究極のストレスフリーを実現する “耳だけ”イヤホン

完全ワイヤレスのBluetoothイヤホン。これならタッチノイズの原因にもなるうっとうしいケーブルから解放されます。でもどうせなら、左右のハウジングをつなぐケーブルもないほうがいい。こうしてクラウドファンディングを活用して生まれたのが「EARIN」です。

左右完全独立型で超小型軽量、ドライバーにはBA型を採用しています。続いて登場したのがダイナミック型の「Aria One」。Bluetoothといえば操作性はいいけど音質はイマイチというイメージがありますよね。

また、接続や電池の持ちも気になるところ。それらを含めて完全ケーブルレスBluetoothイヤホンをあらゆる角度から検証しました!

検証するのはこの2機種

 

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<製品情報>
モダニティ
EARIN
サイズ■φ14.5×20mm、3.5g 再生時間■最大3時間(モノラルモード最大11時間) 周波数特性■20~20kHz 感度■105dB

fFLAT5:Aria One:イヤホン:Bluetooth

<製品情報>
fFLAT5
Aria One
サイズ■φ9mm 再生時間■最大4時間 周波数特性■20~18kHz 感度■99dB 充電時間■75分

iPhone7からはイヤホンジャックが廃止に

 

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6s以前のiPhoneの薄型化を阻んでいたのはのはφ3.5mmイヤホン端子。これを廃止することで本体をさらに約1mm薄くできた。

左右の接続にもBluetoothを利用

 

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左右のハウジング間をワイヤレス化するため、この間の信号伝送にもBluetoothを採用。例えばスマホからLchが受けた信号をRchへ伝送している。

[検証01 音質編] 迫力重視のAria Oneと聴きやすい音のEARIN

[検証01 音質編]迫力重視のAria Oneと聴きやすい音のEARIN イメージ

EARINは耳に優しい繊細な高音が特徴で、BA型ながら意外に穏やかな音で耳に優しい印象でした。高音の解像度は高いものの、接続機器によっては音量不足のことがありました。対してAria Oneはメリハリのある音が大きな特徴。古河電工が製造する、MCPETと呼ばれる素材を振動板に採用しているため、量感ある低音とヌケのいい高音を聴かせてくれました。

イヤーチップでも音はかなり違う

 

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低音重視ならコンプライがオススメ。S/N感も向上する

EARINには専用アプリあり

 

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スマホ用アプリを入れると左右の電池残量表示、音量バランス、バスブーストが使える

[検証02 使い勝手編] 付けているのを忘れるくらい軽やかなEARIN

EARINのほうが圧倒的に小型軽量で装着したときに目立ちにくい。Aria Oneはやや大きめだが、装着感が良い。どちらもチップにコンプライを採用することで、耳にしっかり固定されるため落とす心配はなさそうです。

[検証02 使い勝手編]付けているのを忘れるくらい軽やかなEARIN イメージ

生活防水と耐衝撃性が欲しいところだが……

 

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小型軽量になればなるほど心配なのが誤って落とすこと紛失すること、そして濡らすことです。Aria OneはIPX5なので、濡れた手で操作しても問題ないが水没は厳禁。対してEARINは非防水なので取り扱いには注意が必要です。どちらも使わないときは専用ケースに収納するクセをつければ紛失の心配もなくなります。

[検証03 接続編] かなり不安が残る不安定な通信

EARINはスマホをカバンの中に入れると
通信が不安定になりがち

 

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Bluetoothは機器間の距離と障害物で感度が変わる。スマホを胸ポケットに入れるのはいいが、バッグに入れると音切れが多発した

Mac miniで接続した場合にナゾの接続不具合が発生

 

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目の前にあるMac miniと接続すると右側の音切れが頻繁に起こりました。左側で受けた信号をさらに右に送るので、右が弱いのでしょうか。


Bluetooth機器を使ったことがある人ならわかることですが、最初に行うペアリング作業が結構面倒。今回の2モデルはそれがかなり簡略化されています。特にEARINはケースから取り出すだけという全自動化を実現。

電源スイッチすらないのが大きな特徴です。スマホやポータブルプレーヤーのBluetooth機能をONにして、接続候補に表示されたイヤホン名を選択すれば次回から自動接続される仕組みになっています。Aria Oneは白い親機を起動してペアリング、その後黒い子機を起動する必要があり、やや面倒です。

連続駆動時間に関しては、最大3時間と4時間で一般的なBluetoothイヤホンから見ると物足りない印象。長時間の移動などを考えると8時間は欲しいところです。接続する機器や置き場所によって、片方の音だけが切れやすくなる点も気がかりですね。

どちらもかなり高音質だが、2万3000円と3万円を超える価格を考えると、すぐに購入とまではいかないのが現状といえます。製品の選択肢もまだ少なく、先物買いが好きな人以外は、もう少し様子を見たほうがいいのではないでしょうか。

ただ、Apple「AirPods」については、非常に巷の評判も良く、価格もまずまず(1万6800円)。近日中にレビュー記事を掲載しますので、こうご期待ください。