“多機能eバイク”は電動ママチャリと何が違う? 「VanMoof」新モデル試乗レビュー【走行編】
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the360.life編集部/Test by MONOQLO編集部
公開日: 2020年08月20日

“多機能eバイク”は電動ママチャリと何が違う? 「VanMoof」新モデル試乗レビュー【走行編】

3密の電車を避けて自転車通勤しようと考えている人も多い昨今。クロスバイク型の電動アシスト自転車「e-bike」なら、疲れず快適かつスピーディーに出社することができます。そんなe-bikeの中でも熱狂的なファンが多い人気モデル「VanMoof」を徹底レビュー! 後編の今回は、新モデルを実際に試乗したガチの走行感をお届けします。

テストするモノ批評誌
MONOQLO
辛口レビュー雑誌。生活用品や家具、ガジェットに加え、保険やクレジットカードなどのサービスも比較検証する。
自転車雑誌ライター
田中弾 氏
自転車やトライアスロンの雑誌&ウエブで編集・ライティングを手掛ける。自転車歴20年以上のベテラン。
MONOQLO編集部
北島圭介
MONOQLO編集部所属。テレビやオーディオなどにはじまり、電動アシスト自転車まで、その守備範囲は驚くほど広い。表向きは“ネコと妻と子どもを愛する家庭人”という穏やかな印象だが、じつはただの飲兵衛との噂も…。

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※情報は『MONOQLO』2020年8月号掲載時のものです。価格が変動している場合や在庫切れしている場合があります。

自転車 漕ぐ楽しさを体験できる!欧米で人気の“eバイク”

日本で「電動アシスト自転車」というと子ども乗せのママチャリを思い浮かべるかもしれませんが、欧米で人気なのがクロスバイクタイプのeバイク
eバイクとは、簡単に言うとスポーツタイプの電動アシスト自転車のこと。ペダルを漕ぐときに、モーターの力で脚力を補ってくれるので、体力がない人や女性でも気軽に楽しむことができます。

ママチャリ型の電動自転車に対して、疲れにくいことはもちろんですが、ペダルを漕ぐ楽しさも損なわないように設計されているのが特徴です。

そのなかでもスタイリッシュなデザインと斬新なテクノロジーでファンを魅了しているのが「VanMoof(バンムーフ)」。日本ではまだなじみが薄いかもしれませんが、2009年に設立し、2014年からeバイクをリリースしている自転車メーカーなんです。

自転車 “自転車大国”オランダ発!大注目の「VanMoof」って?

「VanMoof(バンムーフ)」はオランダのアムステルダムに本社を構える自転車メーカー。次々とハイテクな機能を搭載した近未来的な自転車をリリースして、2009年の設立から世界中のe-bikeファンを魅了し続けています。

その独創的なアイデアは今年リリースの新モデル、シリーズ4代目の「S3」と「X3」も踏襲していて、リリース直後から業界の話題を集めました。
※写真右側「S3」、写真左側「X3」

VanMoof
S3
実勢価格:25万円

適応身長:170-210cm
ホイール:28インチ
フレーム重量:19kg
モーター:250-500W
走行可能距離:60-150km
バッテリー:504Wh
充電器:34v4A
VanMoof
X3
実勢価格:25万円

適応身長:155-200cm
ホイール:24インチフレーム
重量:19kg
モーター:250-500W
走行可能距離:60-150km
バッテリー:504Wh
充電器:34v4A
VanMoofの「S3」と「X3」は、どちらも中身は同じですが適応身長のサイズが異なります。「S3」は適応身長が170~210㎝と大柄な人向きで、「X3」は155~200㎝と小柄な人や女性向きです。

雑誌『MONOQLO』では、コロナ対策で自転車通勤を考えているビギナーも多いなか、この多機能なeバイクが「新しい通勤様式」の救世主となりうるのかを検証。前編では「今までのe-bike」と違う3つのポイントをご紹介しました。

▼前編の記事はこちら
オートマチックのギアチェンジやアシスト制御、キーレスロックなど、「ホントに自転車?」というほどのテクノロジーが詰め込まれているこのモデル。

そこで、後編の今回は、公式の情報はスゴイけどホントなのか、実際にプロと編集部員が試乗して、走行感から機能まで徹底的に検証したレビューをお届けします! 感動したポイントだけでなく、惜しかったポイントもあわせてご覧ください。

自転車 独創性に目がいくけど基本の「走り」も快適!

VanMoofの「S3」と「X3」に乗ってみて、まず感動したのはその快適な走り。とくにブーストの爽快感はハンパではなく、平坦な道でもブーストをかけるとグイグイと疾走してくれます。

その未知の体験には、プロも「マジでやばい」と興奮するほど。急な坂道でも試しましたが、驚くほどスムーズにペダルを回すことができました。

そこでまずは、VanMoofの「S3」と「X3」の感動ポイントを3つご紹介します。

1:ブーストボタンの加速感は控えめに言って最高!

右ハンドルに配置されたブーストボタンを押すと、アシストにプラスαで加速するシステムを採用しています。
実際に試してみましたが、まるでターボエンジンが稼働したかのようにグイグイとスピードに乗っていく感覚で、未体験の爽快感は特筆もの。平坦な道でブーストボタンをプッシュした瞬間、グンッと車体ごと伸びて加速していきます。
そのスピード感は普通の自転車にはないほどの爽快さで、思わず「お~」と感動してしまうほど。検証で試乗した大人たちが少年の瞳になって、「ブースト、やばい」と興奮して楽しんでいました。

▼アシスト走行距離
4段階中最大の場合:60km
4段階中最弱の場合:150km

田中弾 氏 自転車雑誌ライター
田中弾 氏のコメント

まさに「風を切る」ような疾走感で走るのが楽しくなります。
かなり急な坂道でもブーストをかけるとスイスイと進んでいき、ペダルをこいでいるのを忘れるほどの推進力を体感。ぶっちゃけ、一度味わったらやめられなくなるほど、このブーストは魅力的!

北島圭介 MONOQLO編集部
北島圭介のコメント

坂道発進で使うと、驚くほどスムーズにこぎ出せました。

2:すべての自転車に導入してほしいレベルでオートマはラク!

ギアチェンジは4段変速のオートマチック。スマホのアプリで時速何kmになると自動でギアを上げる・下げるという具合に設定しておけば、あとは勝手に変速してくれます。
走行中に最適なギアを自動で選んでくれるのは、驚くほどの快適さを感じました。

田中弾 氏 自転車雑誌ライター
田中弾 氏のコメント

本当に便利です。細かく設定できたらさらに良いです。

3:盗難されたときはメーカーが回収してきてくれる!

高価な自転車なので盗難対策は大事。携帯電話の通信方式「GSM」を利用して車体の位置情報を把握し、盗難時に、アプリから大まかな位置をマップで確認できます。
また、有料の「ピースオブマインド」保証に加入しておくと、初回は無料でメーカーが場所を捜索し、回収までしてくれるんです。アプリにフレームナンバーが記録されていて、盗難保証加入者はここから報告してサービスを受けられます。
見つからなかった場合でも、初回は無料で車体を提供してくれます。

自転車 使いやすいけどあと一歩!3つの惜しいポイント

以上が、VanMoofの「S3」と「X3」の感動ポイントでした。使いやすさはバツグンですが、惜しい点も。続いてご紹介するのは、あと一歩だったポイント3つです。

1:本体充電のため電源確保が大変

本体バッテリーはフレーム内蔵なので取り外しができず、電源コードをフレームの端子に直接つないで充電します。
1回フル充電すれば60~150kmのアシスト走行ができますが、充電のたびに約19kgの車体を屋内に持ち込むのはなかなか大変。
充電する端子はフレームにあるので屋内に持ち込むにはかなりのスペースがいります。エレベーターに乗せたり、玄関に入れるのも、慣れが必要です。

▼充電時間の目安
約80分:50%充電
約4時間:100%充電

北島圭介 MONOQLO編集部
北島圭介のコメント

80分で50%のスピード充電ができるのは便利です。

2:アシストはスゴイけど本体19kgは高速だと重い

アシストは時速24kmまでなので、高速になったときにペダルの重さが気になるシーンもありました。ブーストありは楽ですが、坂道はけっこう大変……。
車体重量が約19kgと重いので、アシストがないと脚の負担は大きいです。

▼アシストのレベル
速度:24km/hまでアシスト
ブーストトルク:59+Nm

3:できれば日本語対応アプリが欲しい!

VanMoofの「S3」と「X3」の基本的な設定はスマホ操作です。
ギア変速やロック解除など、アプリで多彩な操作を行えますが、現時点では日本語対応していないため、ややわかりにくく、英語の解説だと操作に迷いがち。日本語アプリは準備中とのことです。

田中弾 氏 自転車雑誌ライター
田中弾 氏のコメント

アプリでサッと設定を変えられるのは便利です。

自転車 【結論】25万は高いけど完成度は最高!運動不足な人キラーな自転車

※写真右側「S3」、写真左側「X3」

VanMoof
S3
実勢価格:25万円

適応身長:170-210cm
ホイール:28インチ
フレーム重量:19kg
モーター:250-500W
走行可能距離:60-150km
バッテリー:504Wh
充電器:34v4A
VanMoof
X3
実勢価格:25万円

適応身長:155-200cm
ホイール:24インチフレーム
重量:19kg
モーター:250-500W
走行可能距離:60-150km
バッテリー:504Wh
充電器:34v4A
▼検証結果
評価:A+

今回、VanMoofの「S3」と「X3」は「新しい通勤様式」に最強なのかということで、編集部員がVanMoofで「江戸川区~千代田区」の17km間を毎日通勤する検証も敢行しました。

アシストはパワフルで違和感がなく、急な坂道も苦にならずラクに登れて快適そのもの。ちょっと混んでいる道を走ってみても14km/hと十分な速さをキープできました。

そして、ギアチェンジがオートマというのも便利。実際に都心部を走ってみるとストップ&ゴーが多く、いちいちギアを手動で変えずに済むのはラクチンです。普通の自転車で通勤するのは大変で長続きしないという人も、これなら楽しみながら続けられるでしょう。

似たクラスの国産eバイクとほぼ変わらない価格帯ではあるものの、やはり25万円は高いと感じる人も多いはず。ただ、他の自転車では味わえないブーストの爽快感は、ぜひ一度体験してほしい! VanMoofの「S3」と「X3」は、とにかくオススメしたいeバイクです。

the360.life(サンロクマル)は、テストするモノ誌『MONOQLO』、『LDK』、『家電批評』から誕生したテストする買い物ガイドです。広告ではない、ガチでテストした情報を毎日お届けしています。
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