プロっぽい動画を撮るには「スタビライザー」が必須!

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近頃のスマホには手ブレ補正機能が搭載されていますが、その補正能力は高いとはいえず、「なんか今日撮った動画ブレてた……」なんてことも結構あったりします。

そんなときは、今回ご紹介する「スマホ用スタビライザー」を使えば、大げさな機材を使わなくても、不快な揺れやブレを軽減して、とても見やすい映像が撮れます。

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こちらがスタビライザーを使って撮った写真。スタビライザーを使うと、大きな揺れやブレがなくなって、映像が安定します。よって、投稿サイトやSNS用の動画を撮影する際は、スマホ用スタビライザーがあると重宝します。

ということで今回は、ブレを抑えて綺麗で見やすい映像を撮影できるスマホ用スタビライザーを探して、9製品をテストします。プロと一緒に厳しくテストした結果は、ランキングで発表します。

ランキングの前に、まずはスマホ用スタビライザーの基本についておさえておきましょう。

スマホ用スビライザーは大きく2種類あります

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スタビライザーとは、水平・左右、垂直・上下、回転の3つの軸をモーターで制御して水平を保つようにする製品

垂直・上下と回転だけの2軸と3軸があり、3軸は2軸よりも価格は高めですが、3軸の方が補正効果が高く、安定した映像が撮影できます。

そんなスタビライザーには大きく2種類があります。それぞれについてご紹介します。

1.折りたたみタイプ

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コンパクトになる折りたたみタイプ。携帯に便利です。バッグに入れても邪魔になりません。

2. ストレートタイプ

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本格的なストレートタイプは、ブレ補正力の高い製品が多いです。ただし大きくて重たく、折りたためません。

2. ストレートタイプ イメージ2

こちらは映像のプロも使用する一眼カメラ用のスタビライザー。スマホ用の次は一眼カメラ用にチャレンジするのもおすすめです。

スタビライザーを使うと、撮影者が動いてもカメラを一定の向きに保って、揺れや傾き、ブレを軽減できるので、驚くほど安定したスムーズな映像が撮影できます。

ブレ対策にとても魅力的な製品ですが、スマホを取り付ける手間や撮影機能など、気になる点もあります。

実際に購入する際はどのような点に注意して選べばよいのでしょうか。選び方のポイントをご紹介します。

スマホ用スビライザーの選び方のポイントは大きく6つ

スマホ用スビライザーの選び方のポイントは大きく6つ イメージ

スタビライザーは、ブレの補正能力が高いほど性能のよい製品といえます。しかし、本体のサイズが大きくて重いと持ち歩くのがつらくなって撮影に集中できません。スマホが取り付けやすいかどうかもチェックすべき点です。

旅行などで一日中外で撮影していても、電話に出たり、地図アプリを使ったりするため、そのたびにスマホの着脱で苦労するようでは面倒です。また、自撮りのしやすさや、物を追従する機能もチェックしておきたいポイントです。

選びのポイント1.ブレ補正

選びのポイント1.ブレ補正 イメージ

スタビライザーを買う基準となるのが「ブレ補正」。歩いているときと走ったときのブレ補正は機種によって差が出ます。本体が大きいモデルのほうがブレの補正効果は高いようです。どちらもきちんと補正できる機種がベストといえます。

選びのポイント2.人物や物への追従性能

選びのポイント2.人物や物への追従性能 イメージ

スタビライザーには専用アプリが用意されており、顔や物など任意の被写体をマークして追従する「トラッキング」機能などを活用できます。画面タッチ、手を振るなどで撮影が始まる製品や顔の認識後にカウントダウンできる製品もあります。

選びのポイント3.セッティング

選びのポイント3.セッティング イメージ

スタビライザーからスマホを着脱することは結構あります。スマホを固定するクリップ部のバネの力(挟む力)は強すぎても弱すぎても不便です。また、スタビライザーにセットした後、スマホが水平になるよう、バランスが取りやすいかも重要です。

選びのポイント4.操作性

選びのポイント4.操作性 イメージ

スムーズに操作できるかも重要です。たとえば、本体にジョイスティックが付いていて、撮影中に上下左右に素早く向けられると便利です。また、撮影に集中できるよう、各種メニュー設定を片手で素早く行えるかもチェックすべきところです。

選びのポイント5.自撮りのしやすさ

選びのポイント5.自撮りのしやすさ イメージ

スタビライザーは自撮り棒の代わりとして使用することも多いので、自撮りモードで顔を追従する機能があると便利です。ちなみに、自撮りでの顔認証は搭載機種が少ないです。

選びのポイント6.下向きでの撮影

選びのポイント6.下向きでの撮影 イメージ

犬や猫などのペットを撮影する際は、どうしても下向きになってしまいます。そんなときに便利なのが、下向きでの撮影。子どもを撮るときにも活用できます。

スマホ用スタビライザーを選ぶ際に注意したい6つのポイントがわかったところで、早速テストに入りたいと思います。

スマホ用スタビライザー9製品をプロが厳しくテスト

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今回テストするのは、スマホ用スタビライザー9製品。カメラメーカーで性能テストを担当していた経験もある写真家・イラストレーターの園部 大輔氏にご協力いただき、各製品の性能を評価しました。

テストしたのは次の6項目。なお、スマートフォンはiPhone 11 Proを使用しています。

テスト1.ブレ補正(30ポイント)

テスト1.ブレ補正(30ポイント) イメージ

歩きながら撮影した際のブレ補正と、走ったり階段を上ったりしたときのブレ補正を検証しました。大きく縦に揺れるようなブレだけでなく、斜めに揺れるブレもテストしています。

テスト2.追従性能(10ポイント)

テスト2.追従性能(10ポイント) イメージ

人の顔や特定の物を認識して追従する「追従性能」。人物や建物、看板など、画面内で追いかけたいときにどれくらい被写体を追尾するのか検証しました。

テスト3.セッティング(20ポイント)

テスト3.セッティング(20ポイント) イメージ

スマホが固定するかどうかやバランスの取りやすさをテスト。アームの長さで調節できるかどうかや、着脱のしやすさなどを検証しました。

テスト4.操作性(20ポイント)

テスト4.操作性(20ポイント) イメージ

思いどおりに画面が動くか、上下左右にレンズを簡単に向けられるか、メニュー操作は快適かをテスト。専用アプリで画質設定やフィルターの選びやすさなどを検証しました。

テスト5.自撮り性能(10ポイント)

テスト5.自撮り性能(10ポイント) イメージ

自撮り性能のテストでは、スマホのインカメラへの切り替えがスムーズに行えるか、 画角は最適かといった自撮りのしやすさを検証しました。

テスト6.下向き撮影(10ポイント)

テスト6.下向き撮影(10ポイント) イメージ

下向きにしたとき、くるっと自然に回転してくれるかどうかといったスムーズ性をテストします。

それでは、お待ちかねのテスト結果を発表します!

ブレ補正、操作性などすべてが完璧!DJI「OM 4」

DJI
OM 4
実勢価格:1万6500円

サイズ:W99.5×H163×D46.5mm
重量:434g
補正軸数:3軸
タイプ:折りたたみタイプ

▼テスト結果

  • ブレ補正: 27/30点
  • 追従性能: 6/10点
  • セッティング: 17/20点
  • 操作性: 15/20点
  • 自撮り性能: 6/10点
  • 下向き撮影: 8/10点
  • 総合得点: 79/100点

ベストバイはドローンでも有名なDJIの最新モデル「OM 4」。さすがはDJIといった感じで、ブレに関しては文句なしの補正効果でした。

走ったり、階段を上ったりしても、画面はピタッと収まって、まるでドローンで撮影しているかのような滑らかさ。セッティングもほかのメーカーより断然やりやすいです。

ブレ補正、操作性などすべてが完璧!DJI「OM 4」 イメージ3

走っても強力にブレ補正。逆さ撮影時もきちんと補正します。

ブレ補正、操作性などすべてが完璧!DJI「OM 4」 イメージ4

着脱式のクリップを採用。OM 4本体に装着する際はマグネットでピタッと簡単装着できます。

ブレ補正、操作性などすべてが完璧!DJI「OM 4」 イメージ5

折りたたむと、半分程度の大きさに。結構コンパクトになるので、持ち運びやすいです。

ブレ補正、操作性などすべてが完璧!DJI「OM 4」 イメージ6

クリップ部が着脱式なうえ、形状が小さいのでスマホに付けっぱなしでも邪魔になりません。

人物や物の追従性が高いHohem「iSteady Mobile Plus」

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Hohem
iSteady Mobile Plus
実勢価格:9999円

サイズ:約W127×H305×D115mm
重量:481g
補正軸数:3軸
タイプ:ストレートタイプ

▼テスト結果

  • ブレ補正: 26/30点
  • 追従性能: 7/10点
  • セッティング: 14/20点
  • 操作性: 15/20点
  • 自撮り性能: 6/10点
  • 下向き撮影: 7/10点
  • 総合得点: 75/100点

2位はHohem「iSteady Mobile Plus」。OM 4やSMOOTH 4ほどではないものの、大きな揺れはなく、酔うほどのブレもありません。

追尾性が良好で、被写体が速く動いてもフレームアウトしにくい印象。ジョイスティックは適度な抵抗で使いやすく、パン、チルトはとても滑らかです。

人物や物の追従性が高いHohem「iSteady Mobile Plus」 イメージ2

アーム部の長さが調節可能になっているので、スマホのバランスを取るのは簡単です。

人物や物の追従性が高いHohem「iSteady Mobile Plus」 イメージ3

ジョイスティックの使用感がよく、パン・チルトがしやすいです。

人物や物の追従性が高いHohem「iSteady Mobile Plus」 イメージ4

自然な流れで下向き撮影ができるので、ペットを撮るのに最適です。

本格的な映像を撮るならZhiyun「SMOOTH 4」

本格的な映像を撮るならZhiyun「SMOOTH 4」 イメージ

Zhiyun
SMOOTH 4
実勢価格:2万3927円

サイズ:約W110×H325×D100mm
重量:550g
補正軸数:3軸
タイプ:ストレートタイプ

▼テスト結果

  • ブレ補正: 22/30点
  • 追従性能: 8/10点
  • セッティング: 14/20点
  • 操作性: 16/20点
  • 自撮り性能: 8/10点
  • 下向き撮影: 7/10点
  • 総合得点: 75/100点

同2位はZhiyun「SMOOTH 4」。ブレ補正は強力で、1位の「OM 4」に迫る性能。操作性もよく、撮影解像度や露出設定などをダイヤルで行えます。

また、ボタン1つでアウトカメラと自撮り用のインカメラへの切り替えが行えます。フォローダイヤルを装備しているのが特徴で、ピント位置を変えたり、ズーム機能として使えます。

本格的な映像を撮るならZhiyun「SMOOTH 4」 イメージ2

フォローダイヤルでズームやピントが調整できます。

本格的な映像を撮るならZhiyun「SMOOTH 4」 イメージ3

フォローダイヤルをクルクル回すと、ズームやピント位置が変わります。

本格的な映像を撮るならZhiyun「SMOOTH 4」 イメージ4

下向きにすると自動的に下向きモードになるので撮影もしやすいです。

4位: 追従性と操作性がよいFeiyuTech「Vimble2S」

4位: 追従性と操作性がよいFeiyuTech「Vimble2S」 イメージ

FeiyuTech
Vimble2S
実勢価格:1万2375円

サイズ:約W114.5×H323×D45mm
重量:428g
補正軸数:3軸
タイプ:ストレートタイプ

▼テスト結果

  • ブレ補正: 15/30点
  • 追従性能: 8/10点
  • セッティング: 15/20点
  • 操作性: 15/20点
  • 自撮り性能: 8/10点
  • 下向き撮影: 7/10点
  • 総合得点: 68/100点

4位はFeiyuTech「Vimble2S」。歩きでも揺れが大きく、ブレの補正能力はやや低め。ジョイスティックの操作性がいいので、撮影時のストレスは感じませんでした。顔の追尾性能も高いです。

4位: 追従性と操作性がよいFeiyuTech「Vimble2S」 イメージ2

パンやズームの動きがとても滑らかです。

4位: 追従性と操作性がよいFeiyuTech「Vimble2S」 イメージ3

ロッドが18cm伸びるので、高い位置の被写体なども撮りやすいです。

5位: 操作性がよく快適に撮影できる「FeiyuTech VLOG pocket 2」

5位: 操作性がよく快適に撮影できる「FeiyuTech VLOG pocket 2」 イメージ

FeiyuTech
VLOG pocket 2
実勢価格:1万2560円

サイズ:約W111×H146.6×D57.9mm
重量:272g
補正軸数:3軸
タイプ:折りたたみタイプ

▼テスト結果

  • ブレ補正: 15/30点
  • 追従性能: 7/10点
  • セッティング: 15/20点
  • 操作性: 15/20点
  • 自撮り性能: 7/10点
  • 下向き撮影: 6/10点
  • 総合得点: 65/100点

5位はFeiyuTech「VLOG pocket 2」。折りたたみタイプとしては、OM 4の次に総合点の高いモデル。自撮り時にジェスチャーで録画が開始されるのは便利です。

5位: 操作性がよく快適に撮影できる「FeiyuTech VLOG pocket 2」 イメージ2

ブレの補正能力はそれほど高くはありません。

5位: 操作性がよく快適に撮影できる「FeiyuTech VLOG pocket 2」 イメージ3

アーム類をロックできます。重量が272gと軽く携帯性良好です。

6位: 高いブレ補正力が魅力のZhiyun「SMOOTH Q2」

6位: 高いブレ補正力が魅力のZhiyun「SMOOTH Q2」 イメージ

Zhiyun
SMOOTH Q2
実勢価格:1万7050円

サイズ:約W102×H204×D41.5mm
重量:380g
補正軸数:3軸
タイプ:ストレートタイプ

▼テスト結果

  • ブレ補正: 20/30点
  • 追従性能: 6/10点
  • セッティング: 10/20点
  • 操作性: 8/20点
  • 自撮り性能: 6/10点
  • 下向き撮影: 10/10点
  • 総合得点: 60/100点

6位はZhiyun「SMOOTH Q2」。クリップ部が本体から外れるので、スマホの着脱は簡単。小型モデルの中ではブレ補正力が一番でした。ジョイスティックでのモード変更がしにくいのが残念。

6位: 高いブレ補正力が魅力のZhiyun「SMOOTH Q2」 イメージ2

小型ながら高いブレ補正力が魅力です。

6位: 高いブレ補正力が魅力のZhiyun「SMOOTH Q2」 イメージ3

クリップが本体から外れるので、スマホの着脱はしやすいです。

7位: 軽くて長時間でも疲れないHohem「iSteady X」

7位: 軽くて長時間でも疲れないHohem「iSteady X」 イメージ

Hohem
iSteady X
実勢価格:7999円

サイズ:約W79×H179×D39mm
重量:259g
補正軸数:3軸
タイプ:折りたたみタイプ

▼テスト結果

  • ブレ補正: 12/30点
  • 追従性能: 7/10点
  • セッティング: 12/20点
  • 操作性: 12/20点
  • 自撮り性能: 6/10点
  • 下向き撮影: 5/10点
  • 総合得点: 54/100点

7位はHohem「iSteady X」。走ったときのブレ補正は高精度で揺れ幅は少ないと感じました。顔の追従も優秀で、パン・チルト時に画面が揺れてしまう点は残念でした。

7位: 軽くて長時間でも疲れないHohem「iSteady X」 イメージ2

アウト・インどちらのカメラでも使いやすいです。

7位: 軽くて長時間でも疲れないHohem「iSteady X」 イメージ3

かなりコンパクトなので、バッグのポケットに入れて持ち運べます。

8位: ブレ補正力は低いけど操作性は◎なGudsen「MOZA Mini-SE」

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Gudsen
MOZA Mini-SE
実勢価格:7480円

サイズ:約W113×H194×D111mm
重量:498g
補正軸数:3軸
タイプ:折りたたみタイプ

▼テスト結果

  • ブレ補正: 9/30点
  • 追従性能: 5/10点
  • セッティング: 14/20点
  • 操作性: 14/20点
  • 自撮り性能: 5/10点
  • 下向き撮影: 4/10点
  • 総合得点: 51/100点

8位はGudsen「MOZA Mini-SE」。各種メニュー設定やフォロー制御が中央に集約されているので、とても操作しやすいです。

8位: ブレ補正力は低いけど操作性は◎なGudsen「MOZA Mini-SE」 イメージ2

肝心のブレ補正能力は低く、大きなブレを感じました。

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ミニと名前に付いていますが、折りたたんでも意外と大きいです。

9位: 入門向けスタビライザーZhiyun「SMOOTH X」

9位: 入門向けスタビライザーZhiyun「SMOOTH X」 イメージ

Zhiyun
SMOOTH X
実勢価格:8800円

サイズ:約W65×H145×D56mm
重量:261g
補正軸数:2軸
タイプ:折りたたみタイプ

▼テスト結果

  • ブレ補正: 6/30点
  • 追従性能: 6/10点
  • セッティング: 12/20点
  • 操作性: 10/20点
  • 自撮り性能: 6/10点
  • 下向き撮影: 3/10点
  • 総合得点: 43/100点

9位はZhiyun「SMOOTH X」。2軸のため、ブレ補正はそれほど期待できませんが、コンパクトで持ち運びはラクです。

9位: 入門向けスタビライザーZhiyun「SMOOTH X」 イメージ2

本体が自撮り棒のように伸びるので、使い勝手はかなりいいです。

9位: 入門向けスタビライザーZhiyun「SMOOTH X」 イメージ3

専用の収納ケース付き。バッグに入れて持ち歩きたいです。

ベストバイは定番のDJI製品でした!

以上、スマホ用スタビライザーおすすめランキング9選でした。

ベストバイは、ドローンでも有名なDJI「OM4」でした。スタビライザーはブレ対策にとても魅力的な製品なので、ブログなどのSNSをしている人は持っていて損しないアイテムです。