どれも完成度が高かった電動自転車 ただいま買い時、到来中です!

近頃、街で見かけることが多くなった電動アシスト自転車。黎明期には車体が重すぎるとか、バッテリーのもちが悪いとかいろいろありましたが、それはもはや過去の話。

今は、各社から非常に完成度の高い商品が発売されています。今回は、人気の20インチ8製品を用意。自転車に精通する専門家、普段から電動アシスト自転車を使用する3児の母、購入を検討する男性等に協力いただきながら、ベストな1台を探っていくことにします。

電動アシスト自転車:自転車:電動自転車:monoclo:モノクロ

ちなみにこちらが価格コムの最新売れ筋ランキングです(画面をクリックすると価格コムが開きます)。

今回のテストでは型落ちモデルが含まれますが、ご覧の通り、価格コムの売れ筋ランキングにも多数型落ちが登場しています。ぜひ、本記事を参考にお得なベストバイを見つけてください。

それではまず、ランキングを発表する前に、電動アシスト自転車を選ぶためのポイントを紹介していきたいと思います。

子どもを安全に乗せるために 購入時に注目すべきポイント

ファミリータイプの電動アシスト自転車を購入する際に、お店で見るべきポイントは「走行性能」「チャイルドシート」「アシスト性能」「ハンドルロック」「バッテリー」の5つ。それぞれどのような点に注意して選ぶべきかを確認しましょう。

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子どもを乗せてもしっかり安定して走行するためには、車体のバランス(ホイールベースや重心の低さなど)が重要なポイントになります。

ファミリータイプの自転車は、チャイルドシートがフロント(前)もしくはリア(後ろ)に装備されるタイプが多いので、用途に合わせて選ぶことが大切になります。

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あらかじめ子どもを二人乗せる前提ならば、前方シートも付いているモデルを選ぶ方が経済的です。ただし、一般的に、前にシートがある方が、慣れるまで不安定になりやすい傾向はあります。

一方で、子ども一人を乗せる場合は、リアシートの方が安定します。また、15kg以上の子どもを乗せる場合も、リアシートになります。

速度を感知する「スピードセンサー」やペダルを踏む力を感知する「トルクセンサー」など、アシストの基本用語については覚えておきたいです。

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大きく分けて、手元でレバーでハンドルロックする場合と、スタンドを立てると同時に自動でロックが掛かるタイプがあります。好みで選んでかまいません。

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坂道が多い地域だったり、送り迎えの距離が長い場合は大容量タイプが便利です。ただ、容量が大きいほど、交換時の費用が高いことは注意していきましょう。バッテリーは数年使うと、新品の半分ほどのもちになると言われています。

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いよいよテスト! 今回は安全性、アシスト性能、 乗り心地、すべて乗って比べてみました!!

自転車の性能は、目で見ただけではわかりません。実際に子どもを乗せて走行する際は、約30㎏の車体に子どもの体重と運転者の体重が加わり、総重量は100㎏以上になることがあります。

つまり、それだけの重量の乗り物を制御する、ハンドルロック機能やブレーキの性能などが非常にとても大切だということになります。

そこで、今回は専門家だけでなく、日常的に電動アシスト自転車を使用する主婦や電動アシスト自転車の購入を検討する男性らに協力を依頼。「安全性」「アシスト性能」「乗り心地」に重点をおき、徹底的にテストをしました。

さらに、坂道などでアシストする性能、コストパフォーマンスの5項目を数値化。215点満点で評価しました。

いよいよテスト! 今回は安全性、アシスト性能、乗り心地、すべて乗って比べてみました!! イメージ
いよいよテスト! 今回は安全性、アシスト性能、乗り心地、すべて乗って比べてみました!! イメージ2

今回のテストでは、子どもを乗車させての走行を想定し、リア部分のチャイルドシートにこのような15kgの重りを乗せての走行を行いました。

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安定性やハンドリングなど取り回しのしやすさなどは、サイクリングロードで繰り返し行いました。

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さらに、普段から子どもを前後に乗せている主婦の武田さんには、同じようにお二人のお子さんを乗せて検証していただきました。

発進時や上り坂でのアシスト性能とパワーをチェックするため、傾斜10度以上、全長約150mの坂を全車種走行テストしました。もちろん登坂検証時も子どもを乗車させての走行を想定し、リア部分チャイルドシートに15kgの重りを乗せて走行しています。

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写真だとあまり伝わらないかもしれませんが、相当キツイ上り坂です。ココで何度も何度も繰り返し検証しました。

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約15kgの重りを乗せて検証。あわせて通勤前に送り迎えするパパを想定した、スーツ姿での検証も行いました。

子ども(重りを)を乗せた状態でのブレーキ(制動)性能やスタンドの立てやすさ、ハンドルロックの作りなどをチェック。

安全面は、実際に子どもを乗車させることを念頭に置いて、どのような対策が取られているかを重要視して検証しました。

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チャイルドシートのバランスも重要!

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ロック付きなど工夫がたくさんありました。


今回は、自転車の専門家として、アドベンプロダクツ代表の義村貞純さん、自転車雑誌ライターの田中弾さん、日常的に電動アシスト自転車を使用する3児の母である主婦の武田菜津美さん、電動アシスト自転車の購入を検討中、モノクロ誌のライターでもある平岡祐輔さんの4名と編集部2名の計6名にてテストを行いました。

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それではお待たせしました、電動アシスト自転車ランキングを発表していきます!

第1位はパワフルなアシストで 坂道もラクラクな「ヤマハ」です!

第1位はパワフルなアシストで坂道もラクラクな「ヤマハ」です! イメージ

今回のガチンコ電動アシスト自転車ランキングで、見事第1位に輝いたのはヤマハの「PAS Babby XL」でした。

まず、PAS Babby XL最大の特徴はパワフルなアシスト力にあります。今回の坂道テストでもトップの成績を収めた本製品。強い力でこがなくてもスイスイと上っていくのが印象的です。

平地でも中速域になるとペダルをこぐごとにスピードが増していき、グイグイと前に出ていく疾走感を楽しめました。

それとは逆に、スタートするときはゆっくりと力が乗っていくような感覚で、それぞれの速度域で人の足の動きに合わせた自然なアシストを実現しています。

停止時に足をペダルに乗せた状態で不意にブレーキを離してしまっても、急に飛び出す危険性が少ないため、安全性の面で高評価を受けることになりました。

また、ブレーキの効きが良く制動性に優れているため、スピードに乗った状態でもしっかりと停止してくれるのも安心感があります。

走行性についてはハンドリングがスムーズで、膝の動きも邪魔しません。タイヤが太めで安定感があり、子どもを乗せて移動するだけではなく、純粋に走ることも楽しめるモデルといえます。

なお、こちらのモデルには「PAS Babby un」という最新モデルが登場してます。一番大きな違いは、本体重量が2.7kg軽くなった点と、補助走行距離がやや短くなった点です。価格コムだと型落ちモデルの方が1万円ほど安いので、少しでも安いものを希望されるならXLを。少しでも軽い方が良いという方は、unが良いかと思います。


ヤマハ
PAS Babby XL
実勢価格:114,900円~
タイヤサイズ:20インチ
重量:33.4kg
バッテリー容量:12.8Ah
走行距離:56km(標準モード)
充電時間:約3.5時間

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スタート直後はやや弱めですが、数回こぐとアシスト力が増します。

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スピードを出したときでもしっかりブレーキングできます。

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安定感ばっちりのハンドリングでブレずに走れました。

最後に、走行性能以外のPAS Babby XLの特長も確認してみましょう。バッテリー容量の大きさは長距離を走る人にとっては見逃せないポイントです。

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バッテリー容量は検証機のなかで最も大きく、走行距離も標準モードで約56㎞と好成績でした。しかも、充電時間は約3.5時間と短めなのがうれしいです。

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タイヤの幅がかなり太めなので、乗っているときに安定する印象です。スピードを出せる性能なので、安定感のあるタイヤは最適です。

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リアシートはシンプルな構造で、子どもを乗せるときの操作もカンタンです。ベルトもしっかりと留まるので、子どもの動きもカバーしてくれそうでした。

総合的にハイクオリティで10万円台とコスパも優秀! 第2位は「ブリヂストン」

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2位にランクインしたブリヂストンの「bikke2 e」は、高い安全性をプロから評価されました。

特にカゴの位置が低く設置されていることで、走行中も停止時も安定感はピカイチでした。また、ブレーキの精度もハイクオリティで、レバーを握るとしっかり停止してくれます。

こぎ出し時点のアシストも強すぎず、いきなり飛び出してしまう危険性が低いのも大きなメリットです。ハンドルロックも高性能で、子どもを乗せたり、降ろしたりするときにブレにくいのもポイント。女性に配慮した工夫が伺えます。

アシストのパワーについても文句のないレベル。初動は強すぎず弱すぎず、ナチュラルなサポートを実現してくれるほか、中速域でも伸びのある走りを見せてくれました。

坂道テストではペダルをこぐ力が少なくて済むことに加えて、坂道走行の安定性についても優秀な成績を修めています。

走行性は前シートを設置するとどうしても窮屈な印象は否めませんでしたが、ハンドリングや乗り味は文句のないレベルといえます。

このbikke2 eは総合的なクオリティの高さを維持しながら、10万円台という価格に抑えている点が専門家たちから絶賛されました。

やや走行距離が短めではありますが、それを補って余りあるコスパの良さを感じさせてくれました。


ブリヂストンサイクル
bikke2 e
実勢価格:108,000円~
タイヤサイズ:20インチ
重量:33.6kg
バッテリー容量:8.7Ah
走行距離:38km(標準モード)
充電時間:約2.5時間

総合的にハイクオリティで10万円台とコスパも優秀! 第2位は「ブリヂストン」 イメージ2

高性能なブレーキで制動力に優れ、カゴの位置も低くて安定感があります。

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いきなり発進しないアシストは高評価です。

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リアシートに足が引っかからず乗り味はバツグン。

総合的にハイクオリティで10万円台とコスパも優秀! 第2位は「ブリヂストン」 イメージ5

ハンドルロックはがっちりとかかって動きにくいため、子どもを乗せるときにブレて落としてしまう危険性は少ないと感じました。

総合的にハイクオリティで10万円台とコスパも優秀! 第2位は「ブリヂストン」 イメージ6

太くて頑丈な作りのカゴは大きめのサイズで、たくさんの荷物を入れることができ便利です。また、低めに取り付けられているので、荷物が重くても走行が安定するのもポイントといえます。

総合的にハイクオリティで10万円台とコスパも優秀! 第2位は「ブリヂストン」 イメージ7

チャイルドシートはさまざまなカラーや模様が用意されて、女性にうれしい仕様です。幼稚園の送り迎えでほかのママの注目の的になるかもしれませんね。

最初のひと踏みがパワフル!ハンドルロックも高評価なパナソニックが第3位

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ランキングの3位を獲得したのはパナソニックの「ギュット・ミニ・DX」です。

まず、ギュット・ミニ・DXは最初にペダルを踏んだときのパワフルなアシスト力が特徴です。グンッと勢いよく進むので、坂道でも発進しやすいのはうれしいところ。勢いに慣れると走行直後の直進力が生まれやすく、安定した走行につながるのもポイントです。

走行性については、前シートとサドルまでのスペースが広いために膝をスムーズに動かせます。タイヤもパンクしにくい工夫が施されているほか、リム(※1)が広くてスポーク(※2)が太め。耐久性の面で秀逸といえます。

ハードな路面状況でも劣化しにくく、安定した走行が可能です。

安全性については、ハンドルロックがとくに優秀でした。ノッチの数(※3)が多く、細かい角度でストップした状態にできるので、自分が子どもを乗せやすいハンドル角度を取ることができます。

※1:車輪の骨格を作る部品のひとつで、金属部分のホイールフレームのこと。リムの内側にはスポークを差し外側にはタイヤチューブが巻かれます。

※2:車輪を構成する部品のひとつで、車輪中央の軸受けから放射状に延びてリムに差し込まれている細い棒状のモノのことを指します。

※3:通常はギアが一周する間に何回カチカチ音がするかを表す言葉。ここでは、ハンドルロックをかけた状態にハンドルを回した際にどれだけ細かく段階ごとに調整できるかを示しています。


パナソニックサイクルテック
ギュット・ミニ・DX
実勢価格:125,800~
タイヤサイズ:20インチ
重量:31.9kg
バッテリー容量:12Ah
走行距離:45km(オートマティックモード)
充電時間:約4.5時間

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踏み出しのときのアシストパワーが強く、非力な女性でも踏み出しをスムーズに行えます。角度があるところからもスイッとスタートできるのがポイント。

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前シートがハンドルで固定されているため、ハンドルがブレにくくて安定しています。前シートがあっても窮屈な感じはなく、こぐときに膝を動かしやすいです。

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ハンドルロックはノッチの数が多く、細かな角度でストップした状態を維持できて使い勝手がGoodです。ブレーキもしっかりと効いて、制動性もハイレベル!

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パンクしにくい特殊なタイヤを採用しているので、ハードな道でも安心。ライトの点灯は手元のスイッチ部で確認できるので、カゴに荷物を入れていてもすぐにわかります。

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タイヤのリムを幅広にして、スポークも太いものを使うことで耐久性をアップしています。3人分の重量がかかっても劣化しにくい工夫が秀逸です。

以上、電動アシスト自転車ランキング1位から3位の発表でした。いかがでしたか?

記事でも紹介しましたが、ヤマハとブリジストンは製品としてアシスト機能や走行性で共通の傾向があります。

一方、この2社とパナソニックは、特性が異なります。一番異なるのは、アシスト機能。発進時に自然で滑らかなアシストのヤマハに対して、子どもや荷物を多く積んだ時でもひと漕ぎ目からパワフルさをみせるパナソニック。

安心感はヤマハの方がありますが、パナソニックに乗り慣れているユーザーは、この最初の発進力を魅力に感じます。

ですので、電動アシスト自転車を買おうと思われる方は、少なくともヤマハとパナソニックの2メーカーの製品に試乗すれば、どっちのタイプが自分に向いているか判定できると思います。ぜひ、参考にしてみてください。

それでは引き続き、こちらの記事 にて4位から8位の発表をしていきます。さらに、子どもの人数や性別などそれぞれのタイプ別ベストバイを発表しますので、そちらもぜひ参考になさってください。