「あると便利」が搭載された コーヒーメーカーです

シロカからは大きく分けて3種類のコーヒーメーカーが発売されていますが、こちらの「SC-C122」はミルがコーン式で、サーバーが真空二重ステンレスになっています。

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シロカ
コーン式全自動コーヒーメーカー
SC-C122
実勢価格:2万2187円


サイズ:幅160×奥行270×高さ390mm
重さ:4.0kg(付属品を除く)
最大使用水量:540ml(4杯)

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私が日常使いで、「これは便利!」とまず思ったのはこちら

豆容器には100gの豆を入れることができ、杯数に応じて自動で計量してくれます。さらに、忙しい朝にうれしいタイマー予約機能付き。

コーヒーメーカーなのに、毎回豆を入れる必要がないというのは、毎日使うユーザーにとっては、かなり魅力的だと思います。

「早く均一に挽ける!」 とプロも太鼓判

今回のテストでは、本機とツインバード「CM-457B」「CM-465B」、パナソニック「NC-A57」の4台のレビューを行った際、プロのお二方に各機で淹れたコーヒーの味を評価していただきました。

「早く均一に挽ける!」とプロも太鼓判 イメージ

シロカ「SC-C122」については2つのテイスト(マイルド・リッチ)、そして付属のメッシュフィルターを使ったもの、計3種のコーヒーを淹れました。

さてプロの味寸評は。

「早く均一に挽ける!」とプロも太鼓判 イメージ2
峯岸繁和 氏
しげの珈琲工房
峯岸繁和 氏 のコメント

「マイルド」は口当たり良好で、「リッチ」はやや重め。香りはどちらも良好です。仕上がりが早く、温度もちょうど良いですね。コーン式のミルは均一に挽けており、優秀です。

さわけん 氏
科学する料理研究家
さわけん 氏 のコメント

「マイルド」はその名の通りマイルドな味。「リッチ」はマイルドより濃く出ています。メッシュフィルターで淹れたコーヒーは、少し濃い目で油感がありおすすめ。仕上がりが早いですが、もう少し時間を掛けてゆっくり落としてもいいかもしれません。

一緒に検証をした4台中、ミルの性能はピカイチという評価でした。

では続いて、使い勝手をみていきましょう。

使用前にパーツと 本体内部を洗浄します

取扱説明書にあるとおり、使用前に、水洗いできるパーツ7個を本体から取り外し、すべて洗いました。さらに、給水タンクの満水の目盛りまで水を入れてドリップ。

使用前にパーツと本体内部を洗浄します イメージ

お湯が湧くと、湯気と一緒に、いかにも新品の機械というようなプラスチックのにおいが……。その後、お湯を冷ましてドリッパーをすすぐ作業を2回繰り返しました。

「マイルドテイスト」で 1杯淹れてみました

パーツと本体の洗浄が終わったところで、コーヒーを淹れてみましょう。

①コーヒーサーバーを温めます
コーヒーサーバーに熱湯を半分くらい入れ、1~2分温めたらお湯を捨てます。

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②フィルターを取り付けます
バスケットを開け、ドリッパーのふたを外してペーパーフィルター(1×2:2~4杯用)を付け、再びふたを取り付けて、バスケットを閉めます。

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リング状のドリッパーのふたには表裏があり、突起がある方が上なのですが、使い始めは上下がわかりにくくちょっと戸惑います。なお、本機にはステンレス製のフィルターも付属しています。

③コーヒー豆または粉を入れます
豆容器のふたを外し(これまた最初はどこをどうすると開くのかわかりにくい)、豆を入れます。ここに一度に豆を約100gまで入れることができ、指定杯数に応じて自動計算してくれる機能がついています。

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今回はホットコーヒー1杯分(12g)の豆を投入。時計の表示がやけに明るいのがちょっと気になります。

④豆の粒の粗さを設定します
本体上部、豆容器ふたの上についている「挽き目調節ダイヤル」を回して粒の粗さを調節します。

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左から「粗挽き」「中挽き」「細挽き」。今回は中挽きに設定しました。

⑤給水タンクに水を入れて本体に取り付けます
給水タンクを取り外し、ホット1杯分の目盛りのところまで水を入れます。

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コーヒーサーバーもプレートにセット。

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タンクは薄くて細長く、どこを持ったらいいのかよくわからないデザインです。また、背面に穴が空いており、満タンに近い量の水を入れるとこぼれやすいのが難点。水平を心がけながら、そーっと本体へ。

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給水タンクを本体に取り付けるのもちょっとコツがいります。なかなか一発で決まらない……。

⑥電源を入れます
本体に右側にある「入/切」ボタンを押して電源を入れます。

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電源を入れると各ボタンのランプが灯り文字が読めるようになるのですが、電源が入っていない状態では時間表示以外はまっくらなので、慣れるまでは「入/切」ボタンを見つけるのにちょっと手間取ります。

⑦ドリップの設定をします
左から、豆/粉ボタンで「豆」を、コースボタンで「ホット」を、テイストボタンで「マイルド(普通)」を選び、最後に真ん中のダイヤルでカップ数を選択します。

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ダイヤルにはカチッとした刻みがないので、どれくらい回すと杯数が増減するのかわかりにくく、これもまた慣れが必要。設定が終わったら「スタート」ボタンを押して、いよいよドリップの始まりです。

⑧仕上がりはスピーディです
スタートボタンを押すとミルの回転が始まります。キュイーッという甲高い音で、ボリュームもそこそこありますが、我が家で使い慣れたツインバードのコーヒーメーカーに比べると、かなり早く終了。

豆が挽き終わるところまでは目視で確認できるものの、それ以降の過程は見えません。本体のブザー音が完成の合図です。ミル同様ドリップも早く、コーヒーができあがるまでの所要時間は1カップで約2分半、2カップで3分半でした。

⑨カップに注ぎます
取扱説明書にあるように、サーバーふたに付いているレバーを押しながらコーヒーを注ぎます。

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注ぎ終わったかなと思い、ふたを外してみると……

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少し残っていました。

傾けられる限界の角度まで傾けてみましたが、残ったコーヒーがサーバーのふちを乗り越えられず、どうしても最後まで注ぎきることができませんでした。

⑩淹れたてをいただきます

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さて出来上がったコーヒーはというと……
最初に感じたのは、残念ながらプラスチックのような、薬品のような、化学的なにおいでした。コーヒーを淹れる前にお湯だけで内部洗浄(本体でお湯を沸かしてすすぐ×2回)をしましたが、そのときにもあったにおいがコーヒーと混ざり合っていました。

(※⑫「プラスチック臭問題」のその後にて後述しますが、クエン酸洗浄をして、その後数回使ううちに、徐々ににおいが消え、コーヒーの味と香りを楽しめるようになりました)

濃さは薄めで、すぐに飲める温度。保温機能もないので、取扱説明書にあるように「あらかじめカップを熱湯などで温めてお」き、できたてをすぐに飲むのがよさそうです。

⑪電源を切り、ドリップ済みの豆を捨てます
バスケットを開けて、ドリッパーのふたを外し、ペーパーフィルターを取り出します。

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「豆容器ふた」「挽き目調節ダイヤル」は毎回洗わなくてもよい気がしますが、給水タンク・ドリッパー・ドリッパーふた・コーヒーサーバー・コーヒーサーバーふた、の計5パーツは淹れるたびに洗います。

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コーヒーサーバーのふちが厚く、入り口が狭いので、手が大きい人は洗うのが難しいかもしれません。

⑫「プラスチック臭問題」のその後
取扱説明書に、お湯の出が悪くなったり、ドリップに時間がかかるようになったときの対策として「クエン酸洗浄」の方法が紹介されていました。においにも効果があるのではと思い、やってみることに。

・給水タンクに、クエン酸水(水500mlにクエン酸10gを入れて混ぜたもの)を入れる
・「粉モード/4杯」に設定してドリップ
・終わったらお湯を捨ててコーヒーサーバーをよくすすぐ
・このあと、水だけで2~3回ドリップする


上記を行い、さらにコーヒーを何度か淹れるうちににおいはだいぶ薄れ、コーヒーの味を楽しめるようになりました。「マイルド」テイストは薄めでさっぱりとしており、飲みやすいです。

⑬ミルの掃除をします
続いてメンテナンスです。

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豆容器ふたと挽き目調節ダイヤルを外すと、ミルの中はこんなふうになっています。

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取っ手を持ってミルを外し、付属のブラシで、ミルに残った粉を取り除きます。

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続いて、本体に残った粉や破片をミル内部に掃き落とします。

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ミルを取り付けて空運転(豆モードでスタートボタンを押す)と、ザバッと落ちてきました。説明書に記載はありませんでしたが、これをキャッチするお皿などを用意するとよさそうです。

シロカ「SC-C122」の 良い点と残念な点

シロカ「コーン式全自動コーヒーメーカー SC-C122」を使用してわかった、良い点と残念な点はつぎのとおりです。

◎良い点
 ・コーン式のミルは豆を均一に挽ける
 ・さっぱりして飲みやすいテイスト(マイルドが好きな人向き)
 ・メッシュフィルターで淹れると少し濃い目で油感のある仕上がりに
 ・コーヒーが出来上がるまでの時間が早い
 ・豆の自動計量ができる
 ・タイマー機能付き


◎残念な点
 ・新品時に強めのプラスチック臭がある
 ・パーツ数が多いうえに着脱の仕方がわかりにくく、慣れが必要
 ・タイマー付きはいいが時計の表示が明るすぎる
 ・ダイヤルに刻みがないので意図したところに合わせにくい
 ・ボタンが多く迷ってしまう
 ・給水タンクの穴から水がこぼれやすい
 ・ステンレスサーバーが注ぎにくく、洗いにくい
 ・保温機能がない

【まとめ】“初期の壁”さえ乗り越えれば 使うほどに魅力が増すマシンです

全体的につくりにチープ感があり、パーツ数もボタンの数も多いうえに直感的に扱うのが難しく、残念ながら使い勝手は△。「こういうもの」と割り切って慣れることが必要なマシンと言えそうです。

【まとめ】“初期の壁”さえ乗り越えれば使うほどに魅力が増すマシンです イメージ

一方で、豆の自動計量やタイマーなどの便利機能を備えており、抽出時間の早さも大きな魅力。紙フィルターで淹れたコーヒーはさっぱりと飲みやすく、口当たり良好。均一に挽けるミルと油感が楽しめるメッシュフィルターも、プロから高く評価されていました。

個体差があるかもしれませんが、今回購入した製品は初期のプラスチック臭が強く、ちょっとくじけそうになりましたが、においが徐々に薄れるとともに、ジワジワと良さがわかってくるコーヒーメーカーでした。