1万円と3万円のシェーバーはそんなに
剃り心地が違うのか?[2015年夏版]①
2015年08月19日(水)
青山 卓弥
青山 卓弥/Test by MONOQLO編集部
1万円と3万円のシェーバーはそんなに
剃り心地が違うのか?[2015年夏版]①
ハイプライスの電気シェーバーが多機能なのは分かります。しかし、シンプルに「ヒゲを剃る」という機能だけに注目した際、それほど違いが出るのでしょうか。早さが違う? 深さが違う? 肌当たりが違う? 1万円と3万円の価格差がどれだけのものか、全17台の電気シェーバーを用意して同一条件下での一斉テストを行ってみました。
  • 検査機関がスペックを、理容師が実地にて検証!
    2通りのアプローチで17台のシェーバーをテストしました
現在、家電量販店の電気シェーバーコーナーは、パナソニック、ブラウン、フィリップス、そして日立という4メーカーを中心に構成されていますが、そこに並ぶシェーバーは実に膨大な数にのぼります。

製品を紹介するポップには、刃の枚数や、お風呂で使える機能、自動洗浄機能付きと様々なウリ文句が躍っており、シェーバー初心者には数千円から数万円という価格帯の差の理由が剃り具合なのか機能なのか、見当がつかない状況です。

そこで、付加価値はすべてとっぱらって、まず価格帯別でどれだけ剃り具合が異なるのかを確認したいと思います。その上で、あとは好みの機能を選べば大間違いはないでしょう。

今回のテストでは、生活・暮らしを科学する専門家集団である「FCG総合研究所」に基本的なスペックを、大人の男のヒゲを知り尽くす理容室「THE BARBER」のヒゲ担当者に実際に使用してみた感覚を、それぞれご判定していただきました。

具体的なテスト内容は下記の通りですが、カンタンに言いますと、ヒゲを剃る性能をフルポテンシャルで発揮した場合と、ヒゲが濃い人や薄い人など条件が異なる状況で、どれだけポテンシャルを発揮できるのかという2点から、各モデルの実際的な能力がどれほどのものなのかを検証しています。

なお、対象としたのは、4大メーカーの2万円台のハイプライスモデル4台、1万円以上のミドルプライスモデル2台、そして1万円以下のロープライスモデル10台。そして、4メーカー以外から電気シェーバーの国内の雄、イズミから1台となります。

[パナソニック]
・ラムダッシュ ES-CLV56(2万304円)
・ラムダッシュ ES-ST39(9980円)
・ラムダッシュ ES-CLT2(7920円)
・ES-RL13(3000円)

[ブラウン]
・シリーズ9 9030S(2万9570円)
・シリーズ5 5030s(1万230円)
・シリーズ3 330s-5(5340円)
・シリーズ1 197s-1(4150円)

[フィリップス]
・シリーズ9000 S9151/12(2万3500円)
・アクアタッチ プラス AT890(7430円)
・パワータッチ PT725A(3640円)
・パワータッチ PQ208(1240円)

[日立]
・ロータリー ジーソード RM-LX1(2万1770円)
・エスブレード ソニック FL10W(1万1990円)
・エスブレード FL53(6670円)
・エスブレード・ジュニア RM-T347(3490円)

[イズミ]
・VIDAN IZF-V85-N(8400円)

※価格はすべて検証当時のモノです。
  • 検査機関で各製品の純粋なポテンシャルを評価!
[検査機関]生活・暮らしを科学・研究しているFCG総合研究所にて、1週間にわたる、各モデルの検証を担当して頂きました。検査をご担当していただいた松下さんは、日頃パナソニックの3枚刃電気シェーバーを愛用しているとのことです。
[切れ味/剃り残し/スピード]曲面+直線で構成されているヘアーカーラーを使って、各モデルの切れ味、剃り残し、速度をテスト。人の顔ほど凹凸があるわけではないので、各モデルが持つポテンシャルを最大限発揮しやすい条件を整えました。
[肌当たり]傷つきやすいゆで卵の表面を肌に見立て、各モデルの刃の肌当たりをテストしました。当然ながら傷跡が少ない方が高評価となります。
  • つぎに、実際の使用感をプロが自分のヒゲでテスト!
上記の検査機関とは別に、都内に6店舗を構える理容室「THE BARBER」のヒゲ担当者5名にお願いして、自らのヒゲと肌をサンプルとして7項目に関してテストして頂きました。濃い、薄いなどヒゲのタイプや顔の凹凸によって、その評価は分かれました。チェックした項目は以下の7点です。

・[肌当たり]剃っている最中、肌がヒリヒリしないか。ヒゲのタイプにより差異があるので、総合的に評価
・[切れ味]どれだけカンタンに、気持ち良く剃れるかという点に着目。メーカーごとの刃の差異にも注目
・[剃りやすさ]手に持ったときの操作感、そして肌への当てやすさを評価。振動の多さやサイズ自体も影響
・[深剃り]どれだけヒゲを根元から剃ることができるのかをチェック。価格帯、メーカー間格差を確認
・[剃り残し]剃り終えた後ヒゲが気になるかをチェック。検査機関とは異なり主観評価を用いました
・[スピード]剃り終えるまでに要した時間をチェック。検査機関とは異なり、主観による評価がメインです
・[トリマー実用性]最終評価には加えていませんが、各モデル搭載のトリマーの実用性もチェックしました
【取材協力】THE BARBER:大人の男にふさわしい雰囲気とサービスを甘受できる新時代の理容室。都内に銀座、広尾、代官山、渋谷、青山、東京の各店舗を構えています。
それぞれメーカーごとにシェーバーをテストして頂き、最後に銀座店で全スタッフにより検証結果を確認して頂きました。
  • TEST01 切れ味の結果発表
    検査機関ではブラウンが上位を席巻!
    
まずは、シェーバーにとって何より大切な要素であろう「切れ味」についてのテストです。

FCG総合研究所にて、同一のヘアーカーラーを剃り、切断後の毛先の状況と全体的な剃り具合をマクロ撮影し、その画像をもとに評価を加えていただいたところ、ブラウンが上位を独占するという結果になりました。「ブラウンがすごいですね」(FCG総合研究所 松下さん)と感嘆の声が寄せられるほど、そのポテンシャルは圧倒的でした。ブランドイメージがそのまま表れた形となりました。

価格帯別に見ると、日立のロータリージーソードを除くハイプライスモデル(下のランキングでは「H」と表記)は上位に、ロープライスモデル(「L」と表記)が下位に集中しています。(検証条件と相性が悪かったのか、日立ロータリージーソードはイマイチな結果となりましたので、今回は参考値とします)やはりシェーバーの根幹である切れ味は価格なりか、と取材班が納得しかけたのですが、ところが、THE BARBERにて「剃りやすさ」「剃り残し」「深剃り」に特に着目して実際にシェービングをしていただいたところ、その評価はまったく異なる結果となってしまいました。
  • [検査機関の評価]切れ味は価格に比例しました
  • 検査機関ではブラウンが抜群の評価!
ブラウン
シリーズ9 9030S
いずれも高評価となったブラウンですが、3万円近い価格の9030sと4000円台の197s-1とでは整い方に差がついています。ハイエンドモデルの方がキレイに剃れていると言えます。
  • [プロの評価]扱いやすさは価格に関係ない
前述の通り検証機関で高評価だったのがブラウンのハイエンドモデルですが、使いやすさを加味したプロのテストではやや異なる結果になりました。最高評価は約1万円、ミドルクラスのブラウン5030s。特に深剃りで高い評価を得ました。続いて、2万円台のパナソニック ラムダッシュES-CLV56、1万円以下のパナソニック ES-ST39と続きました。
また、FCG総合研究所にて15位という評価を受けた3000円のパナソニックRL13が、並みいるハイプライスモデルを抜いて6位に躍り出ました。「割り切って使うなら、ハイプライスモデルよりこっちの方がいいかもしれません」(樋口さん)というコメントが示すように、シンプル極まりないモデルですが、切れ味は十分に満足できるクオリティのようです。

他のパナソニック3枚刃と比較しても刃の形状に特別目立つ相違点はないのですが、逆に上位モデルと同レベルの刃を搭載している、とも推測できます。また、持ち手が太いため操作しやすかったのかもしれません。
  • 切れ味で選ぶなら検査機関も
    プロも高評価な「ブラウン5030s」
ブラウン
シリーズ5	5030s
剃り具合や深剃りでの評価は検査機関同様、「ブラウン シリーズ5 5030s」が高評価でした。
  • [切れ味テスト結論]単純な切れ味と
    使い勝手を含む切れ味は価格に比例しない!
今回のテストから「単純なパワーは価格に比例するが、それが深剃りに直結するわけではない」ということが言えそうです。ミドルクラスの商品でも、実際に剃ってみるとハイエンドよりも深剃りができると思われる商品を発見できました。

プロから高評価を得た商品には、持ち手が太いという共通点があります。ポテンシャルを活かすには、純粋な切れ味だけではなく、剃りやすさ、使いやすさが非常に影響を与えることがわかりました。その点では、必ずしも高い商品を買う必要はないと言えるでしょう。
  • 肌への“優しさ”や剃るスピードなど
    その他の項目の結果は続編の②へ

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