扇風機はDCモーターの時代 ただしバルミューダは別格

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公式ショップでは全モデル完売御礼

2010年に、当時は無名だった家電メーカー・バルミューダから発売された扇風機。機能から構造まで究極にこだわって作られた本機は約4万円と扇風機としてはありえない価格設定にもかかわらず、その革新的なデザインと、奇しくも東日本大震災を契機にした節電ブームも重なり、大ヒットを記録。

それをきっかけにDC(直流)モーターの扇風機が注目されるようになり、これまでのAC(交流)モーターよりも高性能な扇風機が一気に普及しました。

DCモーターのメリットは大きく2つあります。ひとつは風が「やさしい」こと。これまでの弱中強という単純な風だけではなく、より細かく、「やさしい」微風が出せるんです。ふたつめは「省エネ性」。平均30~40Wだった消費電力が、10Wにも満たない数値に激減しました。

いいことづくめのDCモーターですが、弱点もあります。それが価格です。これまでの扇風機と比べて1~3万円ほど高くなります。とはいえ、テストすればするほど、性能面ではマイナス点はほとんど見当たらないDCモーター扇風機。今選ぶなら、断然DCモーター搭載扇風機をオススメします。

バルミューダは微風を一番遠くまで 届けられる扇風機なんです!

バルミューダ登場以降、扇風機選びは「DCモーター選び」にシフト。ただ、DCモーター搭載ならどれも同じかといえば、そうではありません。今回行ったテストでも、風の質に差がありました。特に、「微風を遠くまで届ける性能」には大きな差が出ました。

ドライアイスを使った気流比較では、バルミューダがもっとも長く美しい気流を作り出し、「面で風を遠くまで飛ばす」というメーカーのウリがしっかり証明されました。最弱運転でも風速計でしっかり捉えることができ、その点でも気流が安定していることを示しました。

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こちらがバルミューダの最新モデルGreenFan Japanの気流。今回の検証で、もっとも美しい気流でした。最弱から最大まで風の勢いは違っても伸びは変わらず、微風でもきっちり風速計が回るあたりがさすがバルミューダ。

気流が面になって進むため、頬に伝わったときにふわっと感じるのもバルミューダの特徴です。未だに他の扇風機の追随を許さない、完成度の高い質の風と言えるでしょう。最大風速は4.2m/s、最小風速は0.6m/sを計測しました。

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バルミューダに次いで、高評価を得たのが独特なカバー形状が印象的な三菱の扇風機でした。

気流は非常に個性的で、うねるように伸びながらまっすぐ進みました。微風運転でも風が弱くなりきらない点はサーキュレーター対応の弊害と言えますが、キレがありバルミューダに匹敵する風の伸びを感じることができました。最後発メーカーらしく、よく研究された一台です。最大風速は3.3m/s、最小風速は0.6m/sを計測しました。

扇風機として十分評価できるが 気流ではバルミューダには及ばず

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33段階の風量調節ができる売れ筋シャープの上位モデルPJ-F3DG。風の強さを細かく設定できますが、ざっくりとしか差は感じられず、強運転での直進性も中途半端でした。風量調節は圧巻ですが、気流はそれほど安定しません。最小運転も風は感じましたが、風速計は回りませんでした。最大風速は2.8m/s、最小風速は計測できず。

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コストパフォーマンスの高い生活家電を数多く輩出しているsirocaから発売されたローポジションの扇風機SCS-401。サーキュレーターとしての利用を想定されておりパワーは十分でしたが、気流の安定性はイマイチという結果に。最大風速は5.0m/s、最小風速は計測できず。

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他社製品より高価格のダイソンのDysonPure Cool Linkテーブルファン。面のように吹くため、風速計の数値以上に強い印象があります。風の出どころが曖昧なので、ある意味扇風機っぽくない風は非常に特徴的です。

羽根がなく、空気清浄機付き、アプリ連携など独特な付加機能を搭載しています。風量切り替えは細かく、音も以前ほどうるさくないため、扇風機としては十分優秀です。価格に納得できれば買ってよい製品です。最大風速は2.3m/s、最小風速は計測できず。

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最後は、ACモーター搭載ながら1万円を超える高級扇風機ドウシシャのレトロリビングファンです。過去にDC扇風機「カモメファン」で培った同社の羽根技術は健在で、細長い羽根から比較的安定した気流でまっすぐ風が進みます。ただ、ACモーターらしく、弱運転でも強めでした。最大風速は2.8m/s、最小風速は1.2m/s。

ベストはやっぱりバルミューダ 三菱電機SEASONSも大アリ

バルミューダ

今回のテストでは、バルミューダに次いで、三菱の扇風機も気流が安定していました。他の扇風機でも風を遠くまで届けることができますが、弱運転で微風を飛ばせるという点で、この2製品は秀でていました。

弱運転でも気流が安定していると、扇風機が意図する心地よい風を遠くにいても感じることができます。また、そういう製品でのみ、風速計で計測することができました。微風でも計測できるかが、扇風機選びのひとつの指標になると言えるでしょう。

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気流が安定しない扇風機は、風速計で計測できませんでした。それが即ダメということではありませんが、ひとつの指標にはなるでしょう。

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今回のテストに先立って、風が届く範囲や距離を調べるために行ったのが上の2つのテスト。こちらのテストでは、全製品ほぼ同じ結果でした。つまり、大まかな風の「強さ」には各製品それほど差はなく、違いはやはり微風にあると言えます。

[上写真]3mほどの範囲で、横一列に等間隔で風車を設置して風の届く範囲を検証。ほとんどの製品が同じ範囲の風車を回した。

[下写真]タテに等間隔で火のついたろうそくを並べ、どのろうそくまで消えるか検証。実使用想定以上の8m先まで消えた。