とろけるあの食感をお家で! 厚みと漬ける時間を比べました

口に入れた途端に、じんわり卵のコクと香ばしさが広がるフレンチトーストは、専門店やカフェに行列ができるほど人気のスイーツです。お店で食べるのもいいけれど、あの味を家で作れたら贅沢な朝が迎えられそう!

実は、フレンチトーストの材料はとってもシンプル。基本は卵と食パン、牛乳と砂糖で、バニラエッセンスで風味を高めます。素材自体はいつも冷蔵庫に入っている食材ばかりですよね。だからこそ、作り方が重要なんです

調べたところ、最も重要なのは「食パンの厚さ」「パンを卵液に漬け込む時間」だとわかりました。そこで、市販の食パンの厚さ違い2種類と、漬け込み時間を3段階に分けて組み合わせ、美味しいフレンチトーストの作り方を徹底解剖しちゃいます。

とろけるあの食感をお家で!厚みと漬ける時間を比べました イメージ

今回は料理家の風間章子さんフードアクティビストの松浦達也さんに協力していただきました。

試したのは次のパターンです。

食パンの厚み:4枚切り(厚め)、8枚切り(薄め)
漬け込み時間:3時間、12時間、24時間


厚みと漬け込み時間のを組み合わせた、合計6パターンを同じ食材で作ってみました。
まずは共通の、基本の作り方をご紹介します。

フレンチトースト 基本の作り方

材料(4枚切り食パンの場合)
・たまご4個★
・砂糖30g★
・牛乳200ml★
・バニラエッセンス★
・バター10g

なお8枚切りの場合は、★の材料をすべて半量にしてください。

[調理の手順]

①卵液を作って食パンをつける

フレンチトースト基本の作り方 イメージ

バットや保存容器へ、たまご、砂糖、牛乳、バニラエッセンスを入れて混ぜ、卵液を作ります。その中に、耳を落とした食パンを漬けて冷蔵庫に置きます。

なお、冷蔵庫で寝かせるときは、フタをしないでおくと、自然に水分が蒸発して濃度が高まり、卵と牛乳の味わいがアップするのでぜひお試しあれ!

②バターで、弱火でじっくり焼く

フレンチトースト基本の作り方 イメージ2

フライパンを弱火にかけ、バターをとかしてから、漬けておいた食パンを焼きます。焼く時間の目安は、8枚切りは片面3~4分、4枚切りは片面5~6分としました。

それでは、気になる結果発表です! まずは分厚い4枚切りから、漬け込み時間の少ない順に紹介していきます。

[4枚切り+3時間]は時短向き! 意外にしみていてまずまずの結果に

まずは4枚切りの食パンを3時間つけてみました。分厚いパンに、最短の漬け込み時間だと苦戦しそうですが……どうなるのでしょうか?

実験結果:△

[4枚切り+3時間]は時短向き!意外にしみていてまずまずの結果に イメージ

条件としては難しいので、それほどしみ込んでいないかな? と思いきや、意外にしみていてまずまずの出来。ですが……?

[4枚切り+3時間]は時短向き!意外にしみていてまずまずの結果に イメージ2

断面はご覧の通り。パンの中央部分に、わずかに白い部分が残っています。手軽に作って食べるなら申し分ないですが、プリンのような食感には至っていませんでした。やや物足りなさを感じます。

[4枚切り+12時間]は たまご味とふわふわ感がアップ

次は同じ4枚切りでもちょっと漬け込み時間を長く、4倍の12時間にしてみました。果たして……?

実験結果:◯

[4枚切り+12時間]はたまご味とふわふわ感がアップ イメージ

これは成功! 3時間に比べるとたまごの風味が格段に感じられました

[4枚切り+12時間]はたまご味とふわふわ感がアップ イメージ2

断面を見ると中央部分にまでしっかりとしみ込んでいるのが分かります。ふわふわ感もアップしていますね。

これでも良さそうですが、まだまだ実験は続いていきますよ!

[4枚切り+24時間]は大正解 極上のとろける美味しさ!

4枚切りで24時間漬けたものはどうでしょうか? 期待が高まります!

実験結果:◎

[4枚切り+24時間]は大正解極上のとろける美味しさ! イメージ

「ふわっ、とろ~!」

卵液がしっかりとしみて、食パンがプリン状になって美味しい!

[4枚切り+24時間]は大正解極上のとろける美味しさ! イメージ2

断面を見ると卵液がたっぷりと中までしみ込み、その重みでパンが重力に逆らえないほど。この組み合わせは正解です。ただし、しみこんでいる分、食パンが柔らかく崩れやすいので焼くときには注意してください。

分厚い4枚切りでは丸一日漬け込むのが正解でしたが、より薄い8枚切りではどうなるのでしょうか?

[8枚切り+3時間]は 中央までしみるまでもう一息!

次は8枚切りのターンです。3時間漬けたものから見てみましょう。

実験結果:△

[8枚切り+3時間]は中央までしみるまでもう一息! イメージ

食パンが薄いので、思ったよりも染み込みました。

[8枚切り+3時間]は中央までしみるまでもう一息! イメージ2

ただ、断面を見ると中心部分にわずかに芯が残っているような感じがあります。漬け込みはもう一息、というところでしょうか?

[8枚切り+12時間] 4枚切りよりやや固い?

次は8枚切りで12時間漬けたものです。

実験結果:△

[8枚切り+12時間]4枚切りよりやや固い? イメージ

卵液はかなりしみていますが、12時間でもまだ中央に固さが残る感じです

[8枚切り+12時間]4枚切りよりやや固い? イメージ2

断面はほとんど黄色ですが、同じ時間で漬けた4枚切りと比べてみても食感は中央が少し固め

[8枚切り+24時間]は 生地がねっとりに…

最後は8枚切りを24時間漬けたものです。薄い食パンに、たっぷり漬ければ最強だろう! と思いましたが……?

実験結果:×

[8枚切り+24時間]は生地がねっとりに… イメージ

「……あれ、ねっとり?」

24時間漬けたので卵液はしみて味は美味しくできました。でも、4枚切りの24時間漬けたようなふわふわ感はなく、代わりにねっとり感が出てしまったのが残念です。

[8枚切り+24時間]は生地がねっとりに… イメージ2

パンが薄いせいか、しっかりしみ込みすぎてしまったのかも……。


6パターン比べて見て、一番美味しくフレンチトーストが作れたのは、「4枚切りで24時間漬け込む」方法でした。食べたい日の前日に仕込んでおけば、あとは焼くだけだからとっても簡単。なお、漬け時間が長いものほど、じっくり焼いてください。ぜひ極上フレンチトーストの作り方をお試しくださいね!