マジで!? 4Kテレビを買っても4K放送が
見られないって知ってました?
2016年06月03日(金)
柴田 崇志
柴田 崇志/Test by 家電批評編集部
マジで!? 4Kテレビを買っても4K放送が
見られないって知ってました?
4Kという新しい放送の登場で、テレビ市場が活気づいている。それはまるで、かつての地デジ移行を連想させる。ただ、地デジより遥かにわかりづらい4K。そんな4Kに潜む大誤解に迫りつつ、4Kテレビの正しい選び方を紹介します。
  • テレビ単体で4K放送は見られない!
    じゃあ、4K買う意味って……
地デジと4Kでは大きな違いがある。というのも、地デジは基本的に対応テレビを買って、電源とアンテナをつなげば視聴できた。ところが、4Kの場合にはそうはいかない。実は4Kテレビの多くは「4K表示ができる」テレビでしかなく、4Kチューナーを搭載していないものが少なくない。

そもそも4K放送は現在、CSでしか行われておらず、視聴するにはスカパー!への加入やアンテナの設置が必要で、チューナーの有無以上に手間がかかる。また、BSでの試験放送も行われるが、こちらについては、そもそも対応するチューナーの市販はまだされておらず、もちろん内蔵したテレビもない状況だ。

では、4Kテレビで何を見るのかということだが、もっとも有望なのがインターネットの動画配信。次にビデオカメラや一眼レフなどを使って自分で撮影した4Kムービーだろう。

その程度の目的だったら、今このタイミングで4Kテレビを買う意味ないんじゃないの? と思うかもしれないが、実際はそうでもない。一番現実的で、一番恩恵を受けられるのが優秀なアップコンバート技術だ。この機能のおかげで、4Kじゃない放送、つまり通常の地デジ放送も通常の大型テレビで見るよりも美しく表示することができる。今、4Kテレビを買う一番のメリットは、このアップコンバート技術だと言えるだろう。

それでは、実際に4Kテレビを買う場合、どんな基準で選べばよいのか。価格が高いテレビと安いテレビの違いに注目しつつ、紹介していくことにしよう。
インターネットを介しての動画配信の場合ならチューナーがなくても4K視聴ができる。

4K:ビデオカメラ:ムービー
4K録画対応のビデオカメラで撮影したムービーを4Kで楽しみたいなら4Kテレビは必須。
  • 安い4Kテレビじゃ4K放送は
    見られない……けれども
4Kテレビにおける4Kチューナーの有無について、ソニーでは全機種に搭載、東芝は上位機種にのみ搭載(いずれのチューナーもスカパー!4K用)、パナソニックとシャープはすべて非搭載という状況で、むしろ4Kチューナー搭載機は少数派となっている。

というのも、4K放送自体がまだ途上のサービスであり規格も満足に定まっていない。さらに現状ではCSのみで、BSに関してはこれから。なので、正直いって今の段階では必ずしも必須の装備というわけではなく、チューナーなしの4Kもアリなのだ。
  • [高い理由・安いワケ①]
    4Kチューナーの有無で10万円違う
こちらの東芝REGZAはチューナーの有無等で価格が10万円違う。ただし、搭載する4Kチューナーはスカパー!4K用であり、BS4Kは受信できない。実際にBS4Kが始まった場合、それ用に別途チューナーが必要になる可能性が高く、スカパー!4Kを利用しないなら宝の持ち腐れになる。また、インターネットを介しての動画配信ならチューナーがなくても4K視聴ができるため、その場合も下位モデルで十分ということになる。

(本記事中の価格は調査当時のもの)
  • 価格差を生む大きな違いは
    バックライトとパネルにアリ 
そもそも4KはフルHDの4倍の精細さがキモで、より大画面で視聴することでその効果が現れる規格だ。ハイビジョン化が進んだ地デジ時代だが、4Kではそれ以上の大画面がメインになると考えていい。具体的には50インチ以上なのだ。

このクラスの高画質モデルの価格差のポイント。それは映りに直接影響するパーツなどの違い。その中でも大きいのがバックライトやパネルだ。この後で詳しく説明していくが、これらは価格差もさることながら映りへの影響も極めて大きい。結果、高画質を追求すると、自動的に価格も高くなっていくのだ。
東芝の場合、同じ4Kテレビでも50インチ以上と以下では実勢価格に10万円以上の差があるが、この差は画面のサイズだけによるものではない。価格差を生む大きな違いはバックライト、パネル、付加機能の3点。ではひとつずつ、解説していくことにしよう。
  • [高い理由・安いワケ②]バックライト
    明暗の表現に優れ高価なのが直下型
4K映像のすごみはその奥行き感にある。それを表現する要素として重要なのは輝度差で、その輝度差の表現には、バックライトはとても重要。

バックライトの種類には直下型とエッジ型があり、それぞれに部分駆動の有無がある。LEDモジュールの数=コストと考えた場合、直下型よりエッジ型の方が低コストとなる。ただし、輝度差の表現でいえば直下型の方が優秀で、部分駆動の効果も高い。

しかし、エッジ型はただ安いだけではない。直下型よりも筐体を薄くすることが可能。壁掛けなどの極薄モデルはこちらが多い。
  • バックライトの高安はコレ
  • 輝度制御は明暗の表現に強い
エッジ型は導光板で光を引き伸ばすため、明暗制御は大味になりがち。直下型ならきめ細かく明暗を表現可能。
  • [高い理由・安いワケ③]パネル
    今や、IPS=高級、VA=安物は誤り
VAやIPSなど、液晶分子の配列によって特性が変わる液晶パネル。一時期はVAよりIPSが珍重される傾向にあったが、それはあくまでも広視野角での話。HDRなど4K映像の表現力ではコントラストが重要になり、その点においてはVAの方が有利なのだ。一例として、画質を追求する各メーカーの最上位モデルはVAパネル採用機が多い。

また、パネル価格はIPSが高価という印象があったが、これはVAが先行したために量産効果で安価に提供されるようになったからに過ぎない。
  • パネルの種類と特徴
暗い部分と明るい部分がしっかりと描き分けられる。

VAと比較するとやや黒部分が浮いて見えてしまう。

全体的に色味が薄くなりコントラストが浅くなった。

正面から見た状態から大きく変化した印象はない。
  • [高い理由・安いワケ④]エンジン
    高級モデルほどプレミアム搭載だが……
テレビのエンジン(半導体)は、以前は上・中・下位機での差別化が普通だったが、最近では全機種共通基盤ということも少なくない。

高画質化において処理と制御という重要な役割を担うエンジンではあるが、多くのエンジンを使うということは性能の優劣にかかわらずそれだけで生産コストの上昇を招く。

そのためチップを使いまわすことからはじまり、基盤そのものも実質同じものの場合もあるのが現状。つまり、特別なバックライトを載せている最上位フラッグシップモデルでもない限り、こだわらなくても問題がない。
東芝:4Kテレビ:4K:テレビ:Z20Xシリーズ:G20Xシリーズ
あくまで半導体であるエンジンは、映りへの影響はパネルやバックライトほど大きくない。バックライト、パネル、エンジンそれぞれが映像に与える影響は、目安として4対4対2と覚えておけばよいだろう。
  • エンジン(半導体)で明確に差を
    つけるのは技術のある東芝とパナソニック
エンジンの差別化という点ではもともと半導体分野で高い技術力を持っているメーカーが有利だ。なかでも東芝には一日の長がある。また、パナソニックも最新最上位機で独自ノウハウを投入している。
4Kテレビは発売開始から5年目となり技術もこなれ、当初の上級機並みの技術が下位機にも採用されるようになってきている。
  • [高い理由・安いワケ⑤]スピーカー
    薄型の宿命! 上位も音はミニスピーカー並
テレビの薄型化で最大の被害を被ったのが音響だ。いくらデジタルで補正しても物理的な量感や広がりについては、今現在も補えきれてはいない。だからこそ4Kテレビでは反射を前提にした下向きスピーカーではなく、前面にスピーカー開口部を設けたものも登場。画質・音質のフルセットを目指したモデルとしてアピールしている。
  • 
             
ソニー:KJ-X9350D:4Kテレビ:4K:テレビ
筐体左右に前面開口のスピーカーシステムを搭載。ハイレゾ相当に音質を向上させる「DSEE HX」のような独自技術も盛り込み、オールインワンシステムとして完結。(写真はソニー KJ-X9350D)
  • [結論]4Kテレビはチューナー
    非搭載モデルが安くて狙い目
そもそも不確定な要素が多すぎる4K放送。ゆえに今買える4Kテレビは、4K放送を視聴するためのテレビではなく、あくまで4Kが表示できるテレビだということを、まずは覚えておきたい。

ただ、通常の地デジ放送を見たとしても、アップコンバート技術のおかげでキレイだと感じるはず。4K放送がないから4Kテレビは意味なし、と考えるのは早計。だからこそ、実際に買うなら、チューナー非搭載のお買い得テレビが安くて狙い目だと言えるのだ。

360.life(サンロクマルドットライフ)は、テストするモノ誌『MONOQLO』、『LDK』、『家電批評』から誕生したテストする買い物ガイドです。広告ではない、ガチでテストした情報を毎日お届けしています。

オススメのコンテンツ

  • [4K]
    安くて売れすぎ「ドンキの4K」に 慌てて手を出さない方がいい理由
  • [4K]
    【ブランド比較】4Kテレビ多機能ランキング5選 タイムシフトもYouTubeも全部入りなの...
  • [4K]
    【最新4Kテレビ】3位ソニー、2位パナソニック、1位は…プロが選んだ最強ランキング9選
  • [4K]
    【4Kテレビ】7年前とここまで違う! プロの目で見た最強画質ランキング9選
  • [4K]
    【4Kテレビ】東芝Z810 VS Z910 最高峰の画質対決の結果は…
  • [4K]
    新4Kテレビ続々投入の東芝REGZAで あえて選ぶべき“型落ち”「Z20X」
  • [4K]
    4Kテレビを徹底調査&ガチ検証! 買い時とベストモデルを大公開します
  • [ホームシアター]
    「もうディスプレイには戻れない」欧州サッカーも映画も、お好きな場所でシアター化!
  • [液晶テレビ]
    安くて便利で「ちょうどいい」! プロが選んだ一人暮らし家電
  • [ホームシアター]
    【家族に衝撃走る】ウチのテレビって映画館レベルじゃない? と思わせる3つの手段
  • [ホームシアター]
    壁が、天井が、スクリーンになる! 寝室で映画を観るための新アイデア
  • [ゲーム]
    【予約再開】ニンテンドースイッチの 今さら聞けない「キホンのき」
  • [ブルーレイ]
    【Amazonで発見!】世界中の ブルーレイを再生できるプレーヤー
  • [ホームシアター]
    【編集部セレクト】3万円でも 買ってよかった家電6選
  • [AVアクセサリー]
    【IOTでずぼら生活】学習リモコンで 家中をスマホ操作するアイデア
  • [AVアクセサリー]
    「リモコンどこ?」問題を一発解決! Amazon最強の学習リモコンがコレ
  • [AVアクセサリー]
    iPadを高画質な“どこでもTV”にする方法
  • [ブルーレイ]
    進化型レコーダーは“もっさり”しない 今、買い時の格安ブルーレイがコレ!
  • [ゲーム]
    プレステVRを買うべき理由と たったひとつの大きな欠点
  • [ゲーム]
    「プレステVR買っちゃった!」 から使い倒してみました。
  • [ポータブルスピーカー]
    お風呂用スピーカーに「吸盤式」という新発想
  • [イヤホン・ヘッドホンアク...]
    iPhone8でジャック復活はナシ? イヤホンをライトニング化させる方法
  • [イヤホン]
    【買ってよかったAir Pods】ユーザー満足度を高める5つの理由
  • [スピーカー]
    オーディオ黄金比率は「5:3:2」 失敗しないスピーカー選びのコツ