カメラ カメラは多少なりとも色を変更して出力しています

写真というのは、撮ったものを忠実に写しだすと思いがちですが、じつはカメラによって若干色合いが変わってきます。それこそが、そのカメラの「味」となり、選ぶポイントとなります。

色合いの差は、カメラ本体の価格の差というよりは、どのような写真にしたいかというメーカーの方向性によるもの。そこで今回は、原色となるカラーパターンを撮影して、出力でどのように色が変化するか検証して、各メーカーの方向性をまとめてみました。

カメラは多少なりとも色を変更して出力しています イメージ

カメラ エントリーモデルは同じような淡い色傾向となる

今回行ったテストでは、ほとんどのメーカーの入門用・初心者用とされる安価なエントリーモデルは、色調が淡く、同じような傾向になりました。メーカーの個性が出るのは、もう少し上のミドルクラス以上からのようです。

エントリーモデルは同じような淡い色傾向となる イメージ

上段:SONY a5 100 ILCE-5100L
下段:SONY a7 ILCE-7R

こちらは、検出した色の出方をみて、各メーカーの方向性を原色に近いほど「実」、遠いほど「美」に、さらに色の「濃」「淡」を配置してみました。

エントリーモデルは同じような淡い色傾向となる イメージ2

最も色が濃く、暗めの色傾向、原色に最も近かったのはOLYMPUSです。原色よりは明るいですが、他メーカーと比べると渋い色合い傾向なのがNIKONなど、各メーカーで個性が出ました。

カメラ これが正解! はナシ自分好みの色合いを押さえて

上の表のように、色傾向は各メーカーによって大きく変わってきます。もちろん、それぞれの方向性によるものなので、どれがいいとは一概にいうことはできませんが、自分が撮影するジャンルとメーカーが得意とするジャンルがマッチすると「このメーカーのカメラで撮った写真の色はなんか好みだ」と感じやすいようです。

下記に、機種選びのポイントとなる各メーカーが得意と思われるジャンルをまとめてみましたので、参考にしてみてください。

[OLYMPUS:風景]
抑え気味で濃い青が特徴的。空や海といった風景だと印象的な写真に。

[ソニー:大自然]
やや赤が強く出る傾向。メリハリのある対象物だとダイナミックさが増します。

[富士フィルム:人物]
赤と黄の彩度が強いので、肌色がやや濃く、人物を撮ると印象ある仕上がりに。

[キヤノン:人物]
フジフイルムと同じ傾向で肌色に強い。フジよりも少し落ち着いた色合いに。

[パナソニック:風景]
他のメーカーよりも原色よりの色合い。建造物など渋い色のものにマッチします。

[NIKON:風景]
エントリーモデルだけのために、他のメーカーのものと同じように淡い色合いで印象は薄めになります。

カメラ 【おまけ】原色だと逆にリアルに感じなくなる場合も

写真なんだから忠実に色を再現したほうがいいのでは? と思う方もいるかもしれませんが、じつは人間は“記憶色”といわれる、より鮮やかな色彩で覚えているんです。なので、ほぼ原色だと、逆にリアルではないと感じてしまうことも多いんです。

[補正前:ほぼ原色]

【おまけ】原色だと逆にリアルに感じなくなる場合も イメージ

[補正後:鮮やか]

【おまけ】原色だと逆にリアルに感じなくなる場合も イメージ2

今回比較した各メーカーの色傾向は、撮って出しのJPGデータの色傾向です。機種によっては色合いを大きく変化させる機能を搭載していたり、RAWという専用ソフトでしか開けないファイル形式の場合は、色合いやノイズ除去など、あとから調整することができます。


以上、各メーカーの色合いの方向性をご紹介しました。ぜひカメラ選びの参考にしてみてくださいね!