水泳用は音質よりメンテの手軽さ! シンプルイズベストです
ダイエット効果抜群の水泳。実際、筆者も水泳に通い1年で20Kg痩せました(事実!)。
ただ、最初はいいんですが、やっぱりなかなか続けるのはしんどい。最初はもちろん体力的にしんどいですが、なれてくると違うしんどさが……。
筆者の場合、泳いでいる間、結構暇なのがしんどかったんです。週2~3日、約30分、1000mを泳ぎましたが、泳いでる間、結構暇なんですよね。
そこで、使い始めたのが、泳ぎながら音楽を聴くことができるイヤホンです。音楽を聴きながらランするように、泳ぎながら水中で音楽を聴くのはかなりおすすめです。
音楽はもちろん、録音した深夜ラジオや、ときには泳ぎながら英語の勉強といった意識が高すぎる活動すらも可能になります。
40歳オーバーの筆者がダイエットに成功したのは、この防水イヤホンのおかげといっても過言ではありません(あくまで個人の感想ですが)。
そんな防水イヤホンですが、一点注意が必要です。
巷には「防水」機能を有するイヤホンは数多くありますが、水中で音楽を聞くことができる製品はごくわずかなんです。
その理由はふたつ。ひとつは、長時間水中で使用できる防水性能が必要な点。
もうひとつは、水中ではBluetoothを利用できないため、イヤホン自体がプレイヤー機能を有している必要があるという点です。
今回は、そんな条件をクリアする「泳いだまま音楽を聴くことができる製品」を徹底テストしました。
ぜひ、ベストバイと一緒に、楽しいフィットネスライフをお送りください!
【選び方1】防水性能:水泳で使うならIPX8が必要!
まずは、水泳用イヤホンを選ぶ際のチェックポイントをご紹介したいと思います。
防水性能はIPと数字で表現されます。水泳で利用するには最高性能のIPX8が必要です。IPX7でも可能ですが、水深1m、30分程度の使用に限られます。
IPに続く最初の数字が防じん、後の数字が防水性能を表します。Xは非対応を表します。この場合なら、防じんには対応していないという意味になります。
ネットで売られている中華製品の中には、「水泳で使ったら壊れた」というレビューが散見されるため、今回は、中華4製品とソニー製品を代表してWS623について、IPX5(噴流に対する保護)とIPX7とIPX8(潜水に対する保護)のテストを実施しました。
IPX5は「内径6.3mmの注水ノズルであらゆる方向から12.5リットル/分の水量を3分間当て続ける」という試験。衝撃を伴った水に対する防水性を確認するための検査となります。
一方、IPX7の試験は「水中1mに30分浸漬する」というもの。まず、試験品が浮いてこないようカゴに固定します。
そして、水面から1mの高さに30分間カゴを沈めてテストしました。
さらにIPX8は「IPX7よりきびしい条件で試験する」というもの。任意の水圧がかけられる水圧試験器を使用しました。
今回は試験品に表示されている内容から水深2m相当の水圧で1時間としました。
なお、詳細は本編で紹介しますが、今回のテストでは、中華製品を含め、いずれの製品も検査機関でのテストは合格、防水性能が確認されました。ただし、通常使用では……。詳細は本編をご覧ください。
【選び方2】音楽再生機能:プレイヤー内蔵がマスト
前述の通り、Bluetoothは水中では使えないため、イヤホン自体にプレイヤー機能が必要となります。
例えば、水中で、「アップルウォッチから音楽を飛ばして、防水ワイヤレスイヤホンで聴く」みたいなことはできません。
実際、私もセルラー機能のアップルウォッチとBluetoothイヤホンあれば、ストリーミングしながら音楽聴けるんじゃね?と思って試しましたが、プールに入った瞬間、通信ブチ切れました涙。
そういった意味でも、水泳などをしながら音楽を聞くことができるイヤホンの選択肢はかなり少ないのが現状です。
どの製品も、プレイヤー機能とイヤホン機能が一緒になっているので、本体に音楽ファイルをコピーする必要があります。
実際には、パソコンから音楽ファイルを直接コピーします。中華系の製品は、メモリに直接ドラック&ドロップする一方、ソニー製は専用アプリ(上写真)を使用します。
【選び方3】装着感:邪魔にならずに泳ぎに集中できるか?
水泳中は、ターンするときなど、イヤホンが外れやすい状況は結構あるので、耳にちゃんとフィットするかは重要です。その点、ソニーのWSシリーズの装着感は優秀でした。
【選び方4】メンテナンス:泳いだ後のメンテナンスが簡単か?
泳いだ後、毎回「干して」乾かす必要がある製品は、手間がかかります。週に何度も泳ぐ人にとっては、なるべくメンテンスが簡単な製品がいいですよね。
また、本体は防水対応でも、充電ケースは防水非対応という場合もあります。
今回は約2ヶ月かけて、すべての製品について装着、スイム、片付け、充電という一連の動作を通常使用の中で行い、もっとも使い勝手のよい製品を決めました。
特に、泳いだあとのメンテンナスのしやすさはかなり重要でした。
こちらはソニーの説明書です。使用後は必ず毎回メンテナンスするよう求められています。
以上、水泳用イヤホンを選ぶ際のポイントと今回チェックしたポイントのご紹介でした。
それでは、本テストの最終結果をご紹介したいと思います。今回ベストバイに輝いた商品はこちらです!
【1位】手軽に防水!価格も魅力 水泳用イヤホンはソニーがベストバイ
今回ベストバイとして最もおすすめしたい商品はこちら、ソニーの「ウォークマンNW-WS413」です。
Sony
ウォークマン
NW-WS413
実勢価格:9699円
容量:4GB
防水対応:IP65/IP68相当(海水対応)
USB充電時間:約1.5時間
前述の通り、水泳中でも利用できる防水性能はもちろん重要ですが、実際に使用する際の「装着感」と「メンテナンスの手軽さ」が重要です。
そして、どちらも兼ね備えているのが、ソニーのWSシリーズです。
しっかりと頭や耳にフィットする装着感と、仮に片耳から外れても、すぐには水中をさまようことがない安心感はピカイチです。
頭の大きさによってフィット感は異なりますが、私の場合は水泳キャップを上から被ることで、さらに安定して使うことができました。
また、水泳後のメンテナンスも簡単。テスト期間中、毎回タオルで拭いた後、バックに入れて持ち歩いていましたが、問題ありませんでした。メーカー推奨の方法ではありませんが、今回は大丈夫でした。
一方、後述する通り、2位の完全ワイヤレスタイプは、充電ケースが防水非対応なので、メンテンナンスには非常に気を使います。完全に乾かない状態で充電ケースに戻せないのは、なかなか手間です。
WSシリーズはそういった手間がない分、非常に楽でした。
※説明書には、8ステップに渡る手入れを毎回必ずするように記されています。注意するポイントをよく確認して活用ください。なお、テスターのメンテナンス方法は今回のテストにおけるレポートです。
また、ソニーのWS413は、噴流IPX5と潜水IPX8、両方の防水基準を満たしています。IPX5にも対応している製品は少なく貴重です。(写真は同型WS623でのテスト時。)
一方、音については、水泳専用のイヤープラグをするので、正直良いとは言えません。
このとおり水泳時は、薄膜で穴が塞がれた水泳専用(右)のイヤープラグを利用します。当然、こもった感じの音になります。ただ、水中では充分実用的です。
陸上では左の穴が空いた通常のイヤープラグを利用しますので、クリアな音質を楽しむことができます。
いずれにせよ、水中でも音質にこだわりたいという方は、(ほかにあまり選択肢はありませんが)ソニーのシリーズはおすすめしません。
なお、このWSシリーズを使うなら、一緒におすすめしたいのが、周辺機器を一括して収納できるヘッドホン一体型ウォークマン純正ソフトケース。一式収納できて便利です。
Sony
ヘッドホン一体型ウォークマン
純正ソフトケース CKS-NWWS620
実勢価格:2109円
数少ない完全ワイヤレスWF-SP900 ただし、メンテナンスは毎回必須です!
2位は、水中での完全ワイヤレスを実現するソニーWF-SP900です。
完全ワイヤレスの自由さは大変魅力で、水泳にもおすすめです。ただし、いくつか注意する点があります。
(1)ケースは非防水なので、本体を戻す前に、都度、完璧に乾かす必要があります。
(2)水泳中、耳から外れることはあります。リーシュ(紐)の装着を強くおすすめします。
(3)水泳帽とゴーグルをしながらイヤホンを装着する際、タッチ操作がいちいち反応してストレスです。
以上のような注意点はありますが、完全ワイヤレスが欲しいという方はコレが第一候補なのは、間違いありません。
Sony
WF-SP900
実勢価格:2万2334円
容量:4GB
防水対応:IP65/IP68相当(海水対応)
USB充電時間:約2.5時間
完全ワイヤレスでもリーシュの装着はマストです。公式ページでは水泳中も外れにくいとアピールしてますが、当然イヤホンが耳から外れることはあります。付属のリーシュコード(紐)を装着することをおすすめします。
1位のWS413同様、水泳時は専用のイヤープラグを使用しますので、音質は大幅に下がります。
一番の盲点は、収納ケースは防水非対応という点。泳ぎ終わってすぐにケースに戻すことはできませんので要注意です。泳いだあとに乾かすためのメンテナンスはマストなので、週に何度も泳ぐ人にとっては、この仕様は結構面倒です。
【番外】もうひとつの完全ワイヤレス
純粋に音だけを求めるなら、ブラギがダントツです
音質は家電批評ランキングでも過去2位ということだけあって、音質はピカイチ。ソニーのような穴を塞いだ水泳用のプラグなども不要です。
ただし、ブラギはIPX7でIPX8は非対応。水深1m30分までの防水性能です。
BRAGI
The Dash Pro
実勢価格:3万4110円
容量:4GB
防水対応:IPX7相当
さらに、こちらもケースは防水非対応です。今回の検証でも乾かしが甘かったか、数回水泳に使用したら、片耳が故障してしまいました。
スイムでもランでも使いたいなら Bluetooth対応のWS623がおすすめ
基本的な形や使い方は1位のNW-WS413と同じですが、WS413がBluetooth非対応なのに対して、こちらBluetooth対応。水中以外で、Bluetoothイヤホンとして使いたい方には、こちらがおすすめです。
Sony
ウォークマン
NW-WS623
実勢価格:1万3038円
容量:4GB
防水対応:IP65/IP68相当(海水対応)
防水性能は全く問題ありませんでした。
4位: リモコン付きのW625 ランニング重視の人にはうれしい機能
WW623に、さらにリモコンがついたWS625。ランしながら操作できることに魅力を感じる人は検討を。なお、リモコンは水中では使用できません。
Sony
ウォークマン
NW-WS625
実勢価格:1万6756円
容量:16GB
防水対応:IP65/IP68相当(海水対応)
こんな感じのリモコンが付属します。指にはめながら操作可能。水中では使えませんが、ジョギング中などは便利。これがあればスマホがなくてもリモート操作が可能になります。
パソコンとつなぐ際は、付属アダプターを取り付けて、USBケーブルで接続します。
背面はこんな感じです。この辺の仕様は、WSシリーズすべてに共通となります。
5位: 思ったよりも快適に泳げますが 周りに音が漏れてないか気になる…
今回唯一の骨伝導タイプ。耳を塞がずに音楽を楽しむことができます。装着しやすくシンプルなつくりで好印象。
実際使ってみると、周りにもかなり聞こえているのではないかと思うくらい、想像以上に音楽が「聴けます」。
実際、自分が思うほどの音漏れはしませんが、ゼロではありません。
正直言って、何度使ってもまわりの目ならぬ、「耳」が気になりました。(実際はそこまでまわりには聴こえないのではありますが)
Tayogo
骨伝導
水泳MP3プレイヤーW01
実勢価格:6998円
容量:8GB
防水対応:IPX8相当(海水対応)
いわゆるイヤホン的な穴がないという意味では、水泳向き。防水テストも合格です。
6位: 紐のびろ~んがプールで結構
恥ずかしいですがTayogo
とにかく安くて水泳に使えるものが欲しい方にはこちらはどうでしょう。USBメモリタイプの本体で、データの取り扱いは簡単です。一方で、頭部後方に操作部分が来るので、装着時の操作はややストレスでした。
Tayogo
WaterProof
Smart Headset
実勢価格:6998円
容量:8GB
防水対応:IPX8相当
本体部がUSBメモリのように外れます。データコピーは簡単。メモリを外してPCに直接挿せます。
防水テストはIPX8合格でした。
7位: 中華製OEM系イヤホン
特段おすすめする点もありません
8位のOVEVOと同じ形のOEM製品。防水テストはクリア。こちらは故障せずに動作しましたが、積極的におすすめするポイントもありませんでした。
Lanniu
MP3 X9
編集部購入価格:4599円
IPX8試験は合格でした。
8位: そもそも音声ガイドが中国語でして…… ワーストバイのOVEVO
今回、防水テスト前の予備テストであっさり壊れたこちらの製品。
防水テスト用にもう1台(赤)新調。防水テストは無事クリアするも、今度はパソコンで認識できなくなり音楽データがコピー不能。
ちなみに、1台目(黒)は音声ガイドが中国語。久々のトホホ商品でした。
検査機関での防水テストは無事クリアしましたが、編集部で調達した2台とも、最終的に故障。おすすめできません。
OVEVO
MP3 X9
編集部購入価格:4480円
防水性能テストでは過酷な潜水テストIP8に合格。ちゃんと使えば、確かに防水なのは間違いないです。
ただし、ゴムパッキンが少しでも開いてると故障の原因になるので注意です。
以上、水泳用完全防水イヤホンおすすめイヤホン9選でした。特にフィットネスクラブなどでスイミングを楽しむ方は、ぜひ参考にしてください!