家電 まず押さえておきたいダニの種類と生息場所

家の中にいるダニのほとんどはチリダニ科のダニで、人のフケや垢をエサとし、人を刺すことはなく直接的に人に害はありませんが、卵から成虫へのサイクルが早いのが特徴です。

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グラフはダニの培養実験のデータ。コナヒョウヒダニのオス10匹・メス10匹を容器内にエサ25mgと一緒に入れ温度25℃、湿度75%で全暗環境に放置しています。ご覧の通り、ダニの繁殖力は驚異的で放っておくと数週間で爆発的に増えます。

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つぎに、家具や場所ごとのダニアレルゲン量をグラフ化したものです。人の滞在時間が長く、接触が多い場所ほどダニのエサとなるフケ・垢も豊富で、ダニの住処になりやすいことが分かります。

さきほど直接的に人害はないと説明しましたが、厄介なのは、生きているダニはもちろん、例え退治しても、ダニのフンや死がいがアレル物質となり、最悪アレルギー症状を引き起こすこともあるということです。よって、寝具、リビングのカーペットなどはダニのしがいやフンも含めてしっかり対策を取る必要があるのです。

家電 [NG①]天日干しの布団叩きだけでダニ対策を終えていませんか?

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ダニ対策といえば、天日干しでの布団叩きで事足りると考えている人は案外多いのではないでしょうか。布団叩きは、1叩きにつき約1匹のダニの死がいが取れるといわれています。仮に500回叩くと500匹の死がいが取れる計算ですが、数万単位のダニからするとごくわずか。効率は非常に悪いといえます。天日干しはあくまでも湿気対策と考えておきましょう。

したがって、ダニ対策にはまず掃除機をかけることが重要です。それでは、まずダニ対策に有効な掃除機の選び方を解説します。

家電 [NG②]UV効果だけで選ばない掃除機は使い勝手をチェック

頻繁に使うからこそ使い勝手を重視したい掃除機。一時期、UV効果を謳うものが注目されたため、ついついそちらばかりに目が行きますが、軽量さや吸い込みの強さ、ゴミの捨てやすさなど、求める機能を満たしているかを必ずチェックしましょう。

ちなみに、吸引力が強いものほど、回収できるアレルゲンが多くなります。ただし床用のキャニスターなど吸引力が強すぎると、寝具を傷める恐れもあるので注意しましょう。

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UV効果が注目されたレイコップの布団掃除機。人気もありますが、実は吸引力がイマイチです。また、肝心のUVについても効果が疑問視されている部分があります。

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パナソニックの紙パックタイプ。吸引力はそこそこですが、衛生的に使えます。

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ダイソンの布団掃除機。吸引力に優れる上、軽量で取り回しに優れます。

家電 [NG③]時間をかけても意味なし!掃除回数を増やす方が効果的です

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布団に付着したダニのフンや死がいなどの除去には掃除機がけが効果的ですが、長くかければよいわけでもないんです。劇的にゴミが取れるのは最初の数分だけで、それ以上時間をかけても内部まで取り切れません。

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それを裏付けるのに、上のデータには布団は含まれていませんが、フローリングや畳の結果を見ると最初の2~3分間に集中して塵やアレルゲンが回収され、その後は横ばいになっています。

したがって、一度に長時間ではなく、1㎡あたり20秒を目安として、日を置いてこまめに掃除機がけをし、段階的にアレルゲンを取り除いていくのが有効といえます。

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ただし、カーペットなど毛足の長いものは起毛してから再びゴミが取れ始めるので、比較的入念に掃除機がけをする方がよいでしょう。

実践的な掃除の手順ですが、

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まず最初に、シーツ表面のアレル物質を除去します。

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シーツはそのままだと、回収率が落ちてしまうので、取り外して布団を剥き出しの状態にしておきます。

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一箇所集中ではなく、表面のすみずみに行き渡るように布団掃除機をかけます。

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20秒/㎡を目安に、とくに凹みなどは入念にかけましょう。表面だけでもこれだけのゴミが取れました。

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掃除機をかけて仕上げにかかりますが、先ほど紹介したように、空気清浄機をかけておくと空気中に飛散したアレル物質を除去できます。

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ただし、空気清浄機は床に落ちた塵は取り除けないので、単体での運転はあまり効果がありません。あくまでも掃除機を回すときに併せて使いましょう。

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また、布団以外の、たとえば布製ソファーなどのダニ対策には、スチームの高温が有効です。使用後はしっかりと乾燥させ掃除機がけも忘れずにしましょう。

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衣類は、吊るしたままアイロンのスチームを吹きかけるハンガーショットなどを定期的に行うと効果的です。

家電 [NG④]常温水の洗濯は生きているダニに効果なし

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ダニ対策における洗濯の注意点として覚えておきたいのは、ダニのフンや死がいなら水洗いで問題ありませんが、生きているダニの場合、ほとんど効果がないということです。

上の図は、熱水洗濯と水洗濯とでアレルゲンの除去と死滅率をそれぞれグラフにしたものです。死滅率グラフのオレンジの棒は熱水での洗濯、赤の棒は通常の水洗いを示しています。ダニアレルゲンの除去率は双方に高いものの、水洗いはダニの死滅率が低い結果が出ています。したがって、生きているダニを洗濯で死滅させるためには熱水洗濯が必要です。

海外では55℃以上の湯洗いに対応する洗濯機も多数販売されていますが、日本ではほとんどありません。

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そこで、洗えるシーツや毛布、タオルケットなどは丸洗いでアレル物質を落としておき、生きているダニは、高温乾燥するという方法が有効です。

以上、ダニ対策に有効な掃除方法を解説しました。ダニ対策をしっかり講じて、気持ちよい布団で眠りましょう。