドとしては、高リフレッシュレートの設定はそのままに、垂直同期の設定をオフにする(描写同期を行わない=同期を取らず最速で描写する)ことで秒間60回書き換えのゲーム(ストリートファイターV)における表示の目視確認がしやすくなったという報告がネット上で相次いでいます。 オフラインでの競技シーンを想定している場合、大会で同じ環境が使えなければ意味はありませんが、選手が自前の機材を使えるオンライン大会なら有利に働く設定でしょう。
【選び方3. サイズと形状】24インチクラスがスタンダード
ゲーミングモニターの標準サイズは24インチクラスになります。これより大きいと視線移動の距離が長くなり、ゲームによっては不利になります。逆にこれよりも小さいと、細かい画面情報が見えにくくなります。実際に競技シーンで使われるモニターも24インチクラスの場合がほとんどです。 また、最近では湾曲パネルを採用したモデルが注目を集めています。湾曲パネルは没入感のアップと視線移動距離が短くなるという利点がありますが、FPSゲーム・TPSゲーム以外のジャンルには向きません。

モニターサイズが大きくなると、画面の端から端まで視線の移動距離が長くなり、索敵などの反応が遅れます。視線移動距離はモニターと自分との距離でも調節できますが、実際には机に奥行きがないと難しいです。

同じインチ数でも湾曲パネルのほうが視線移動の距離が短いです。また、没入感が上がるためゲームに集中できます。
【選び方4. 付加価値】ゲーミングモデル独自の機能を確認
ゲーミングモニターには他にも、下表のような確認すべき付加価値があります。性能表で数値化されない部分にも注目しましょう。

スタンドの可動範囲は軽視されがちですが、合わなかった場合は机や椅子側に高さの調整機能が必要になり、それができない場合は思わぬ追加出費が発生することもあります。 それでは、これらのポイントを踏まえた上で、雑誌『家電批評』おすすめゲーミングモニター6機種を見ていきましょう。
【おすすめ1】高画質と高速な応答速度を両立した「NITRO XV240 YPbmiiprfx」
エイサー NITRO XV240 YPbmiiprfx 実勢価格:2万9800円

▼スペック サイズ:約H499×W540×D234mm 重量:約4.93 kg(スタンドあり) 解像度:1920×1080 パネル方式:IPS 表面処理:ノングレア HDR:HDR10 スピーカー:2W+2W 同期技術:AMD FreeSync Premium
同価格帯の24インチ平面モニターと比べ、ワンランク上の性能を持つ製品。ゲーミングに向かないとされるIPSパネルながら、独自技術で高いリフレッシュレートと応答速度を実現。美しい発色との共存を可能にしています。 入出力端子まわりは標準的ですが、スタンドは可動範囲が広く秀逸。高リフレッシュレートを生かしたFPS・TPSはもちろん、クセのない平面型なのでMOBAや格闘ゲームなどマルチに使えます。 また、ピボット対応で縦長画面が可能なので、2Dの縦画面シューティングゲームにも最適です。


映像入力端子はHDMI×2とDisplayPort×1。底部にはステレオスピーカーを備えます。

支柱は細く一見華奢に見えますが、頑丈でモニターをしっかり支えます。

高さ調節は120mm、チルト角は上20度、下度で可動範囲が広く、好みのポジションに設定できます。また、ピポット対応なので縦画面も可能です。

台座はスイベル構造(ターンテーブル)になっており、軽い力で360度回転します。
【おすすめ2】240Hzの妥協なき描写性能の「エーゴン AG251FZ2/11」

AOC エーゴン AG251FZ2/11 実勢価格:3万3500円

▼スペック サイズ:H545.21×W566.65×D218.2mm 重量:6.5kg(スタンドあり) 解像度:1920×1080 入出力:HDMI1.4×1、HDMI2.0×1、DisplayPot1.2×1、DVI×1、D-sub×1 同期技術:AMD FreeSync Premium
現行では最高性能となるリフレッシュレート240Hzのゲーミングモニター。応答速度も0・5(MPRT)と速く、ガチ対戦の勝敗を任せられます。 ただし、性能をフルに生かすには、240FPSで描写可能なGPUが必要なので、ハイエンドPC以外では性能を持て余します。 ですが、ハイエンドモデルだけあって、インターフェースは充実しており、ピポット対応のスタンドも高品質です

OSD(On Screen Display)は付属の有線リモコンで操作できるので、ゲームごとのベスト設定の保存や呼び出しが楽に行えます。


側面には可動式のヘッドホンスタンドにマイク入力、イヤホン (マイクロホンと一体型)、USB3.0×2基(1基は高速充電対応)を備え、背面にもUSB3.0を1基備えます。
【おすすめ3】格闘ゲーム&PS4世代機に最適の「GigaCrysta KH252V-ZS」

アイ・オー・データ機器 GigaCrysta KH252V-ZS 実勢価格:1万5400円

▼スペック サイズ:約H416×W568×D215mm 重量:約4.1kg(スタンドあり) 解像度:1920×1080 パネル方式:TN 表面処理:ノングレア 入力:HDMI×2、DisplayPot×1、D-sub×1 スピーカー:2W+2W 同期技術:AMD FreeSync
60FPS描写が上限の格闘ゲームやPS4世代機に最適なモニター。他のモニターが公表しない内部フレーム遅延を公表しており、その値は0.02フレームと非常に優秀。 パネルはTNだがLEDにムラがなく、IPSと思えるほど発色は綺麗。コスパはかなり高いです。

スタンドは高さ調節できませんが、スマホスタンドとして機能します。

チルト角は上20度、下5度。スタンド後方の穴にケーブルをまとめられます。
【おすすめ4】アイケア技術で長時間プレイしても目に優しい「MOBIUZ EX2510」

ベンキュー MOBIUZ EX2510 実勢価格:2万9818円

▼スペック サイズ:約H521.47×W557.59×D216.65mm 重量:5.6kg(スタンドあり) 解像度:1920×1080 パネル方式:IPS HDR:HDR10 入力:HDMI2.0×2、DisplayPot1.2×1 スピーカー:2.5W+2.5W 同期技術:AMD FreeSync Premium
フリッカーフリー、ブルーライト軽減、照明センサーなど、長時間プレイによる目の負担を軽減する機能を備えたモニター。 加えて独自の高音質サウンドシステム「treVolo True Sound」と応答速度に優れたIPSパネルを採用しています。

高さ調節は130mm、チルト角は上20度、下5度、左右は20度で可動します。

スピーカーは前後両方向に音を放つ静電型の「treVolo」を搭載。
【おすすめ5】FPSやTPSに最適な湾曲パネルモニター「OptixG24C4」

MSI Optix G24C4 実勢価格:2万2800円

▼スペック サイズ:H429×W536.7×D225.4mm 重量:3.4kg(スタンドあり) 解像度:1920×1080 パネル方式:VA 表面処理:ノングレア 入出力:HDMI1.4b×2、DisplayPot1.2a×1 同期技術:AMD FreeSync Premium
買いやすい価格帯の23.6インチ湾曲パネルモニター。コストカットのためかスタンドに高さ調節機能はなく、スピーカーも非搭載でシンプルな設計。 しかし、リフレッシュレートと応答速度はゲーミング用として合格レベルなので心配無用です。

湾曲率は1500Rで、平面(破線)と比べると湾曲の度合いがわかります。

OSDメニューは背面スティックで楽に操作できます。
【おすすめ6】ゲーミングでも大画面!湾曲31.5型のド迫力!!「TUF Gaming VG32VQ」

エイスース TUF Gaming VG32VQ 実勢価格:5万4272円

▼スペック サイズ:H580×W713×D233mm 重量:9.13kg(スタンドあり) 解像度:2560×1440 パネル方式:VA 表面処理:ノングレア HDR:HDR10 入力:HDMI2.0×2、DisplayPot1.2a×1 スピーカー:2W+2W 同期技術:AMD FreeSync
ゲーミングモデルでは最大クラスとなる31.5インチの湾曲パネルモニター。ゲーミング性能と大画面を両立させたいという人向けの製品です。 画面が大きい分、湾曲率は高めなので視認性はよく、ゲームだけでなく映画鑑賞にも向きます。

湾曲率は1800Rとやや大きく、大画面ですが画面の端まで見渡せます。

大画面を支えるスタンドは頑強で可動域が広いです。
おわりに
以上がおすすめのゲーミングモニターでした。 最新ゲーム機のプレイステーション5とXbox Series Xがリフレッシュレート120Hzの出力に対応していることから、今後、ゲーミングモニターの需要はさらに高まっていくでしょう。 今までよりもより真剣にゲームをプレイしたい場合は、本記事を参考に自分にあった製品を選んで下さい。
※トップ画像は©CAPCOM U.S.A., INC. 2016, 2020 ALL RIGHTS RESERVED./©CAPCOM CO., LTD. 2018 ALL RIGHTS RESERVED./©2020, Epic Games, Inc./©2020 Electronic Arts Inc.より
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